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生まれた時から神様だったなんて、これ以上の不幸があるものか。何もかもが自身の思い通りにいく退屈さを、いっぺん味わってみるといい。強欲な人間の願い事を叶えることだって、あまりのくだらなさに笑いが込み上げてくる。「特別」以上の孤独なんて、そうはお目にかかれないはずだしね。 #書き出し
2012-05-11 23:51:13![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
#この書き出しいかがですか 今回だけは特別に許してあげるわ…だからもうその名前で呼ばないでちょうだい 悲しくなるのよ…
2012-05-11 23:25:49![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
馴れ初めなんか聞かれても覚えちゃいない。誕生日は一日違いで家はお隣さん。母親同士が高校の同級生で、物心つく前から一緒に育った仲だ。一緒にいることが当たり前、ある程度の年齢になって籍を入れたのは自然な流れに思えた。馴れ初めなんて覚えてない俺達はそこそこ仲良くやってます。 #書き出し
2012-05-12 00:27:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
馴れ初めなんか聞かれても覚えちゃいない。父がそう言うと、母は笑った。#書き出し 父に借りた本に手紙が挟まってた。「君は僕の太陽です」これってもしかしてあの親父が書いたの?母に尋ねると「やだ、書いたの私」え?「この頃あの人女子高生で私教師だったの」え?「今じゃ性別逆だもんね」ええ?
2012-05-12 21:04:50![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「付き合って下さい」「……私、BLが好きなんですけど良いんですか?」「大丈夫です、僕も百合が好きですから」 #この書き出しいかがですか
2012-05-11 23:42:14![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
初めて降り立つ異国の風は、私をやさしく出迎えてくれた。雑踏に紛れて深呼吸。胸の奥まで染み入る空気が、ここが祖国ではないと教えている。飛び交う言葉は慣れない外国語で、かじった程度の私には断片しか聞き取れない。一歩踏み出すと鼓動がますます早くなる。ここは異国で私は旅人だ。 #書き出し
2012-05-12 00:00:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
初めて降り立つ異国の風は、私をやさしく出迎えてくれた。冷たかったのは、人々の眼差し。真っ黒なローブをすっぽりと被った年齢も性別も何もかもを隠した異邦人なんて、歓迎されるはずもない。私は低温火傷しそうな視線の数々を意識から遮断して、ローブの裾で遊ぶ風にだけ笑みを返した。 #書き出し
2012-05-12 09:14:09![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
最も縁遠い言葉はセンチメンタル、それが信条だったはずなのに。「泣いてんの?」「泣いてないわ、バーカ!」涙声の反論ほど決まりが悪いこともないだろうに、それでも口を閉ざさないわたしはよっぽどの負けず嫌いだ。そしてそんなわたしを宥めるように抱きしめてるこいつは本物のバカだ。 #書き出し
2012-05-12 00:14:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
二度と離さないと誓った筈なのに、彼女の細い腕は僕の手からするりとこぼれ落ちてしまった。僕はこれまで、何度こうして大切なものを取りこぼしてきたんだろう。「落ち込む暇があるなら奪いに行け!」僕を鼓舞するこの声は口先ばかりの心の中の僕。見てろよ、本当に奪い取ってやるからな! #書き出し
2012-05-12 00:52:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
伏し目がちの彼女の正体は、予想に反して肉食系女子でした。騙された。淑やかで清楚で可憐な少女だと思っていたのに!「騙される方が悪いの」騙す方が悪いに決まっているが、彼女が言うとそんな気もしてくるのが怖い。真っ赤な舌をぺろりと出す彼女は、本当の肉食獣じみていて寒気がした。 #書き出し
2012-05-12 01:31:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
匿名性の長所を最大限に利用して、私はアンケートに想いの丈を書き付ける(『接客』の欄を重点的に)。時折過ぎる制服姿を目で追ってたら…筆が滑った。『そんな貴方が好き』最後の一文で、用紙の投入先はアンケートBOXからポケットに変更だ…いつか、直接提出する勇気が出る日まで。 #書き出し
2012-05-12 02:48:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
耳に馴染んだ声が「はじめまして」なんて嘯く。嘘つけ! 叫びたいのを笑顔でひた隠し、こちらへどうぞ、なんて何食わぬ顔で案内してみたり。同僚に関係を詮索されたくないのであくまで自然に、冷静に。訳知りの友人が向こうで笑いを堪えていて、今すぐ駆け寄って一発ぶん殴りたくなった。 #書き出し
2012-05-12 13:14:53![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
しあわせってなあに? みんなが口を揃えて言うの、「あなたはしあわせになるべきなのに」って。それってつまり、今のわたしはしあわせじゃないってことなのかな。わたしのしあわせは、わたしが決めちゃダメなのかな。わたし、しあわせだよ。生まれてきて、みんなに出会えてしあわせだよ。 #書き出し
2012-05-12 10:21:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
近所のコンビニへ、スッピンで出かけたときに限って知り合いに遭遇してしまう現象に、誰か早く名前をつけて下さい。コートの襟に顔をうずめて、帽子を目深に被る。普段はコンタクトだけど、今日はもちろんメガネ。そこまでして正体を看破された日にはあなた、情けなくて泣けてくるんだぜ。 #書き出し
2012-05-12 14:06:45