【コラム】国際刑事裁判所と世界と日本と私:新たな決意表明と行動
- tkatsumi06j
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続き。日本は2期連続で判事を輩出し、ICC締約国会議(ASP)の中で確固たるプレゼンスを持つに至りました。「侵略犯罪」に関する特別作業部会にも必ず参加し、専門的な議論にも臆することなく意見参加してきました。しかし、1つ確固たる実績がないとすれば、それはICC関連法の整備でした。
2012-05-11 01:46:18ICC協力法制の不備
続き。ICCには批准法・協力法のほかに、特権と免除に関する協力協定(APIC)というものが別にありました。 この協定に、日本政府は断固として批准しませんでした。その理由は「協力法によってすでに担保されているから」というものでした。http://t.co/UXUr7cQJ
2012-05-11 02:40:30続き。自民政権下、たしか麻生外務大臣の時代から、政府参考人が国会で行う答弁の内容hがまるで判で押したかのように同じでした。議員秘書時代、PGAジャパンの事務局も務めた私は、こうしてAPICについては取っかかりを失い、ICCについて政府に働きかけるテーマを失いかけました。
2012-05-11 03:56:32核兵器使用禁止規定の追加
続き。唯一、日本のICC加入前から働きかけ続けていたのは、ローマ規程における核兵器使用の禁止を日本が率先して提案することでした。しかしこの訴えが政府に届くことはなく、政権与党となっても政府がこの提案を真摯に検討しICCの締約国会議に持ち込むことはありませんでした。
2012-05-11 03:59:10続き。いまから考えてみれば、その背景には日本が核兵器の使用を禁止してしまっては、核燃料サイクルや、潜在的核保有という国家百年の大計ともいうべき根幹計画に支障を来す恐れがあったからではないかと、そういう穿った見方をしてしまいます。しかしいずれにせよ、働きかけを諦めてしまったのです。
2012-05-11 04:01:262年間の活動の空白
続き。その間、「侵略犯罪」や「非国際的武力紛争下での特定兵器の使用」に関する規程改正が採択された2年の月日が無為に過ぎ、後者にはサンマリノ共和国が、そして前者にはリヒテンシュタインがそれぞれ第一号として批准しているという事態になっていた―これは全く私の怠慢に拠るものです。
2012-05-11 04:05:04続き。市民活動家として、政府に働きかけることをやめてしまったら、もう活動家じゃありません。私の活動家人生は、ICCに始まり、生涯その働きを監視する筈だったのに、お膝元の自国の動静にすら十分目を向けていられなかった。これは、許されざるべき怠慢です。ここで襟を正したいと思います。
2012-05-11 04:08:10決意表明
続き。2010年の締約国会議では、ベルギーに機先を制され、日本は会議でそのプレゼンスを発揮することができませんでしが。外務省は、市民社会から忌み嫌われてきた7年間の訴追免除規定を維持したことを自画自賛しているが、そんなものは「成果」でも何でもありません。単なる「現状維持」です。
2012-05-11 04:12:37続き。私はここで己と国家としての日本の怠慢を見つめ直し、国際社会の責任あるプレイヤーとして、日本政府に2つのことを求めていくことをあらためて決意しました。それは、①侵略犯罪及等の改正規程の批准の推進と、②大量破壊兵器として核兵器の使用を明確に禁じる規程を追加することの要請です。
2012-05-11 04:15:45続き。日本がICCに批准してからはや5年が経ち、その間にICCは大きな転換を迎えました。10年には7年ぶりの再検討会議を開き、規程の改正が具体的に合意されました。11年には初めて安保理の制裁決議の一環として管轄権がリビアに行使されました。世界は動いた。動かなかったのは日本です。
2012-05-11 04:18:21結び。日本は再び「動く国」とならなければならない。私もまた個人として「動く人」でなければならない。今日の気付きによって私は恥を知りましたが、何事も遅すぎるということはない。これまで停滞していたICCに関する活動を復活・強化してゆく所存です。長々とお読み頂きありがとうございました。
2012-05-11 04:21:29補足(1)日本政府の現時点での見解
http://t.co/wpYsRv0e 国際刑事裁判所(ICC)と日本ブログの更新でも示したが、外務省は「侵略犯罪」の定義に関してコンセンサスにより合意する中で、次の理由により「コンセンサスには参加しないが、それをブロックすることはしないとの対応を行った」ことを政策評価している
2012-05-11 19:53:48「…規程改正は、現行ローマ規程の改正手続との関係で疑義が残ること、締約国間及び締約国と非締約国間の法的関係を複雑なものとすること、非締約国の侵略行為による侵略犯罪を必要以上に裁判所の管轄権行使の条件から外していること等から」以下前述通り。 http://t.co/w0tV7GHv
2012-05-11 19:55:53つまり、日本は111ヶ国の締約国が「侵略犯罪」の定義と適用に関するコンセンサス合意に至るという歴史的場面において「不承不承ながら空気を読んで反対はしません」と言って、逆に空気をぶち壊したのである。それが日本を代表する人間によって行われたと知って、国民として快く思えるだろうか?
2012-05-11 19:59:25http://t.co/WhXNeisv この声明の最後のパラグラフはその時の実際の発言である。日本語の政策評価での「コンセンサスには参加しないが、それをブロックすることはしないとの対応を行った」という説明は、これを正確に反映しているだろうか?だが議員はこう報告を受けるのである。
2012-05-11 20:02:40この小松一郎政府代表(前国際法局長)という日本国民を代表しない人間は、実際にこう述べたのである。「極めて不承不承ながら、各国代表団が本改正案を現行案のまま支持するというのであれば、日本政府はコンセンサスを妨げるようなことは致しません」と。なぜ公式和訳がないかがよくわかるだろう。
2012-05-11 20:08:47