ずんだチルドレン

小話まとめ
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ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

利休くんが無農薬にこだわりすぎて虫に食われたような顔でそう言うと、善次郎は不敵な笑みを浮かべる。「そうです。私の役割は、より優れた枝豆族や空豆族を『ずんだチルドレン候補生』としてスカウトし、ずんだチルドレンをやがて極上のずんだに仕上げること…」

2012-05-10 00:19:21
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「あっれ~? おれっち優れた枝豆族なのにスカウトされてないじぇ~?」

2012-05-10 00:20:04
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「何が極上のずんだだ! わかるか! 世間のずんだに対する認知度が…ずんだの原料が我々であるという認知度が…『ずんだって何?』『ずんだって甘いやつ?』『だだちゃだろ?』などとうやむやになって終わりだ! 誇り高き枝豆族ならば耐え切れぬ屈辱ッ!」

2012-05-10 00:22:02
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

こんなに感情をむき出しにしている利休くんは初めてだった。確かにそうだ。ぼくたちは枝豆族であることを誇りに思っている。だから、将来も枝豆だったと認知されているものになりたい…ぼくもそれは同意見だった。でも…

2012-05-10 00:22:43
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「でも…利休くん。それはずんだになることを否定する理由にならないと思うんだ…」「何ィ…?」「ずんだは利休くんが思うよりも、ずっと良いものだよ…」ぼくは太助を見た。太助と目が合う。太助が愛する故郷。その故郷に愛されるずんだ…悪いもののわけがない。

2012-05-10 00:23:42
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「ずんだがもっと世間に認知されればいいんだよ! ずんだを見て、ぼくたちを思い出すくらいの知名度まで、ぼくら、ずんだチルドレンで押し上げればいいんだ! ね、太助!」「…うん」太助は嬉しそうな微笑を浮かべて頷いた。

2012-05-10 00:24:21
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「ふん…まったくもって片腹痛い…だが…そこがお前の魅力か、東山」「利休くん!」

2012-05-10 00:24:51
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「キミはなかなかに面白い発想をするのだな…少しばかり見なおしたぞ」「喜助!」

2012-05-10 00:25:19
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「先は長いですが…頑張っていきましょう」「善治郎さん!」

2012-05-10 00:25:59
ユッケ広報担当≒しゅら @k_syu

「よ~しなんだかわからんちんだけど、おれっちズンダンスでも踊っちゃるじぇ~」伊達くんがズンダンスを踊りだすと、その場にいた枝豆はみんなズンダンスを踊りだした。ズンダッズンダッズンダッズンダッ…ズンダンスは止まらない。ずんだの知名度が上がるその日まで…―完―

2012-05-10 00:27:14