西田亮介氏×慎泰俊氏によるトークセッション「ソーシャルデザインの動かし方」実況中継
西田:オープンガバメントは手段でありゴールではない。「よりよいガバナンスの在り方とはなんなのか?」を問うことが重要であり、単に情報技術を導入すればいいという問題ではない。
2012-05-12 20:01:55慎:ガバナンスについて。ガバナンスは作りこむことによってよくなる。そこでは技術はあまり関係のない要素になる。重要なのは、「統治の設計思想」である。
2012-05-12 20:03:22西田:日本の行政機関のソーシャルメディア利用について。発信内容はHPのニュースフィードのみ。情報発信のチャネルが増えたにすぎない。これは、情報技術に関するポリシーがない、デザインがないことに起因している。
2012-05-12 20:05:34西田:同じ事は企業について言える。日米の情報技術についてのポリシーの違いは大きい。IBM「情報技術を学べ、社会の価値を高めろ。そしてその上で気をつけろ」、日本企業「これを気をつけろ、あれを気をつけろ、その上で自企業の価値を高めろ」
2012-05-12 20:07:49慎:ソーシャルメディアでは、属人性が重要な要素。たとえばもんじゅ君、ライフネット、孫正義。個人の人気が企業のブランディングにつながるのかという論点がある。CEOが発言することが一番妥当では。
2012-05-12 20:09:58慎:週刊誌(大きな組織)に叩かれるとキツかった政治家(小さな個人)が、週刊誌を叩き返せるようになった時代。これは、世の中を動かすのに必要なてこ(レバレッジ)が非常に安価に手に入るようになってきていることを示している。
2012-05-12 20:14:27西田:民間・非営利組織から生まれてきた事例を、国が採用して広めようとする動きが注目に値する。この動きが軌道に乗るには、既存の規制・構造が変わる必用がある。現状では、既存の規制・構造に骨抜きにされてしまう。
2012-05-12 20:18:12西田:現在、私たちは「過剰なグローバリゼーション志向」に覆われている(グローバル人材など)。一方で、「安定志向」の望みがある(同じ企業に勤め続けたい)。現在、この2つに引き裂かれている。
2012-05-12 20:21:52慎:グローバリゼーションとの戦い方の1つは「サイズ」である。集団には最適なサイズがある。たとえば、自分たちの地域性を活かす。すなわち、地方分権。
2012-05-12 20:25:29慎:就活において商社が継続的にとても人気である。商社とは実際には小さな会社の寄せ集めからなりたっている。それぞれのサイズに合わせてパフォーマンスを発揮している。
2012-05-14 13:51:09西田:商社としての枠組みは変わっていないけれども、中の人・取り扱うもの、あるいはガバナンスは変化している。そのような適応性を持っていることが強みに。
2012-05-14 13:51:28西田:これからは、疑いを持ちつつロジカルに合意可能な何かを求めながら、ミッションをグランドデザインを作って行く必要があると思う。
2012-05-14 13:51:42会場:日本には海外における宗教のような「共通の基盤」がないと言われるが、ソーシャルメディアはその代替となりうるのでは? 西田:日本に「宗教的なもの」を求めるのは現在は難しいのではないか。そうではなく、機能的に相当するものはなにか、を考えるのが重要。
2012-05-12 20:35:39西田:組織内流動性が高く、組織間流動性が低い社会では匿名性(2ch,Twitter)が流行り、前者が低く、後者が高い社会では実名制(Facebook)が流行るのでは。
2012-05-12 20:40:47慎:社会を良くしようという姿勢において基本的には同じで、違いは事業領域だけだと思う。今まで規制などで事業をやりづらかった分野、あるいは収益を上げにくかった分野であえて起業する人を「社会起業家」と考えては?
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