奈良少年刑務所「社会性涵養プログラム」

寮美千子さんによる奈良少年刑務所での「社会性涵養プログラム」の授業に関するツイートを集めました。
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寮美千子 @ryomichico

これから、奈良少年刑務所で「社会性涵養プログラム」10期第2回の授業。きょうは「どんぐりたいかい」のお芝居! 授業詳細はこちらに 『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』 http://t.co/IcgpRcUr

2012-05-18 12:27:00
寮美千子 @ryomichico

本日の奈良少年刑務所での「社会性涵養プログラム」10期第2回の授業。絵本『どんぐりたいかい』のお芝居。全部で5回上演。実に楽しかった。ナレーターも入れて7人のチームプレイ。最初はバラバラだったのが、回を重ねるうちに指導もしないのにみんなの息が合ってくるのがすごい

2012-05-18 19:05:38
寮美千子 @ryomichico

彼らはそうやって、自分たちで息を合わせてお芝居だってできるんだ、ほんとうは。けれどいままで「できない子」「無理」という烙印を押されて、排除されてきた心の歴史がある。それが、彼らを臆病にする。きょうの授業で、ほんの少しだけ自信をつけてもらえたかもしれない

2012-05-18 19:06:21
寮美千子 @ryomichico

奈良少年刑務所での授業、きょうは一人、最初からひどくうつむいている受講生がいた。教官が心配して「しんどかったら無理せんでええんやで」と声をかけるほど。ところが「どんぐりたいかい」のお芝居をはじめたら、だんだん元気になって、最後には自分から役を買って出た。芝居の力、恐るべし

2012-05-18 19:07:22
寮美千子 @ryomichico

奈良少年刑務所での授業、前回の『おおかみのこがはしってきて』のお芝居は父と子の2人劇。今回演じるのは6人。「人数が多くなると楽しい言われたこと、本当だった」と受講生の感想。数人で力を合わせていっしょになにかを作りあげる。それが彼らの喜びとなり力になると実感

2012-05-18 19:07:53
寮美千子 @ryomichico

終了後の反省会。「いいね、巧いねと言う誉め言葉が『じゃあ、おればダメなのか』と、他の子に劣等感を抱かせることも。彼らは否定の言葉だけではなく、誉め言葉にも敏感であると理解してほしい。評価せずに『OKだよ』とただ受け入れることが大切」と教官。深く共感する

2012-05-18 19:08:55
寮美千子 @ryomichico

「社会に出たら厳しく評価される。評価されないで安心していられる無菌室のような教室では、彼らの耐性をなくすのではないか」という考えもあるが、まずは「ひたすら受け入れてくれる人・場所がある」というのは大切。教官たちが、その役目を担っていてくれるので、わたしも安心して授業ができる

2012-05-18 19:09:38
寮美千子 @ryomichico

虐げられ、否定され、想像を超える大変な目に遭ってきた子どもたちの心は敏感だ。「誉めれば喜ぶはず」という浅い理解では対処しきれない重いものもあることを、肝に銘じなければならない

2012-05-18 19:10:13
寮美千子 @ryomichico

刑務所での詩の授業の時、感想を聞いてもなかなか答えられない子がいる。わたしたちはひたすら待つ。黙って待つ。「待つことは無駄な時間ではない。待ってくれる、と知ることで、安心する。受け入れてもらえていると感じる。それでだんだん話せるようになっていく」と教官

2012-05-18 19:11:11
寮美千子 @ryomichico

「いっしょに待っている子たちにとっても、その時間は無駄ではない。『ああ、自分の番が来て、うまくしゃべれなくても、みんな待ってくれるんだ』と安心することができる。だからこそ、素直に言葉も出るようになる」と教官

2012-05-18 19:12:54
寮美千子 @ryomichico

「面接の時も、『黙っててもええよ』と沈黙を受け入れると、次にはぽつりぽつり話しだす。『感情こもらんでもええから、うれしいこと、かなしいこと、言ってみ』というと、棒読み状態で表現してくる。すると、その言葉に導かれるように、感情が湧いてくる。段階を踏んでよくなっていく」

2012-05-18 19:13:50
寮美千子 @ryomichico

受け入れること、それは彼らにやさしくして、あれやこれや言葉をかけることではないのかもしれない。まずはその沈黙を許すこと。待つこと。待ってもらえるんだと安心して、はじめて心の扉が少しずつ開きはじめる。「待つこと」=「受け入れること」なのかもしれない

2012-05-18 19:14:31
寮美千子 @ryomichico

奈良少年刑務所「社会性涵養プログラム」9期目を受けた子たち。元気にやっていると聞いてうれしい。ことに、話すのがとても苦手で言葉のでなかった子たちが、HRで自分から手を挙げて発言したり、仲間と交流し、助けられて刑務所生活を多くっていると聞いて、じんときた

2012-05-18 19:17:00
寮美千子 @ryomichico

がんばろうね、みんな。がんばろうね、いっしょに。

2012-05-18 19:18:28
寮美千子 @ryomichico

「彼らには、受けとめきれないほどの哀しいことやつらいことがあった。だから、それを受け流すしかなかった。けれど、受け流す能力と、受けとめる力は別。刑務所に来て教育を受け、心を開いて、ようやく受けとめられるようになる」 奈良少年刑務所「社会性涵養プログラム」の教官の言葉

2012-05-18 23:09:00
寮美千子 @ryomichico

刑務所での授業。「誉めることも彼らの心に傷を作ること」という教官の話、熟考してみた。世間の物差しに合わせて「ここまでできたから、誉める」のは単なる抑圧。そうではなく「きみが、きみらしさを表現できてよかった」「きみらしさそのものがステキ」というのは、そう悪くないはず

2012-05-19 01:00:29
寮美千子 @ryomichico

刑務所での授業「いいね」「かわいい」「すてき」。わたしたちは「優れている」という意味では使っていない。そんなきみに触れられてうれしい、楽しい、よかった、という意味。もちろん上手だから「うまい」ということもあるけれど、きみ自身を受けとめているよということ、伝わっているはず

2012-05-19 01:01:16
寮美千子 @ryomichico

「評価されない」「そのままを受け入れてもらえる」ことは彼らにとって大切だろう。けれど、評価の言葉を絶対に口にしない、という無菌状態は、違うのではないか。誉められるということは、人目に晒されるということ。それも一種の暴力だが、誉められることに耐えられる力もつけてほしい

2012-05-19 01:01:52
寮美千子 @ryomichico

「自分が誉められているのは、世間の基準に照らし合わせて水準に達している、超えているからではなく、ぼくがぼくであること自体を誉められているんだ」ということ、わかってもらえるようなほめ方をしたい。

2012-05-19 01:02:21
寮美千子 @ryomichico

「世間並みだから誉める」「うまくできたから誉める」のではなくて、その人の存在そのものを肯定すること。

2012-05-19 01:15:04