佐々木隆治氏(マルクス研究者)がハーヴェイ『<資本論>入門』について語る

気鋭の若手マルクス研究者、佐々木隆治がD.ハーヴェイの近著『<資本論>入門』を批評しています。
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marx kenkyu @marukenkyu

ハーヴェイのこの本はたしかにおもしろい。しかし、彼が商品章をまったく理解できていないことは全体の理解に致命的な影響を与えている。この本を読んで、彼の『新自由主義』の不十分さの根拠を理解することができた。

2012-04-26 16:02:53
marx kenkyu @marukenkyu

やはりハーヴェイの新自由主義理解は正しくない。ハーヴェイは物象化および物象の人格化の深刻さをほとんど問題にしていない。

2012-04-27 22:09:10
marx kenkyu @marukenkyu

つまり、物象の力を認識の次元に切り縮めており、物象それ自身が権力であるという問題の立て方をしていない。端的にいえば、物象の力の過小評価。それと対になった経済外的強制の過大評価。

2012-04-27 22:15:25
marx kenkyu @marukenkyu

さらにいえば、新自由主義的なレトリックを生み出す力を理解できていない。この力は人々の特定の振る舞いの仕方から生まれる物象化された関係から生まれる。

2012-04-27 22:25:54
marx kenkyu @marukenkyu

とはいえ、金融危機の整理としてはなかなかまとまっているし、面白いので、一読することをおすすめします。

2012-04-27 23:32:43