5/17 #同題ssBSR まとめ 「お題：お別れ」

@Kei_Amamiya

【お別れ/三＆家】家康の亡骸を揺さぶりながら、三成は目の前の真実を理解していなかった。否、理解していなかったのではない。ただ目を背けていた。人は死ぬという事実に。これで最後だと？貴様がこの世から消える許可は与えていない。「立て、家康。そしてもう一度私に殺されろ」 #同題ssBSR

くろは @6401245

【真田主従】敵に背を向けるなんて俺様らしくないとか旦那のこんな顔初めて見たとか一瞬の内にそんなことを考える。「佐助！」忍一人討たれたくらいで、という言葉は赤い液体に変わった。ああ我が主よ、あんたは前だけ向いてればいいんだ。決して振り向いてくれるなよ。<お別れ> #同題ssBSR

蘇芳(屍) @suou69

ふらりと現れてはふらりと消える。お前はいつもそうだ。またね、とひらひら手を振り笑顔で去ってゆく。お前はわかっていないだろう。お前に会いたいと願う者がいることを。お前の故郷にも、ここ越後にも。【慶かす/願い･お別れ】 #同題ssBSR

べに(BENI) 🔥🤝🌊 @p_eidechse

【お別れ】其のなきがらは、観世音菩薩の様に慈悲深い微笑を湛えて。其の唇は、二度と鈴の音の声を紡いではくれぬ。愛している。愛している。だからこそ、お前に今の我の愛と、弱さと、慟哭、全てを…最後まで其の優しさに甘えた我は、日ノ本の未来のみぞ見据えん。お別れだ、ねね。#同題ssBSR

蘇芳(屍) @suou69

風の吹くまま気の向くまま、前田慶次まかり通る！ってね。何で俺がいつもふらふらしてるのかって？そんなの色んな国に行って色んな奴に会いたいからさ！なんて、本当は長居するとその分別れが辛くなるからさ…それが愛しい人なら尚更。わかってくれよ、かすがちゃん【慶かす/別れ】 #同題ssBSR

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

「あーあ。この際いつも通りに過ごして薄らと漂うほの暗い空気を味わおうとしていたのに…」ふう、と止めの一手を放ち、彼は版の前で寝転ぶ。これで俺は二敗だ。案の定つええな、といえば、初の一局で御座る故、と。「そうか…」そして、俺は勝ち逃げされたまま。<別れ> #小十幸 #同題ssBSR

@grr_a

[親就]やけに雑踏が静かだと思った。そんなはずはない。学生がほとんどのテーブルを占めるファミレスだ。有象無象は楽しげにバカ笑いを広げているが自分には聞こえなかった。目線を目の前の男に戻す。普段であれば黙れと言うが、今ばかりは何か言ってほしくて仕方がない[別れ] #同題ssBSR

みるくss用 @milkss_ss

「お別れです☆」こちらの動きを知っていたかのように現れた乙女の降らせた雨が、情け容赦なく降り注ぐ。あぁ、この光景は知っている。織田の餓鬼に襲われた時と同じだ。無邪気な子供は戦場でも心底楽しそうに笑う。あぁ、最期にもう一度、娘達のこんな笑みを見たかった。／お別れ #同題ssBSR

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

衝撃は唐突に襲ってきた。あふれる光景、心理、情景、人間関係。内から流れだすソレは容赦無く俺を侵食する。ぐるぐると回る中で沸き立つ憎悪、ああこれはいけない、と思っていると、目の前の彼がなにも察さずに笑う。会えて嬉しい、三成。俺は理性にさよならを告げた。<別れ> #同題ssBSR

種 一＠刀の筋肉勢美味しい @tanehajime

【お別れ/鉄壁】「綺麗になったぞ忠勝。まるで初めてお前にあった時のようだ」自分が磨き上げたばかりの黒光りした鎧を撫でる。「今まで、我侭に付き合わせてすまなかった」こつんと額をぶつける。冷たい感触。「おやすみ忠勝。今までありがとう」あの起動音は、もう聞こえない。 #同題ssBSR

かない @kanaikiyu

「忍のさだめを知ってるか」「うむ」「嘘だね」真剣な顔で返す君はわかってない。「だって、ほら」「さす…」「旦那は…俺様を庇おうとする」「佐助！」視界に広がる幼さの残る顔。「…よかった」「何も良くない！」知らなかったかな、君を守るのが俺の決めた運命なんだよ。<別れ> #同題ssBSR

＊ @8739_03

【小梵・現】「どくがんりゅーはだてじゃねえ。ゆーしー？」口では強がりながらも、初めて離れる寂しさにうっすら涙を浮かべていたのは先月の話。子供の成長は早い。未練など微塵もなく幼稚園の門を潜る小さな背に、別れ難いのは一体どちらかと小十郎はそっと苦笑した。〈別れ〉 #同題ssBSR

かない @kanaikiyu

【佐小太】「会った頃は」佐助は言葉を切り微かに笑う。「話す日来るとは思わなかった」それから、こたは話してないけどと言って「兎に角今のこの状況がおかしいんだよ」そう目を逸らした。「ね、小太郎」先は聞きたくない。「お別れだ」けれどその声は耳に届いてしまった。<別れ> #同題ssBSR

みるくss用 @milkss_ss

「おわかれです。わたくしのうつくしきつるぎ」今にも謙信様のお命が奪われようとしているのに、私の体は動かない。どうして動かない！？無駄死にしても構わない！動け！「かすがちゃん、かすがちゃん」目覚めると、前田が心配そうに覗き込んでいた。夢か……良かった……／お別れ #同題ssBSR

閑井嵩 @syusizu

【忠勝】いつも後に隠れていた君が、いつの間にか前を歩くようになった。私を見上げる目の高さが、いつの間にか変わり、私を呼ぶ声が男の声になった。これから時代(さき)を生きる人よ。私は其処に生きられぬが、絆はしかと、この胸に。<お別れ> #同題ssBSR

のん べんだらり @nombendarari

【親就】花を散らして落とす。匂い立つ白は、おびただしく戦場に広がる血臭を、僅かながらかき消した。萌木色の具足が花に埋まる。「それでは、まるで」「奴の顔は、もう見たくねぇだけよ」友の言葉をかき消すように呟いた。【お別れ】 #同題ssBSR

こにゃ @chang_frog

【小政】月が梵をおいてくと、幼い主が泣いていた。沈むものと諭しても、ならなぜ出て楽しませたりするのかと問う。「梵天丸様を楽しませるために昇り、満足したから帰るのです。引き留めても困るでしょう。さあ、今日の所はお別れを」「…bye-bye」なっ…南蛮語⁉＜お別れ＞ #同題ssBSR

閑井嵩 @syusizu

【濃姫】　貴方は私を笑うでしょう。貴方が治める天下を見届けられなかった私を。役に立たぬと仰るでしょう。最後まで傍にいられなかった私を。それでも。貴方だけの戦女。それが私の誇りでした。＜お別れ＞　#同題ssBSR

マツハナ* @matsuhanaa

【佐助と弁丸】せいぜい五日の務めが幼い主には永遠に思えるらしい。大きな目に水の膜が張ったのを見て、ひとつ約束をする。「一日ごとにお土産を見付けて帰るよ」綺麗な石に、珍しい木の実。数え上げて、そこでようやく笑ってくれた。だからそれまで、束の間の。＜お題：お別れ＞#同題ssBSR

マツハナ* @matsuhanaa

【幸村と佐助】赤に沈んだ体を抱え上げれば、それはもう熱を持たなかった。けれどこれは己の影だ、渡し賃はまだここにある。一人でその先を歩ませるつもりはない。いつかの約束を思い出し、冷たい耳に声を吹き込む。「土産は大将首だ」だからそれまで、束の間の。＜お題：お別れ＞#同題ssBSR

こにゃ @chang_frog

【小政】月が梵を置いてくと、泣いていた坊やがいたっけな。冷たさに目を遣った窓の向こう、沈みゆく月が見えた。俺が沈んだら、あのお方は泣くだろうか。我儘だとはわかっていても、最期にせめて言葉が欲しい。＜お別れ＞ #同題ssBSR

こにゃ @chang_frog

【政小】月に置いてかれると、泣いてた頃のガキじゃねぇ‼扇で返すことは叶わなくても、追い掛けることが今ならできる。駆ける。西へ。「またな」を嘘にしないために。Good byeを月に言ってやるために。＜お別れ＞ #同題ssBSR

閑井嵩 @syusizu

｢小生は自由だああ！！｣男は歓喜の叫びをあげる。枷のないその体で、同胞らの元へと向かう足取りは軽く。男がどれ程足掻いてきたか。幾度涙を飲んだか、幾度冷酷に、その手を汚したか。残された枷と鉄球は男が隠すそれを知っている。それを全て抱え、ただ消えていく。<お別れ> #同題ssBSR

🌳🌲🌲 @rika_ma_ru

【お別れ/三家】詰めた声で名を呼ばれながら強く喉元を吸われた。腹の中の物が蠢き弾ける。圧し掛かる体温が離れ、内からつと抜け出していくそれに家康は小さく震えた。重ねていた身体が別れれば途端に注がれた子種が溢れて止まらない。ややに成る事の出来ぬそれを喘いで見送った。 #同題ssBSR

かない @kanaikiyu

【小十佐】土を踏む音が聞こえた。「みーつけた」張り付けた笑みにおどけた声。「相変わらず忍んでねえな」「"右目の旦那"が見つけやすいようにね」作られた表面と言葉に"忍"として対峙していることを理解した。「先には行かせないよ、旦那」<お別れ> #同題ssBSR