5/17 #同題ssBSR まとめ 「お題:お別れ」
【転生三家】さよならだけが人生だ、そんな詩を諳んじれば「それでいいのか」曖昧に笑えば「貴様の上辺の笑みなど求めていない」参ったな、と頭を掻く。「最期くらい泣け」それでもワシは泣けなかったんだ。「また来世でな、三成」<別れ> #同題ssBSR
2012-05-19 00:37:52【宇都宮】もうすぐつきかける命の、その傍らに寄り添った。柔らかな毛皮の下の無数の傷。共に戦った戦友。ふいに、彼の瞳が俺を捉える。泣くな、とでもいうかのように。頷いた俺を満足そうに見て、そいつは深い深い眠りに落ちていった。<お別れ> #同題ssBSR
2012-05-19 01:06:56男は去っていく。毛利の魂を刈り取るその傷は確かに男が付けたものというのに、それすら素知らぬふうを装う男の背中の輪郭を、陽光が縁取っている。その背後、毛利に音もなく近付く死が告げる。最早死の縁で窮する彼の喘ぎすら、永久に孤独の海に浚われたままと。【お別れ】 #同題ssBSR
2012-05-19 01:08:17混乱を極めた戦場で見つけた佐助は既に帰らぬ人となっていた。まだ決着が付いていない今は、感傷に浸る暇も弔う暇もない。「受け取れ、手向けだ」長く伸ばした後ろ髪を切り、ぼろ雑巾の様になってしまった彼の遺骸に供えると、未だ怒号が飛び交う戦場へと駆け出した(お別れ) #同題ssBSR
2012-05-19 01:14:34【蒼紅】友というのはこういうものかもしれないと思った。酒を飲みながら話をしたこの夜を俺は死ぬまで忘れないだろう。もしも同じ国に生まれていたならば、なんて柄にもないことを考えてしまった。明日からまた敵同士。アンタを倒すのはこの俺だ。それまで…死ぬなよ。/お別れ #同題ssBSR
2012-05-19 07:46:52いつまでもそんなところで燻ってるつもりなら、俺は先に行っちまうぜ?早くしねーと本当にお別れだ。じゃあな真田幸村、せいぜい足掻けよ。(お別れ #同題ssBSR)ま、こんなところで終わるお前じゃねーことぐらい、俺にはよく分かってるけどな。俺をがっかりさせてくれるなよ!
2012-05-19 09:17:51【大谷鶴】「貴方は悪い人だったのですね」「ヒヒッそうよ。我は悪人。不幸を呼ぶのよ。ヒヒヒッ」だからもう近付くなと、貴方は独り去っていった。悲しいという感情を知らないはずの私の目から、零れる涙を避けるかのように。<お別れ> #同題ssBSR
2012-05-19 09:18:27【佐→かす】あいつは綺麗な色をした自分の髪を隠していた。「別に隠すことねえって」いくら俺が言っても変わることはなかったそれが変わったのはあいつが里を抜けた時。「ふうん…」「な、なんだ!」目の前のずっと見たかったあいつの姿に、もう俺の手は届かない。<お別れ> #同題ssBSR
2012-05-19 11:34:06【小政】何処までも共にと誓ったくせに、ひどく遠くて、もう届かない。唇や掌に血を滲ませてみても、二度と彼の背を守れないのだと思い知らされるばかりで。冷気を孕んだ風が、諦観を寄越した。──政宗様。掠れ声が眠りを打ち破った。「…夢?」少年は頬にそっと触れた。<お別れ> #同題ssBSR
2012-05-19 13:01:59<題:お別れ>戦闘中に家康は叫んだ。「お別れだ、三成!」三成「わざわざ『お』別れと丁寧語にするとは嫌味か!?だいたい貴様と友人だった覚えはない!」いちいち面倒な相手を前に、今まで見捨てずに来ただけでも自分はエライと、家康は思うことにした。#同題ssBSR
2012-05-19 14:55:30【慶家?】また、会いにきていいかい?そう尋ねる男の顔は晴れやかだ。ああ、もちろん。断る理由などあるだろうか、と笑みを返せば男は苦笑した。それもそうだけど、なんていうか…今度は、ちゃんとあんた自身に逢いに来るから!そいじゃ!そう言い男は風となり、走り去る。 #同題ssBSR お別れ
2012-05-19 15:04:58【別れ】嗚呼、此で終わるのだと、家康は笑った。権現として将軍に身を置いてから幾年、脳裏に浮かぶ嘗ての友垣や時代の覇者、名声を挙げた者達は、掠れて居る。ワシも老いた。ワシは掴めたか。ワシは赦されるのか。家康は皺に覆われた口角を上げ、震える古傷に塗れた拳を握り締めた #同題ssBSR
2012-05-19 16:41:51「俺もそろそろ年貢の納め時だな」主の元服を間近に控えたある夜、小十郎は独り部屋に座して呟いた。後ろで結んだ長い髪をほどき、右手で鷲掴む。この先、主が進むだろう険しい道に思いを馳せつつ目を伏せ、左の小刀で髪の房を一息に切り取ると、覚悟の据わった目を開いた。 #同題ssBSR お別れ
2012-05-19 16:56:21親就【別れ】そいつはもう無理だろうと何度目か分からない言葉を投げても、少し俯いた元就は、物言わぬ冷たい存在を生き返らせようと叩いている。『此奴は使える駒であった。誠によく働いてくれたのだ』悔しげに首を振る元就に、俺が新しく買ってやるからとルンバの値段を検索した。 #同題ssBSR
2012-05-19 22:38:11【豊臣軍】泣いてはいけないよ、と微笑まれ自分の現在(いま)を知る。 床から出された御手で私の手を握り、小さな声で秀吉を頼むねと仰られた。 お返事をさしあげたいのに嗚咽のみが溢れ出る。 秀吉さまの隣という赦しの対価が、半兵衛さまとの永の別れだなど。【お題:お別れ】 #同題ssBSR
2012-05-20 06:38:17『また遊ぼうね』ともらった絡繰人形を抱き締めた。明日、己は元服する。そして、小さな他愛ない約束すら果たせなくなる。 「…さよなら…」 人形を入れた箱の蓋を閉めると、"元就"は"松寿丸"に別れを告げた。 #同題ssBSR :お別れ/毛利(捏造幼少)
2012-05-20 16:56:56「道半ばで果てることあらば、政宗様の手で止めを刺してくださいませんか」お前自身の望みはないのかと小十郎に問いかけると、剣呑な答えが返ってきた。元よりそんな日は来させやしないが、いいぜ、やってやる。首も最期も、お前の全て、他の奴に渡す気は無ぇ〈願い/お別れ/首〉 #同題ssBSR
2012-05-21 02:26:04【サスダテ】んじゃね、と鴉を呼べば政宗はああ、と濡れ縁で煙管を燻らせている。 「 ねぇ、さみしい?俺様が帰っちゃうとさみし … ンムッ!? 」 突如、口の中いっぱいに煙の味が広がって 「 Probably, you are lonely ?」 【お題:お別れ】 #同題ssBSR
2012-05-21 06:06:37【サスダテ】手裏剣の刃をヒタとあてた。ひゅうひゅうと荒い呼吸の1つ目はギラついた眼で俺様を見据えている。 「 … 会わなきゃよかった?」 「 It's a stupid question.」 いつか … と思っていた日がこんなにも早く来るなんて 【お題:お別れ】 #同題ssBSR
2012-05-21 06:36:27【官→刑(お別れ)】銀に輝る鍵を握り、吼える。そして見遣るは足元。長き、己を苦しめた凶つ蝶が、くたり、と項垂れて。嗚呼、これでもう。枷も無ければ、呪う言葉も嘲笑も、何もかも。お別れだ。…だが然し、漸く手離せた苛みを、胸中は未だに欲している事だけ、解せずにいる。 #同題ssBSR
2012-05-21 23:55:11【大谷鶴】初めから知っていました。貴方が象徴として利用するため預言者の私を仲間とした事。私にかける言葉の殆どが世辞だった事。貴方がどんなに友を想っていたか。貴方の言動はどれもこれも嘘だらけで。貴方が遺してくれた真実は「悲しい」という感情と涙だけでした。<お別れ> #同題ssBSR
2012-05-26 19:58:32【小政】障子からもれる月灯りだけが頼りの部屋の中。両目を閉じ、静かな寝息をたてている顔を見つめ、まだ少し上気したままの頬を、手の甲でそっと撫でる。「今日はちょとばかり無茶をさせてしまいましたな。明日の朝までしばしのお別れです。お休みなさいませ」<別れ>#同題ssBSR
2012-05-26 22:18:51「刑部」見下ろす官兵衛の低い声は戦乱の喧騒に消える。地に横たわる吉継は薄く眼を開けた。「最期に見るのがぬしの顔とは…われもつくづく不幸よなぁ」ヒヒ、と笑声の後、鍵はやらぬぞ、そう残して眼を閉じた。舌打ちした官兵衛はそれきり背を向ける。「いるかよ、今更」【お別れ】 #同題ssBSR
2012-06-14 17:35:08【毛利】シーツの上、管だらけの痩せたその手を、両手でそっと握り締めた。痛くないよう、暖めるよう、言葉にならぬ思いが伝わるように。最後にお前は笑ったようだ。終わりまで見届けろとその目が言う。…最後まで我侭を言いおる。我も逝くその時まで、暫しの左様なら。/お別れ #同題ssBSR
2012-07-13 23:31:06【大谷】己を喚ぶ絶叫。静かに此方を見つめる軍師。炎の煌めき、付き従う影の気配。海の匂い。白き鳥の泣き声。鉄と硝煙の香り。見下ろす同胞の眼、勇猛な刃の存在。黒き手が撫ぜる感触。其らに囲まれ逝く我は。―幸。そう思って眼を閉じた。(最期まで我は自分勝手よな)<お別れ> #同題ssBSR
2012-09-20 22:50:04