634mの営業開始は『ツイノベ祭』　2012/05/22お題「スカイツリー」

夢名 七志 @mumei7c

押上の地に人々は集まり、鉄材の骨を組み合わせ天まで届く塔を建設し、言葉を届け名声を高めようとしていた。一局集中の悪さは標準語が原因だと考え、人々に方言と訛を話させるようにした。すると彼らは混乱し、それぞれの地域で活動を始めた。地デジでも番組表は地方で様々である。 #twnovel

七歩 @naholograph

大きな迷路に放り込まれた。どうにかして抜け出そうと協力しあった。大きな塔を作って、出口の場所を確かめた。そうしてわかったことは、出口などないってこと。僕らはここにいるしかないのだ。目的を失った僕ら。平和に暮らしていくために、戦争が始まる。#twnovel

N.T.Works/凪司工房＠介護生活中 @nagi_tter

#twnovel 今日子さんはホームシックになる。折角スカイツリーを見に来たのに人出が多いからと渋面で「うちに帰ろう？」と。仕方無くお土産を買ってアパートに戻る。テレビではちょうどスカイツリー特集がやっていて、スカイツリー型クッキーを頬張って彼女は「うちで見るとやっぱ綺麗だね」。

ておまさお @teomasao

5月22日。今日こそ親父の威厳を取り戻す絶好の機会である。「いよいよ今日は東京スカイツリーの開業日だな。スカイツリーのてっぺんにあるアンテナはな、パパが作ったんだぞ」「違うよ！ パパが一人で作れるわけないもん。そこはパパの会社が作ったって言うべきだね」 #twnovel

Ikuo/Yoshitake @ikuoyosh

●新塔：その塔は、串の先端に団子を刺したような形状をしている。「これが、東京スカイツリー？」「こちらでしたら、待たずに頂上まで登れます」「６３４メートルないよね？」「６３．４メートルです」「あの丸い部分の、緑と黒の縞模様は？」「本塔は、東京スイカツリーですので」 #twnovel

高山 環 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕（宝島社文庫）」より発売中 @Takuya11

#twnovel 「いよいよ開業ですね」夫に妻は語りかける。「ああ」「上らなくていいんですか？」「ここでいいよ」老人は笑う。「いよいよスカイツリーのオープンです！」くす玉が割れ、大勢の客がツリーを見上げる。老夫婦だけが少し低い地点を見上げる。視線の先には長年育てた街路樹があった。

七歩 @naholograph

スカイツリー成功後、地上には巨大な塔が次々建てられた。乱立する塔は高さを増し、宇宙に届かんとする勢いだ。その様子を満足そうに見守る者達がいる。#twnovel　「我々の指導の賜とも知らず人間が競い合っている」「そろそろ刈り入れ時か？」建築資材を目的に、宇宙人は地上に塔を育てる。

竹田康一郎 @tahtaunwa

#twnovel 東京スカイツリーを破壊しようとした犯人が逮捕された。捕まったのは自称“月のウサギ”（年齢不詳）。餅つきの杵でツリーの尖端部をついていたところを警備員に取り押さえられた。取り調べに対して容疑者は「お月様は尖端恐怖症なのだ！」と供述しているという。

七歩 @naholograph

「知ってるか？スカイツリーの展望台、透明の床があるんだぜ」「マジすか。パンツ見え放題すね」「合法パンツだ」「ケシカランすね」「確認だ」#twnovel　「見えないす」「雨だしな」「（´・ω・｀）」「だけどな、あそこに確かにみえてるパンツがあるんだ」「うお、なんか見えてきた気が！」

@La_Mer37

首都高速から眺める天空の塔。君は無機質で嫌いって言っていたね。暖かみのある塔の方が好きだって。毎回話をするから、二つの塔の前を通るのが二人のお決まりのコースだった。今は広くなってしまった助手席の窓越しに二つの塔を見つめてる。長い髪越しに見えた景色はもう無い。 #twnovel

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

東京スカイツリーは高さ６３４メートルもあるらしい。電波塔では高さ世界一を誇る。だが幼い頃私が書いていた物語に、高さ８００メートルの木が登場したのを思い出す。高さに対する感覚が希薄だったのかもしれないが、幼い頃の私はスカイツリーも軽く突き抜ける創造力を持っていた。 #twnovel

竹田康一郎 @tahtaunwa

#twnovel ｢スカイツリーに落ちてきたよ｣ ｢高い所に落ちるのは格別さ｣｢僕も落ちよう！｣｢秋までは予約でいっぱいだそうだ｣｢それじゃ季節が終わっちゃうよ｣｢ま、これでも食べて気長に待つんだな｣そう言って雷は雷に雷おこしを渡した。(どおりで最近、落雷が多いわけだ)

夕凪奏恵 @k_you_nagi

#twnovel 塔のてっぺんに魔法をかけるの。神様がいいよって言ったから皆で来たのよ。魔法をかける時、地上の人達が驚いちゃいけないから、空の職人さんに頼んで雲のカーテンをひいてもらったの。クリスマスツリーを見あげた時のようにね、この塔を見上げた人に小さな幸運が訪れますように。

碧 @mimimdr

大きくなったらとうきょうに行ってけっこんしようね。そう言って砂場で東京タワーを作ったあの日から３０年。東京進出は叶わなかったけど、この片田舎で作った部品が画面の向こうのスカイツリーに使われている。やっと渡せた指輪に「遅いわよ！」と言いながら、君はテレビを見つめた。#twnovel

夢名 七志 @mumei7c

魂や亡き人の証を生者達が憶う式事。祈りとは違う心のありようであれば、生前の記録が最適なんだろう。記憶は消えても記録は残っている。残念を祓う。生涯ログや個人端末の膨大な記録を暗号化し、電波に乗せて天空の高みから放つ。空と地へ巨大な白き墓標から飛ばす。電波葬である。 #twnovel

キヨシロウ @kiyoshiro_aoi

#twnovel 夜中帰宅した母のいつも疲れきった顔が今夜はやけに上機嫌。「ほら、行きたがってたスカイツリーの入場チケットだよ」「えぇっ、どうしたのこれ？」「店の客から安く買ったんだよ」手渡された紙片には安っぽい印刷で『束京スカイツリー』の文字。もう一度見直した。二人で泣いた。

相応恣意 @aioushii

突如、東京湾に現れた大怪獣は国会議事堂に東京タワー、東京都庁とめぼしい建物を破壊するといよいよスカイツリーを目指し歩み始めた。「かくなる上は仕方がない。出撃せよ、下町ロボ！」 #twnovel 轟音と共に動き始めるスカイツリー。それが下町ロボット武蔵(全長634ｍ)の初陣だった。

水木ナオ @nayotaf

夜空に青く輝くタワーを眺める。隣に立つカップルがうっとりと、｢綺麗ねえ｣｢そうだなあ｣｢今度できるタワー、高さ千メートルだっけ？確かに凄いけど、私やっぱこっちのが好き！｣思わずふっ、と笑いそうになった。お前を造ったときも、同じこと言われたっけ。な、スカイツリー。 #twnovel