岡崎の図書館の一件で文殊の知恵?@ついったー
@arukakan で,まず,戦前・戦中の図書館の話になる.図書館というのは利用者がナニを読んでいるかと言うログを取りやすいので,特に戦中の記述などを見ると,「アカの本を読んでる利用者がいたらリストを作っておいてくれ」とか,憲兵が図書館に訪ねてきたという事例を目にすることができる
2010-06-22 19:22:54@arukakan さて,戦争後だ.各地の図書館はアメリカに接収されてしばらくしたら解放された.そして日本人はやはり右から左へがらっと移るのが得意なので,1950年頭の時点で既に「占領は図書館にとって良かったのか?」というとんでもない特集を雑誌で組んでいたりする.
2010-06-22 19:23:08@yuki_o めし呼ばれたので食ってくる。別に急がないから夜でもいいし、書いといてもらって後で質問させてもらう形でもいいけど。 [たけのこ]
2010-06-22 19:23:49@arukakan ここで登場する組織が日本図書館協会いわゆる日図協だ.ここの出している雑誌,図書館雑誌というのが歴史のある図書館系の雑誌.戦前からつづいている.先日ぼくが京大で図書館員に迷惑かけながら片っ端からコピーしてきたのはこれ.
2010-06-22 19:24:03@arukakan この雑誌において1950年チョイ過ぎになってくると,「中立とは何か」論争が出てくる.戦前の図書館が権力におもねってた反省で,図書館が「中立」であるとはどうしたらいいか?という動きがでてきた.横糸として「教育の中立」とリンクしている.
2010-06-22 19:24:38@arukakan というのもアメリカの影響がある.戦争で勝ったはずのアメリカでも,当時めちゃめちゃ蔵書への検閲が多かった.というのも「レッドパージ」,マッカーシー旋風って奴だ.赤狩りね.アメリカ図書館協会はこの動きに対抗するために「図書館の権利宣言」というのを採択・宣言した.
2010-06-22 19:25:07@arukakan この影響のもとで成立したのが「図書館の自由に関する宣言」だ.1954年に採択された.草案は「図書館憲章」というかたちで,採択の半年ほど前に『図書館雑誌』で提案されている.http://www.jla.or.jp/ziyuu.htm
2010-06-22 19:25:36@arukakan この図書館の自由に関する宣言の第三条「図書館は利用者の秘密を守る」が,今回,岡崎のところで出てくる可能性のあるものだな.副文一項で「図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第三五条に基づく令状を確認した場合は例外とする」ともある.
2010-06-22 19:25:56@arukakan これは当たり屋だわーw みんなして今頃つんつんしてるのを考慮しても、ちょっと酷い。キーワード検索ならまだしも、著者検索だぜ…。
2010-06-22 19:26:29@arukakan ともあれ,司書のなかで「図書館の自由宣言」は宣誓とされている.医学におけるヒポクラテスの誓いみたいなもんかな(笑)まあでも法的拘束力があるわけでもない.けども,歴史的には,戦前の反省および憲法の「知る自由」と密接に絡んでるわけだ.
2010-06-22 19:27:25@arukakan IPアドレスが個人情報かどうかはぼくには分からないけど,その「宣誓」に反して,しかも警察の捜査令状のないなかでおそらくIPを開示したんだと思う.それがベンダがやったのか図書館がやったのかは微妙だが(たぶんベンダ),ここが図書館屋がひっかかってる部分といえるかと
2010-06-22 19:29:19某図書館のOPAC、2008年にシステム更新したとは書いてあるけど、それ以前の2005年から三菱のシステムを使っていたとも書いてある。のでガワは新しくなってるけど中身のDB構造とかアクセスプログラムとかは2005年以前に書かれたものを流用しているのではないだろーか、と邪推。
2010-06-22 19:31:30@arukakan ただ個人的な意見をいわせてもらうと,成立過程から考えてIPアドレスだの何だのが図書館の自由宣言の射程距離に入っていたとはとても考えにくいので,図書館の自由宣言についての話を今回のケースに「直接的に」適用するのは難しいかなと思う.うまい手つきが必要かと.
2010-06-22 19:31:53@yuki_o なるほどわかりやすい。大昔の検閲に関する話がまだ生きていて、それを根拠として礼状もなしに個人情報を晒してしまったのではないか、ということなのか。確かにそれは問題だな(・´ω`・) [たけのこ]
2010-06-22 19:32:21というわけで.arukakan宛に演説してみた(いい迷惑だよなあいつも:笑).図書館の自由宣言について.これは俺よりずっと詳しい人とかいそうなので,よろしかったらツッコミをばw
2010-06-22 19:32:42@yuki_o 住所を告知する旨が入って居ればIPアドレスに適応することはできるんじゃないかな?法律に詳しい人でないとわかんないけど。 [たけのこ]
2010-06-22 19:33:34@arukakan ただし難しいところで「図書館ギーク」どもでホットイシューになってんのは貸出履歴なのな.何を読んだかというのは個人情報にあたるのだがAmazonとかのレコメンデーションみたいなもの新し屋の図書館屋としてはめっちゃやりたいワケ.
2010-06-22 19:35:25@arukakan でも一部の自由宣言原理主義者(頭固いやつらって考えてだいたいあたり:笑)にとっては,レコメンデーションみたいなのは利用者の読書秘密を漏らすとんでもないサービスだと映る.たぶん岡崎の奴通奏低音的にそういう問題があるぜ.
2010-06-22 19:35:312005年当時のシステムの常識がどうだったか知らんが、まあ今に比べれば貧弱なハードウェアリソースと少ないアクセスを前提に組まれていることは想像できる。ついでに2008年当時予算がギリギリでハードウェア代ケチったとか。(※あくまでも邪推)<某図書館OPAC
2010-06-22 19:35:53@yuki_o 大丈夫、レコメンデーションは情報屋さんの守備範囲でもあるw 個人名出さずに統計データとして処理すればいいと思うんだけどね。 [たけのこ]
2010-06-22 19:37:28@arukakan そうそう.成田市立図書館なんかは個人と紐付けされない形でデータを使って「おすすめ本」ってのをやってる.不勉強なバカな図書館学者がAmazonと同一視して批判してたけどマジばかだよなーってのはそれは余談(笑
2010-06-22 19:38:19@arukakan …やつら、貸出履歴を本人が本人のために利用するのさえ、阻害するんだぜ? 本人証明の有無とか関係なく。「万が一」に備えて残すこと自体いかん!ってゆーの。<「図書館の自由」原理主義者サマ
2010-06-22 19:40:27まあ、昔のシステムだとそういうことが考慮に入ってないから、貸出情報を統計処理したデータだけ残すとかシステム的に出来ない、ってのはあるかもしれんが。
2010-06-22 19:42:39「図書館の自由」「図書館の守秘義務」原理主義者様方におかれましては、昔懐かし貸出板とかってどーゆー認識になるのかなぁ。貸出履歴も借りてる人間も無差別にバレバレなんだが。あと「耳をすませば」はやっぱりNGなのかな。なのかな。
2010-06-22 19:46:53@yuki_o レッドパージの影響で図書館の自由宣言ができたくだりがおもしろかったです。ウェブ利用がおそらく先に進んでいると思われるアメリカの図書館で、現在履歴はどのように法的にあつかわれてるんですかね?
2010-06-22 19:47:45