だが、実態として日本中の原発から使用済み燃料を受け入れている六ヶ所の施設をそのまま最終処分場として使いたいーーというのが電力会社の本音(ひょっとすると経産省も)ではないか、というのが外形的に現状を見た時に素朴に感じた疑問。いろいろな関係者に聞いたが、だいたいは一笑に付す。
2012-05-27 10:14:56根拠としてどこでも説明されるのは、六ヶ所を最終処分場にはしないとした国と青森県の合意。質問前に覚え書きのコピーが用意されてるケースもあった。で、重ねて聞く。安全に貯蔵管理する技術があり、現に中間貯蔵施設をむつに建造してる。安全なので最終処分も大丈夫ですとなぜ県や村に言えないのか?
2012-05-27 10:22:17六ヶ所村は人口11,000人で一般・特別会計合わせた年度予算が110億〜130億円とべらぼうに大きい。収入の半分以上が電源三法立地交付金。再処理施設の本体と関連業種で数百人が働く。
2012-05-27 10:32:32福島第一4号機の外側建屋の貯蔵プールが大問題になっているが、六ヶ所の使用済み燃料プールは「耐震や火災などへの備えは万全」と。アメリカで戦闘機をコンクリ壁に衝突させて強度を確認した実験のビデオまで見せられた。格納庫と窓越しに見た燃料プールは頑強で、被曝の心配もないため作業員は軽装。
2012-05-27 10:41:30青森県と六ヶ所村は「再処理とそのための使用済み燃料の一時預りはOKだが最終処分はダメ(要するに安全と思ってない)」。電力関係者は「むつ小川原開発で国に翻弄され続けた六ヶ所にこれ以上何かを強いることは政治的にも不可能」と。原燃も「われわれの責務は再処理。最終処分は関知しない」立場。
2012-05-27 10:59:35しかし現実に再処理事業は国策としてもビジネスとしてもほとんど破綻している。さらに、新エネルギー計画で脱原発路線になれば(即全廃にしろ新規建造せずの自然減にしろ)再処理は無用になる。幌延がどうなるかはわからないが、高知の東洋町が辞退して以来、最終処分場に名乗りを上げた自治体はない。
2012-05-27 11:06:20これらにまとめて筋道をつける解が、1)再処理の国際化でビジネスとして海外展開する、2)六ヶ所を使用済み燃料の実質的な処分場として活用する、に見える。再処理施設内の燃料貯蔵プールはすでに満杯だが、六ヶ所村には、むつ小川原開発で用地買収されたまま放置されている広大な土地がある。
2012-05-27 11:11:27高レベル廃棄物や使用済み燃料の最終処分は、ドキュメンタリー映画でも有名なフィンランド(オンカロ)や、フランス、アメリカなどで場所が決まり、2020年前後に地層処分が開始される見込み。スウェーデンも立地が決まっている。
2012-05-27 11:20:24六ヶ所でも詳しい説明を受けたが、地層処分で重要なのは埋め立てる場所の地質。地下水がしみ出さないのが条件で、固い岩盤より、亀裂が生じにくい粘土層がいいのだという。フランスは全土の地層を調べた上、パリから200キロの地域を最終処分場とした。札束を積んで選ぶやり方はむしろ危ない。
2012-05-27 11:27:32六ヶ所村は「風力のまち」でもある。風力発電の風車が77基あり、やませ(春〜秋にオホーツク海気団から吹く風)の影響で稼働率は25%以上と国内の平均より高い。ただ、再処理工場と違って雇用創出効果はほとんどゼロなのが悩み。
2012-05-27 11:36:4760年代末〜70年代のむつ小川原開発の迷走と混乱は本当にひどいもので、分断破壊されたコミュニティをようやく修復した六ヶ所村が思考停止に陥るのはわからなくもない。しかし原燃などがそうした背景を理由に再処理の継続を正当化しようとするのは筋違いではないかと思う。
2012-05-27 11:48:11いずれにしても、政治的、社会的、経済的、技術的な文脈での折り合いを一切つけずに最終形をうやむやにしてきた核燃料サイクルが決定的な局面を迎えているのは間違いない。新エネルギー基本計画、新原子力大綱の策定が大詰めとなる頃にはまた別な角度からも調べてみるつもり。
2012-05-27 11:56:48cf.
この夏策定の新エネルギー計画、新原子力政策大綱、日本再生戦略の3点セットが百年の計ですね。RT @amneris84 結局、なし崩し的に稼働ゼロになり、なし崩し的に再稼働のパターン…野田首相には中長期的に原発をどう減らしていくのかというビジョンを問い正すことはできなかったのかな
2012-06-01 23:40:23大飯の再稼働に大騒ぎするより、福島第一4号機の核燃料プールのことをもう少し考えたほうがいいような。報ステが先週大特集を組んだけど、問題の大きさを考えるとメディア全体のフォローが少なすぎる気がする。
2012-06-02 00:08:154月に福島を視察した米エネルギー資源委員会のワイデン上院議員が「廃屋のようになった4号機に1500本を超える使用済み核燃料棒が放置されており、強い地震が襲ったらプールが倒壊して放射能がまき散らされる」と指摘し、北半球を壊滅させかねない安全保障危機という認識が一部に広がっている。
2012-06-02 00:15:23サイトに入って4号機の現状を見ればワイデンが腰を抜かさんばかりに驚くのもわかる(http://t.co/nf5oHYhA)が、事故後に行われた諸々の対策と補強工事(http://t.co/bDABrL7x)は外から見ただけではわからない。東電を信用できないという面もあるだろうが。
2012-06-02 00:21:57見た目はともかく4号機建屋とプールの処置は十分に合理性があり、余震で倒壊したり、仮に倒壊してもそれが炉心溶融に発展する可能性はほとんどない(らしい)。ただ「そもそも何であんな高い場所にプールを置いたのか正直不思議」と六ヶ所村の技術者は言っていた。
2012-06-02 00:27:50福島第一については似たようなことを聞く。「そもそも何で津波をかぶる場所に非常用電源を置いたのか理解不要」と、電力業界の内部関係者も震災直後に言っていた。ワイデンは対策の適切性より、プールの燃料棒の処理に10年もかけるつもりでいることを不安視している。
2012-06-02 00:31:57報ステの特集でも色々な角度から検証されていたが、危険とも安全とも言い切れない。現状の問題点は、1)構造の強度や壊れ具合などのデータが完全には取れていない、2)第三者が検証できるようなデータを東電や政府が公開していない、3)線量の高さと被曝作業員の人員不足で作業がはかどらない。
2012-06-02 00:42:10