木村利人前会長の問題提起を受け止める基盤は日本生命倫理学会にあるか?に関する島薗進氏の呟きまとめ

宗教学者 島薗進氏が 「木村利人日本生命倫理学会前会長の問題提起は、3.11後の人文社会系学会において、どう取り上げ、どう取り組みがなされるのか?」「東京大学の『基幹学術統合による巨大複雑システム安全学リーダー養成プログラム』は原発災害後の反省を込めた真摯な取り組みとなるか」を連続ツイートで問いかけています。
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島薗進 @Shimazono

1日本の生命倫理学の草分けの1人、木村利人氏「バイオエシックスの挑戦―地震・津波・原発事故の只中で」『日本生命倫理学会ニューズレター』49号20111016。同氏は1979年の自らの文章を想起している。「自己規制のメカニズムを欠いた科学技術の、資本や国家権力との結合による暴走が、

2012-05-30 08:47:31
島薗進 @Shimazono

2木村利人日本生命倫理学会前会長「バイオエシックスの挑戦―地震・津波・原発事故の只中で」「どんなに悲惨な事態を惹き起こしたかは、私たちがつぶさに体験しつうあるところである」世界教会協議会(WCC)の「信仰・科学・未来」をテーマとしたMITでの国際会議(79年)での報告原稿との事。

2012-05-30 08:48:27
島薗進 @Shimazono

3木村利人氏「バイオエシックスの挑戦」「私はこの会議の分科会において、地域住民の知る権利に基づいたコミュニティの発想による先端科学技術とインフォームドコンセントの展開をふまえ、「仮に災害が生じた場合、最も被害をこうむるのは一般市民なのだから、あらかじめその危険度・範囲・内容」

2012-05-30 08:48:43
島薗進 @Shimazono

4木村利人氏「あらかじめその危険度・範囲・内容について、あらゆる情報が制限なしで一般市民に伝えられるべきである」と発言し、公共政策形成のための具体的提言をした」。その後の「科学と社会」の動きはこの提言と相反する方向へと展開した。原子力安全・放射線健康影響研究はまさにその具体例。

2012-05-30 08:49:16
島薗進 @Shimazono

5木村利人日本生命倫理学会前会長「今こそ、私たちは、地震、津波そして、原発事故の只中で、いのちのエシックスの担い手として「いのちを選ぶ」(旧約聖書申命記30章19節)希望の未来に向けたバイオエシックスの学問的営為を蓄積し「脱原発」世論形成への責任を担っていくべきなのである。」

2012-05-30 08:49:55
島薗進 @Shimazono

6木村利人日本生命倫理学会前会長の問題提起を受け止める基盤は日本生命倫理学会にあるか?また「科学と社会」に関わる他の人文社会系学会にあるか?人文社会系学問において、とりわけ哲学・思想系の諸学において3.11後の「科学と社会」へのどのような取り組みがなされているか?要検証。

2012-05-30 08:50:46
島薗進 @Shimazono

7東京大学では「基幹学術統合による巨大複雑システム安全学リーダー養成プログラム」が計画中。工学研究科のシステム創成学専攻を中核とし人文社会系も含めた全学的取り組みとされるが、福島原発災害を踏まえた対応としての学術的内容があるのか?人文社会系研究科の教授会で疑義ありと発言した。

2012-05-30 09:13:42
島薗進 @Shimazono

8東京大学「基幹学術統合による巨大複雑システム安全学リーダー養成プログラム」「輩出する人物像」には産業界・学界・官界と並べられるが、「学界」には「安全安心分野の社会的課題解決を常に意識しながら、新規研究テーマを発掘し、学術的掘り下げを行いながら、同時に社産学連携」ないし

2012-05-30 09:14:02
島薗進 @Shimazono

9東京大学「基幹学術統合による巨大複雑システム安全学リーダー養成プログラム」「輩出する人物像」「社産学連携ないし国際連携プロジェクトを組織し、研究を展開できる人材」。これは福島原発災害への多分野の参加による真摯な反省を踏まえたものか?しっかり社会に問うべきだろう。

2012-05-30 09:14:25