奥田知志さんの生活保護に関するまとめ

北九州でホームレス支援をしている奥田知志さんの生活保護問題に関するツイートをまとめてみました。
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奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

生活保護をめぐり週刊誌やテレビが騒いでいる。年収がキチンとある芸人の母親が生活保護をもらっていたというのだ。厚労大臣は「拙速な」保護制度の改革を表明した。だが、ここは冷静に考えなければならない。(つづく)

2012-05-30 01:23:35
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

まず、第一に生活保護は生存権に関する制度であること。「最後のセーフティーネット」と呼ばれるのはそのため。最後の砦が小さくなるということは生存に関わる。議論は慎重になされるべきだ。(つづく)

2012-05-30 01:24:08
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

第二に保護が二百万人を超え費用が三兆七千億となった。だが、実は最低生活以下で生活している人の内保護受給者は二割しかいない。保護が増えたことは事実だが、そもそもの問題は生活困窮者が一千万人(二百万人の五倍)以上いるうこと。経済の今後は?保護以外の選択肢があるのかが問われる。(続)

2012-05-30 01:27:20
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

第三に情報の問題。プライバシー保護がなされていない。保護情報は最も守られるべき個人情報。にもかかわらず保護世帯の情報が流出する。今後保護世帯に対する差別や排除が強まることが心配される。今回のように一部の人を「つるし上げ」にし、全体を操作するようなことは絶対にいけない。(つづく)

2012-05-30 01:30:22
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

第四に「扶養義務」ということ。保護申請において判断基準となるのは、活用できる資産がないこと、働く能力がないこと、そして援助者がいないこと。今回は息子がおり、しかも現状ではキチンとした収入があったという。(つづく)

2012-05-30 01:31:55
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

収入が基準以下であることも要件で、今回は駆け出しの頃は収入がなかったが、その後も「甘えていた」とキチンと援助しなかったことをご自身反省されていた。日本は、自己責任と共に身内の責任が求められる社会。しかし「身内だから助けるのは当然」ということはそれほど自明のことではない。(つづく)

2012-05-30 01:35:45
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

保護申請に至るまでに、困窮状況が進行する中で様々な問題がすでに起きていることがある。すでに身内として支援してきたが「もう限界」というところまで追い込まれることも少なくない。これは、お金だけでのことではなく精神的なものも含めての問題。(つづく)

2012-05-30 01:38:31
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

また、何十年も音信不通の身内のことで保護課から連絡があったらすぐに応答できる人がどれぐらいいるだろうか。保護申請に伴い身内だからという理由で半ば強制的に援助をしなければならないとなれば、それは身内にとってもっと悲惨なことになりかねない。(つづく)

2012-05-30 01:39:23
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

身内は難しい。なぜなら愛するが赦すということにならず、愛しているから赦せないという思いが強くなる。身内だからということだけで援助を義務付けるのは大変難しいように思う。「赦せない」が「もっと赦せない」になる。すると無縁性は深まる。(つづく)

2012-05-30 01:40:32
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

当然不正受給はあってはならない。自立に向けた努力も必要だ。ただ、単身化が進む現状において、身内に責任を強調する社会保障論がどれほど有効かは疑問。自己責任を強調し、公的責任を回避してきたように、今回は身内の責任論で国や社会の責任を曖昧にする。これでいいのだろうか。(つづく)

2012-05-30 01:43:23
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

社会の責任が益々曖昧にならないか心配だ。他人が助け合う仕組みを社会と言う。社会が責任を果たす時、個人の責任が明確になる。その中で、身内が果たすお金以外の役割にも注目すべき。働くこと、生きること。身内がそのような存在意義にかかわることで一役担うことも大切だと思う。ながなが終了。

2012-05-30 01:47:42
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

本物の政治家なら建前に責任を持つとと思う。民衆は本音を語るが。

2012-05-31 23:45:41
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

①次々にテレビタレント、つまりある程度収入があると思われる方々の身内が生活保護を受給していることの告発が続く。もう一度繰り返すが、このような個人情報をテレビ等で取り上げること自体犯罪的行為に他ならない。これは事実以前の問題である。(続く)

2012-06-01 23:06:02
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

②現在国は「生活支援戦略」と称するプロジェクトを進めている。生活保護に偏り過ぎた社会保障に対して、手前のセーフティーネットを構築ようという。保護以前の支援が軽薄であること、保護が現金支給に偏っていること、問題は種々あり手厚い手前のセーフティーネットを作る意義があることには同意。

2012-06-01 23:08:03
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

③その中で議論されている事柄に「貧困のスパイラル(循環)」がある。すでに貧困は世帯を超えて引き継がれており、貧困家庭から貧困家庭が生まれている。それが国レベルで問題とされ、子どもの貧困解消の手立てが議論されているのだ。

2012-06-01 23:09:02
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

④テレビや一部政治家が「金持ちの家族がいるにも関わらず保護をもらっている」と騒ぐケースは、保護世帯全体の問題では当然ない。一層深刻なのは貧困の世代間スパイラル(循環)。「扶養義務、身内の責任」と調査しようが請求しようが実際扶養できない身内が多い。この現実がもっともっと深刻なのだ。

2012-06-01 23:10:56
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

⑤保護課のケースワーカーは、現状でも被保護者のケアができない忙しさ。給付の管理に追われてそれどころではない。これに加え身内の資産調査や遡っての保護費支払い請求などできないと思う。

2012-06-01 23:12:14
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

⑥かつてから給付業務とケア業務を分けることが提案されていたが、そのような借金取りまがいの仕事を負わされるとますますケアどころではなくなる。 ホームレス支援の現場で常に課題としてきたことは、ハウスレス(経済的困窮)とホームレス(関係的困窮)という二つの困窮。

2012-06-01 23:13:00
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

⑦今回の騒ぎにおいて、困窮者の身内の役割は「経済援助者」に限られている。そうではなく人がもう一度立ち上がる上で必要となる「関係・絆・支え」という役割を身内が担うことはできないか。困窮者の場合、それまでの経緯の中で身内との関係が相当こじれていることが多い。

2012-06-01 23:13:35
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

⑧その上、身内の保護費の請求が回る。断絶は決定的となる。そうではなく、ケアが十分にできないケースワーカーの実情からしても、こじれた関係はありつつもケアの部分で身内が力を発揮することはできないか。ケースワーカーは復縁をコーディネートすればいい。

2012-06-01 23:14:13
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

⑨ハウスレス(経済的困窮)状態の解消については国が担当し、ホームレス(関係的困窮)状態に関しては、地域、NPO、そして身内が担当する。現場からの率直な意見だ。

2012-06-01 23:14:44
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

⑩「人はパンのみに生きるに非ず。神のことばによって生きる」(マタイ四章)。そうなのだ、パンを担当する人と言葉を担当する人があっていい。身内は温かいことば(関係)の責任を負ったらいい。

2012-06-01 23:15:26