生活保護バッシングに抗して　「おにぎり食べたい」事件を忘れないで

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

@nhk_news これだけの方が自らの人生を投げ捨てているときに、政治家は何をやっているのでしょう。民間の取り組みにも限界があります。雇用確保、セーフティーネットの拡充など、自殺したいと思うような原因を取り除くことを政治に求めます。 #nhk24

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

「ハラ減ったオニギリ食いたーい。25日米食ってない」と日記に書かれて、亡くなっていた2007年の北九州餓死事件は衝撃でした。この事件は、こんな経緯で進んでいきました。

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2006年10月頃、北九州市に住む男性は病気のためにタクシー運転手を続けられなくなり退職して、生活に困窮するようになりました。そして、12月7日、生活保護を申請。この時点ですでに電気やガス、水道が止められた状態となっていました。

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12月22日になって小倉北福祉事務所は生活保護の開始を決定。通院しながら就労開始に向けた指導を行う方針を立てたのです。

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年が明けて2007年。1月16日に担当ケースワーカーが男性宅を訪れ、自立するように指導しました。さらに1月18日には福祉事務所でハローワークなどで求職活動するように指導し、求職活動状況届出書を提出するように指導しました。

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さらに2月23日、担当ケースワーカーは男性宅で「よりいっそう求職活動に励むように」と指導。熱心な求職活動をしなければ文書指導を行い、保護の停廃止もあり得ると説明しました。

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このとき、この男性の病気はどうなっていたのでしょうか就労指導の根拠となる病状調査票には、医師が普通の仕事に就労可と診断したと書かれていました。しかし、医師はそのような診断を行ったことはない、精神的にも不安定な状態で普通の就労ができる状態ではないと後に語っています。

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3月29日、福祉事務所で男性に対して2月から通院していないので通院指導を行うとともに、熱心に求職活動を行うように指導しました。28日付けの個別協議票には「自立見込み6ヶ月以内」に丸を付け、上司の決裁を取りました。

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4月2日、保護費受給のために福祉事務所を訪れた男性に、担当ケースワーカーは早期就職に向けた指導を行うと、男性は「自立してがんばってみます」と発言。担当ケースワーカーは男性に保護辞退届を書かせました。当然、男性は就職が内定していたわけでもないし、仕事もありませんでした。

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4月10日、担当ケースワーカーが保護廃止決定を行ってよいかの決定伺いを起案。12日に保護決定を決済してしまいました。このとき、男性宅の水道、ガスは止められていました。

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男性は、日記を残しています。

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5月25日「小倉北のエセ福祉の職員ども　これで満足か。貴様たちは人を信じる事を知っているのか。3月家で聞いた言葉忘れんど。市民のために仕事せんか。法律はかざりか。書かされ印まで押させ　自立指どうしたんか」

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

5月25日「午前2時　腹減った。オニギリ腹一杯食いたい。体重も68キロから54キロまで減った。身体の動きが鈍い。何もかもなくなりました。全部自分の責任です。だけど汚い人間多かったナ」

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

5月26日「午前3時　人間食ってなくてももう10日生きてます。米食いたい。オニギリ食いたい」

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

6月5日「午前3時　ハラ減った。オニギリ食いたーい。25日米食ってない」

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

このとき、男性は何を考えていたでしょうか。ぜひ想像してください。これが現実に起こったのです。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

7月10日、男性は一部ミイラ化した状態で発見されました。男性の自宅は、屋根が大きく破れ、壁や窓の一部が外れており、吹きさらしで、およそ人が住んでいたように見えない状態でした。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

生活保護を受けるに至るまでには、人それぞれさまざまな経過があります。亡くなった男性の孤立感、孤独感はどれほどのものだったでしょうか。ぜひ忘れないでください。生活保護を受けている人は、今も肩身の狭い思いをしているのです。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

生活保護の改正は、人の生死に関わる。拙速に変えるべきではない。扶養義務者が億万長者だったりするようなレアケースでは、いまの法の範囲内で十分対応だ。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

生活保護基準の引き下げが取りざたされている。しかし、一般低所得世帯との比較をするというが、生活保護の捕捉率の低いのに比較してどうするつもりか。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

あなたはこの数字が信じられますか？H23年4月「新潟市における世帯人員別標準生計費」では、一人世帯で117,500円。二人世帯で169,630円。http://t.co/tuTZqsyC

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

こんな金額が標準？冗談じゃない。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

こんな金額で比較して、生活保護の方がたくさんもらっているなんて言ったら、なんとでも言えることになる。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

ところで、「境界層措置」はご存じですか？介護保険などの利用者負担の軽減をすれば生活保護受給に至らない場合に、より低い基準を適用する制度です。ちょうど最低生活ぎりぎりあたりの収入のある世帯が対象となります。生活保護で足踏みしてしまう人も、ぜひ利用してください。

山崎 武央 @yamazaki_takeo3

たぶん「境界層措置」なんてよく知られてないですよね。周知する側の窓口もかなり忙しい状態です。全国平均すると、ケースワーカー一人あたり、96世帯を受け持っているような状態。そりゃ丁寧な仕事なんて無理だ。