篠田麻里子のプロレス風スピーチの秘密

さすが上からまりこ!!
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蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

明日TBS『アッコにおまかせ』6月10日(日)11:45~12:53(生放送)用に、AKB48篠田麻里子の総選挙でのスピーチを解説しました。パネルで少し紹介されると思うので見てみて下さい。 http://t.co/RhHYNjyy

2012-06-09 23:43:18
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

明日まとめますね^^ RT @me1005: わー!たのしそうなお仕事!ぜひご見解うかがいたいです!

2012-06-09 23:48:44
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

『アッコにおまかせ』で篠田麻里子のスピーチについての解説したのですが、番組編成の都合上なくなってしまいました。テレビではよくあることなんで、仕方ないです^^; 楽しみにして下さっていたみなさん、すみませんm(_ _)m

2012-06-10 10:46:57
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

①『アッコにおまかせ』に向けに篠田麻里子の総選挙でのスピーチを解説したんだけど、使われなかったよ^^; ので、ツイッターでまとめました。篠田麻里子のスピーチ動画はここ。http://t.co/as2ewyY5 全文はここ。http://t.co/z9wtyntx

2012-06-11 23:24:00

スピーチ全文

こんなにも素敵な順位をありがとうございます。
こうやってみなさんの温かさやありがたみを本当に感じられるのもこの総選挙だと思います。
私はこの総選挙が嫌いではないです。
自信があるからではありません。自信は無いですし、今日まで、この日が来るまでは凄い不安でした。
眠れない日もありました。だけど、こうやってみなさんの温かい声援と温かい気持ちがぶつかる今日の日を、この緊張感を味わえる今日を、自分にとっても凄い成長できる日だと思っています。お気に入り詳細を見る
「後輩に席を譲れ」と言う方もいるかもしれません。
でも、私は席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKBでは勝てないと思います。
私はこうやってみなさんと一緒に作りあげるAKB48というグループが大好きです。
だからこそ 後輩には育って欲しいと思ってます。
悔しい気持ちすごくあると思います。
正直私も今びっくりして、少し悔しいです。
でも、そうやって悔しい力をどんどん先輩、私たちにぶつけてきてください。
潰すつもりで来てください。私は何時でも待っています。
そんな心強い後輩が出てきたならば、私は笑顔で卒業したいと思っています。
最後に、この票数は今日までの私の1年間の評価ではなく、今日から来年までの
篠田麻里子への期待だと思ってます
この、来年はもっともっと期待されたいと思ってますけど、この期待を胸に今日から頑張っていきます。
よろしくお願いします 。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

②「つぶすつもりで来て下さい。私はいつでも待ってます。」AKB48篠田麻里子が、後輩に向けて檄を飛ばした総選挙での決めゼリフだ。総選挙での順位が5位と昨年の4位よりも順位を下げたにもかかわらず、最も心に残ったスピーチに選ばれた。なぜ彼女のスピーチがここまで評価されたのだろうか?

2012-06-11 23:24:28
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

③それを一言で言えば、「カッコ良かった」のだと思う。AKBファンでない僕にも十分熱いものが伝わってきたのだから、ファンにとっては心から感動するスピーチだっただろう。では、篠田麻里子の「カッコ良さ」とは何か?ここがスピーチの専門家として解説のしどころだと思うのでがんばってみる。

2012-06-11 23:25:09
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

④スピーチで心動かすための条件の1つに、「心からの言葉かどうか」というのが一般に上げられる。心から思いを込めて話した言葉が、人の心を突き動かすというわけだ。それは間違いない。しかし、心からの言葉という意味だけなら、他のAKBメンバーのスピーチも、同じく心からの言葉だったはずだ。

2012-06-11 23:25:42
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑤篠田麻里子のスピーチは彼女たち上を行っている。何が違うのか?それは、「最年長」であることの誇り高さではないかと思う。彼女のスピーチのセリフ、表情、声の抑揚などを分析すると、このスピーチの中心にある動機は、順位を下げたことへの「悔しさ」だ。

2012-06-11 23:26:18
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑥スピーチの中で「少し悔しいです。」と語っているが、本音は「悔しくて悔しくて仕方がない」という所だろう。しかし、「最年長」という立場上、その「悔しさ」を爆発させるわけにはいかない。そこで「悔しさ」のエネルギーを使って、先輩としてカッコ良く振る舞うという選択をしているように見える。

2012-06-11 23:27:09
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑦スピーチの極意は「心からの言葉」であることは当然のこととして、その心の慟哭を、「見栄」とも呼べるその人の美意識に沿ってハンドリングすることだったりする。彼女の本音は「悔しい」の一点に尽きるのだけど、表層は「つぶすつもりで来て」という年長者として後輩を意識した言葉になっている。

2012-06-11 23:28:18
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑧どうしてそれがわかるのかというと、「少し悔しいです」という表現では、すごく控えめに悔しさをアピールしていて、一方で「つぶすつもりで来て」は、非常に大げさな表現になっている。表層を大げさにすることで、本音を隠そうとする意図が働いているように見えるのだ。

2012-06-11 23:28:50
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑨「つぶすつもり」は実は演技だ。演技だから心に余裕を持って大げさに表現することが出来る。しかし、この演技の部分がたまらなくしびれるのだ!本音を叫ぶのではなく、見栄を張って後輩を煽る先輩の姿の、なんとカッコイイことだろう。「カッコイイ」は「格好が良い」、つまり表層的な見栄のことだ。

2012-06-11 23:29:15
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑩彼女のちっぽけな実存が(誰しもちっぽけだが)、懸命に「最年長」として見栄を張る姿に、多くの人が自分と重ね合わせ、深く共感を呼ぶことになったのではないだろうか?

2012-06-11 23:29:38
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑪ちなみにここでいう実存とは、殴られたら痛いと思う心の事だ。彼女は、間違いなく実存でAKBの中で勝負している。誰しも傷つきたくない。だから、本気になって努力することを避けがちだ。本気なのに出来なければ、自分を責めるしかなく傷つくからだ。

2012-06-11 23:29:58
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

⑫彼女は総選挙を「成長できる日」と言い、自分が傷つくことを肯定的に受け入れようと懸命だ。そんなけなげな姿に、多くの人が共感し励まされたのだと思う。彼女のスピーチのカッコ良さは、そんな実存むき出しの本気の戦いの中、懸命に「最年長」として見栄を張ったことで生まれた名演説なのだと思う。

2012-06-11 23:30:26
蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

以上、篠田麻里子のスピーチの解説でした。

2012-06-11 23:31:17