堕天使と悪の問題について-ニーチェ・バタイユ・シュタイナー・ユング-

ニーチェ・バタイユから掘り起こした堕天使と悪の問題についてのツイート。iwriさんのシュタイナー見解からのツイートも注目です。
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アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

堕天使の問題について。ニーチェの『反キリスト者』によれば、ユダヤの唯一神YHWHは、もともとは「生の上昇運動」そのもの、あるいは「生の光明化や永遠の肯定」としての〈権力〉意識があり、それこそが本来の正義の神の在り様であったとしている。

2010-06-26 23:47:48
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ニーチェは、この本来の神の概念が、ユダヤ教からキリスト教へと変遷していく過程、ひいては西欧哲学の中で、近現代にいたるまで歴史を通じて捏造されていき、もはや自然的な人間と神の相互性を失うものへと一変したと指摘している。どのような捏造なのか。

2010-06-26 23:51:16
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

それは神と道徳の関係における、「「原因」と「結果」という自然概念の逆倒」である。そもそも道徳とは、本来の神の概念に照らし合わせてみれば、それらは神の被造物であり、神そのものではなく、神の可能性の一部分であって、まずなによりも神を基盤として成り立ちうるはずのものであった。

2010-06-26 23:54:37
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

人間の側においては神に基盤を置いている道徳を重要とみなければならないが、それだけが絶対的な価値であると指し示しているわけではなかった。本来ならばまず何よりも「生」そのものを表象する〈存在〉であるはずの神の自然な意志を、道徳に先行して、正義として重要視しなければならなかった。

2010-06-26 23:59:20
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

これが神と道徳の、本来的な「「原因」と「結果」という自然概念」であった。ところが、これがユダヤ教およびキリスト教の歴史を通じて、またその流れを汲む西欧哲学の歴史の中で、むしろ道徳が神そのものであると捏造されていってしまった。

2010-06-27 00:01:07
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

いうなれば道徳を「原因」として「偽りの神」を作り上げる「結果」を生み出したのである。キリスト教の神はこちらに該当する。これがニーチェの発見した「「原因」と「結果」という自然概念の逆倒」である。この逆倒を引き起こした人々は、道徳或いは理性が真であり、また善であるとして絶対化した。

2010-06-27 00:11:46
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ニーチェはここに「生」そのものを表象する正義の神YHWHの否定をみて「神が去勢された」という。この「「原因」と「結果」という自然概念の逆倒」によって、生の肯定が偽であり悪とされた。それは本来の神=生それ自体を悪魔と化させ、非難されるべきものとみなすという矛盾を生じさせたのである。

2010-06-27 00:17:26
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

このような見方からすれば、新約聖書の「サタンが雷光の如く天より堕つるのを見た」というような記述は、ニーチェにしてみれば、本来の神が失墜していく様に見えたのではなかろうか。こうしたことは、キリスト教において聖俗区分が逆倒したといったバタイユの説明からも見て取れると考えられる。

2010-06-27 00:25:01
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

人が最も廉直さを欠くのは、彼が神に対する時だ。人は神に罪を犯す権利すら与えていない!(ニーチェ『善悪の彼岸』65-2)

2010-06-27 01:25:08
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

先ほどの『善悪の彼岸』の引用は、バタイユが『内的体験』の中で引用している箇所でもある。バタイユは、「キリスト教の神聖な世界では、罪や違犯の基本的な性格を明らかに示すようなものは、何一つとして存続することができなかった」と述べている。

2010-06-27 02:03:49
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

悪魔-天使或いは違犯(不服従と叛逆)の神-は神の世界から追い払われた。悪魔はもと神性の生まれであったが、キリスト教的事物の秩序(ユダヤ教神話学の延長)にあっては、違犯はもはやその神性の土台ではなく、むしろその失墜の土台だったのである。(バタイユ)

2010-06-27 02:09:51
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

悪魔は、最初から手放す宿命にあった神性の特権を失ったに過ぎなかった。適切にいえば、悪魔は世俗の者になったのではなく、自分の出身地である神聖の世界から、或る超自然の性格を持ってきたのである。(バタイユ)

2010-06-27 02:11:50
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

不浄と清浄から成っていた神聖の世界のうち、不浄が退けられ、道徳或いは理性を善とする清浄な面だけが神聖の世界となったのである。本来の聖俗概念に則れば、或る条件における禁止の解除→違犯は神聖への道をひらいていたが、キリスト教にあってはそれは冒瀆、瀆聖となった。

2010-06-27 02:31:17
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

本質的に言うならば、神の位格に関する非連続性を別として、崇高なるものは聖なるものと同一である。神とは、そもそも感情的な面から言うならば、私の言う存在の連続性を含んだ一種の混合物なのである。(バタイユ)

2010-06-27 14:35:47
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ニーチェのいう「「原因」と「結果」という自然概念の逆倒」において、本来の神[=生の肯定]それ自体が悪魔と見做され、偽りの神[=生の否定(キリスト教の神)]が正当化されたということ。このあたりはバタイユの神聖世界の浄化と、不浄なものの世俗世界への転落と被っているところだろう。

2010-06-27 19:47:42
いぶりぃ @iwri

シュタイナーの本を、かなり久しぶりにパラパラ見てたら、それだけですげえなぁと感じた。本当にまだまだ全然シュタイナーの言ってることを理解できていないと思う。

2010-06-27 20:39:37
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

悪魔の宗教的身分の結果を奪い取ることは至難の業であった。邪神礼拝の遺物ともいうべき、恐らく世人が決して棄てなかった悪魔に対する礼拝は、世界から閉め出された。服従することを拒み、罪から神聖の権力と感情とを引き出そうとする者には、全ての火焔の中の死が約束された。(バタイユ)

2010-06-27 21:14:32
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

神聖世界が浄化されたキリスト教においては、エロティシズムが徹底的な断罪の対象となると同時に、世俗の領域に転落し、悪と同化していく。エロティシズムはかつて神聖の性格を持っていたが、それが悪と同化されることで無視されていくのである。

2010-06-27 22:04:08
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

「肉の交わりは婚姻においてのみ成就せらるべし。」などの規則も含めて、家庭の保全という要求が確立されていく点で、エロティシズム[=非生殖的な性的乱行、性的倒錯などの消費的活動]は排除されていく。娼婦など、不品行な生活を送っている女性は信用を失うのである。

2010-06-27 22:13:02
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

躁宴(オルギア)においては、個人的な快楽の彼方で、エロティシズムの神聖な意味が維持されていた。そのため、躁宴は正統派キリスト教の教会の特別な注意の対象となった。正統教会はエロティシズムを悪と見做して対立する。その活動を瀆聖行為として断罪し、撲滅しようとするのである。

2010-06-27 22:23:17
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@iwri 今堕天使の問題と絡んだ話をニーチェ・バタイユでやってるのですが、バタイユによると、サタンとニーチェのディオニュソスが一致しているとも見受けられると同時に、ニーチェ・バタイユ共に、「本来の神」が人間の手によって失墜せしめられたのが悪魔だととれるのですが、どう思います?

2010-06-27 22:38:53
いぶりぃ @iwri

@Abraxas_Aeon うーん、難しい問題ですねwニーチェがそうかはともかくとして、仮に「本来の神」をそのように推論するのであれば、シュタイナー的には、ルシファー的諸力を神と混同している、といえそうですね。

2010-06-27 22:46:48
いぶりぃ @iwri

@Abraxas_Aeon ちなみに、シュタイナー的には若いディオニュソスは自我の神です。そして、その意味ではルシファーも自我を早産させた存在です。なので、ディオニュソス=ルシファーはありうるかも?とは思いますが、ちょっときちんと文献参照して考えないと断定出きません。

2010-06-27 22:48:29
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@iwri おお、面白いですね。ちなみに今の話でニーチェ関連のことは主に『反キリスト者』の記述に基づいてました。旧約→新約あるいはユダヤ-キリスト教の歴史の中で、「原因と結果という自然概念の逆倒」が生じたことで、ユダヤのYHWHそれ自体が悪魔と見做されるという事態になったと。

2010-06-27 22:52:37
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@iwri 「ルシファー的諸力を神と混同している」というのは興味深いですw。どうしてかルシファーにはよく反応してしまいますw。

2010-06-27 22:54:23
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コメント

アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon 2010年6月29日
やっとまとめられた・・・。@Geisteswelten @iwri @mittsko @coyo @hinocchi さんに出演してもらいました。
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