2012年上半期BLついのべまとめ

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「年明けと同時に『２０１２年は勃つ年！』って叫びながら下半身むき出しで弟の部屋に突撃するとか流石に兄としてどうかなって一瞬思ったけど酒の勢いでつい！ごめんなさいもう二度としないのでそろそろ家に入れて下さい！いくら兄さんが打たれ強くても五日間お外は辛いよ…！」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 友人がやたらと恐怖映画を薦めてくるので渋々一緒に観た。罠だと気付いた時には遅かった「もう恐くてトイレもお風呂も一人で行けないでしょ。大丈夫、僕がずっと傍にいてあげる」井戸から出てくる貞子よりも、ブリッジで階段を降りてくる少女よりも、友人のぎらついた目が恐い。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 僕は地下室で暮しています。けして外に出ないよう御主人様に厳命されているのです。穢れに満ちた外の世界を、美しいお前が知る必要は無い。御主人様はそう仰るけれど、僕は時折外へ抜け出し、他の男の味を確かめます。だから僕は知っています。御主人様の血が一番美味しいって。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 坊ちゃま、眠れないのですか？風の音がおばけの声みたいで恐い？大丈夫です、私が傍におります。例え相手が死霊であろうと、悪魔であろうと、神であろうと。坊ちゃまに害をなすものは、貴方様の忠実な犬である私めが悉く噛殺してご覧に入れます。どうか安心してお休みください。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「私は貴方様がお生まれになってから四番目に拝謁叶う栄誉を授かりました」まず僕を取上げた産婆に両親、そして生涯の忠誠を誓うべく目通り叶ったのがまだ当時六歳だった自分なのだと、僕の騎士は誇らしげに語る。四番目がなんだ。お前なんか僕の一番最初の男にしてやるのに。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 人生初の一目惚れをして、それとなく接近したつもりが早速「ホモきもい死ね」と罵られた冬。友達を前提に下僕になった春。彼が狙っていた女の子から告白されて殴られた夏。彼を庇って車に跳ねられた秋。空白の冬。意識を取り戻した春。「寝すぎだよ馬鹿」彼の笑顔が花咲く。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 授業をさぼって屋上に昇り、昨晩先生と過ごした時間を思い出しながら紙飛行機を折る。好きだと伝えて、キスをして、その他にも色々唇の使い方があると教えてくれた。全て終わった後で先生が僕にくれたのは三枚の一万円札だった。福沢諭吉の描かれた紙飛行機が三機、青空を滑る。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel お互いの老後を考えて貯金しようと話し合った翌日に奴は馬鹿高い靴を買いやがった。「今日は愛妻の日だから自分にご褒美をあげないと」いやお前男だろ。そして役割的には旦那だろ。「でも俺の方が女顔で綺麗だし、君は俺の事愛してるでしょ？」煩えよクソナルシスト愛してます。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「今日は褌の日だ！男なら！いやさ漢なら！チョコなどに現を抜かさず褌を締めるべきだ！」「そうか…お前を喜ばせようと思ってガーターベルトをつけてみたが無駄になったな」「待て！褌とガーターベルトを同時に装着してはいけないという決まりは無い！」「それなら良かった」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「あの男と何を話していた」屋敷の居室で二人きりになるや否や、主人が私の頬を張る。落ちた眼鏡を拾いながら、胸の内で答える。将来貴方の邪魔になるであろうあの男を誑かして私の駒にする予定なのですから邪魔をしないで頂きたい。貴方の未来を、貴方と同じぐらい愛している。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 仰げば尊し。音律に合わせて口を動かしながら横目で先生の様子を窺う。さよなら先生。誰にも内緒の恋人ごっこは結構楽しかった。脅しに使ってた写メは約束通り消したから、先生はもう自由なのに。そんな風に顔をくしゃくしゃにして泣かれると、もう少し遊んであげたくなる。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「問題です。今日は何の日？」「円周率の日」「あ、うん、その他にもあるよね。ヒントは飴！」「違う。円周率の日にはπにあやかってパイを食べるんだ」「…君に捧げる僕の愛は円周率みたいに果てしないよ！」「果てが無いなら受け止めきれないな」「たまには飴をくれよぅ…」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「なあお前ぱんつくった事ある？」「あるよ」「マジかよ変態！」「えっ」「だから、パンツを食った事あるかって聞いたんだよ」「ああ～そういう。違うよ誤解だよ、パンを作った事ならあるけど。君のパンツを細かく刻んで練りこんだパンが特に美味しく作れました」「変態！！」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「僕は友達が欲しい」「かしこまりました。人格は然る事ながら、知力・体力・財力を兼備し、有事の際には命に代えても坊ちゃまを護り、坊ちゃまが望まれれば空を裂き海を割り大地をも統べる、坊ちゃまのご友人に相応しい者を探して参りますね」「僕には一生友達ができないね…」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel この無能の役立たずめが私を煩わせるな貴様は私の下僕なのだから貴様の意志など関係無い黙って私の命に従い一時たりとも私から目を逸らさず常に私の事だけを考え私の幸福を祈り私の為だけにその身を使い何者からも私を護り私の傍から離れるな私を拒絶するな貴様だけは。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 梅、桃、杏。木蓮、辛夷、雪柳。蒲公英、馬酔木、沈丁花。毎年必ず、約束を果たすように咲き誇り、萌え盛り、匂い立つ花たちに囲まれながら、僕はただ君だけを待っている。淡い記憶が舞い散る空の下、君だけが足りない春の庭。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 憧れの職業は探偵、趣味は尾行。僕は今日もひっそりと彼を追跡する。講義の後、駅前の書店でバイト。コンビニで弁当を買って帰宅。アパートで一人暮らし。同じ学科の女の子に片思い。明日告白する予定。彼女にも気がある様子。解くべき謎は何も無い、いつまでも始まらない物語。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「お兄ちゃん、お医者さんごっこしよ」「ああいいよ。俺が患者？」「ううん、お兄ちゃんが先生で僕にぶっといお注射を」「はいストップ！俺が患者な！先生頭が痛いのですが！」「それではお注射を」「注射から離れよう！」「なんで？僕のが太くないから？」「マジで頭痛いわ…」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 医師国家試験に合格した幼馴染を祝福する。「おめでとう」半分は本心、半分は優秀過ぎる彼への嫉妬。卑屈な態度を滲ませてしまう俺に「君のおかげだよ」と彼は皮肉な微笑を浮かべた。「医師免許なんか無くても、君の体調なら味で分かるけどね」幼い日の悪戯は、これからも続く。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 出会い系でひっかけたオッサンとホテルに行ってシャワーを浴びている隙に財布の中身だけ頂いて帰った。後日風邪をひいて病院に行ったらそのオッサンが白衣を着ていた。俺を睨み、ゴム手袋を嵌める。「直腸指診をするので脱いで」やばいプロのお医者さんごっことかわくわくする。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 既婚者で子供もいる癖に「お前を世界一愛してる」などと軽薄な睦言を吐く。馬鹿らしい。世界一どころか二番目ですらない事を知っているからこそ愛人なんてやっていられる。沢山の恋人達に愛され、その誰もに良い顔をせずにはいられないクズだから、俺はあんたに惹かれてしまう。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel「王様だーれだ！僕でーす！」「…命令をどうぞ」「一番の人は今すぐ憲法を改正して同性同士の結婚を認めるように」「できるかいな」「じゃあ一番の人は法を犯して未成年の僕を犯して下さい」「…もしかして二人で王様ゲームを始めた時点で罠にかかってた？」「今頃気付いた？」

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 端午の節句には香りの強い菖蒲や蓬で邪気祓いをする習慣がある。邪気は香りの強いものに弱いのだそうだが、僕の色香を打ち消すには至らないらしい。「今日は一緒にお風呂に入ろうか」今日「も」の間違いだろ。僕の色香に惑う義父。僕を子供のままでいさせてくれない悪い大人。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 先生大変なんです、僕の彼氏がイケメンなんです。その上文武両道で性格も良くて、付き合ってもう一年になるのに未だに会うだけで動悸がして頭がぼうっとして熱が出てしまう僕は重症患者に違いないんです、助けてください。「馬鹿は死んでも治りませんよ」なんだと貴様藪医者か。

はちこ @hachiko_mh

#twblnovel 「この広い世界で君と廻りあって、恋をして、恋人同士になって。全てが奇跡の連続で。そして二人が出会った記念日に金環日食。正に奇跡だと思わないかい？」「ズボンのファスナー全開で臭い台詞を吐く馬鹿をそれでも好きだと思ってしまう奇跡なら今体感してる」「oh…///」