【女子力で中小企業は伸びる!本社屋上に保育園がある会社】~どうすれば社員の活力が上昇できるのか?~

 会社の屋上に保育園があって、お昼休みには母親と園児が一緒にお弁当を広げる…。そんな会社があったら社員も安心だし、活力も上がるだろうなーと思うわけです。  それを実現しちゃったのがこの会社。というか創業時(昭和30年)には保育所が既に設置されていたという。  「妊娠した女性は退職して欲しい。」と思う会社があると思えば、こうした会社もあるんだなぁと思いました。
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Mr.カトー @Mrkat0

女子力で中小企業は伸びる ~本社屋上に保育園がある会社(タカヤマ金属工業)http://t.co/1zV1aL7x ~昼食の時間になると、働いていた母親が保育所に顔を出し、子供たちの歓声が上がる。 ⇒エキナカ保育園の先を行くこの会社が、保育所を作ったのはなんと昭和30年。すごい!

2012-06-16 20:08:34

 樋受け金具の国内シェア40%でトップを誇るタカヤマ金属工業(大阪市)の本社屋上には、従業員なら誰でも利用できる保育所がある。最近は少子化対策で従業員用の保育所を持つ大企業が出てきたが、タカヤマの保育所はなんと会社創業の昭和30年に設置され、半世紀以上の歴史を持つ。金具製造の技術だけでなく、女性活用の仕組みも、オンリーワンだ。

 昭和30年代、地方出身の若者は「金の卵」と称された。高度成長期で労働者が貴重な戦力として重宝され、続々と大阪や東京といった都市部に仕事を求めて集まった。

 同時期に創業したタカヤマでも、やがて仕事が軌道に乗り、職場での出会いから結婚というケースが増えてきた。ところが、出産を機にやめなければならない女性社員が続出し、大切な人材の確保が経営課題として浮上した。

 住宅建設が急激に増える中、屋根に付ける樋受け金具の注文も相次いでいた。「当時から、女性も男性も会社にとっては同じ貴重な戦力と位置づけていた」と現社長の高山正義氏は振り返る。創業者は「保育所があれば結婚しても会社を辞めずに済むのではないか」と考え、当時の中小企業としては異例の企業内保育園設立を決断した。

 記者が屋上の保育所を訪れてみると、2人の女性保育士が4人の子供の面倒を見ていた。この日は、雨が降っていたが、子供たちは保育士による本の読み聞かせ、おもちゃ遊びに興じていた。

 2人の保育士は会社が直接雇用で採用した社員。松井芳未(よしみ)さん(25)は「以前勤めていた保育園では1人で約20人の子供の相手をしなければならなかったが、ここなら1人1人の子供ときちんと向き合える」と話す。

 高山社長は「単に保育所を設けるだけでは十分な子育て支援とはいえない」と話す。企業なので当然、残業はあるが、普段から従業員同士で仕事をカバーしあって、子育て中の従業員の仕事の負担を軽くするようにしているという。

 タカヤマでは育児休業中の従業員の補充として派遣社員を採用することがあるが、原則として派遣社員に休業中の仕事を任せず、従業員が手分けして休業者の業務を分担することにしている。派遣社員はそのために業務量が増える従業員の補助という位置づけだ。安心して産休や育休が取得できるうえ、誰かが産休や育休を取ってもうまく仕事が回っているのだ。

 定着率も高く、女性従業員の中には50歳代のベテランもおり、長年培った技術やノウハウの継承にも役立っている。新規採用は欠員補充が原則だが、「子育てしやすい会社」という評判が口コミなどで広まる。

 総務担当の寿崎夕貴さん(38)は「職場内でも子育ての話題が多い」といい、子育てをきっかけにした従業員の連帯感は強い。

 昼食の時間になると、1階の事務所で働いていた母親が保育所に顔を出し、子供たちの歓声が上がった。昼食は持参した弁当を親子で食べる。瑛里ちゃん(3)と一緒に弁当をほおばる業務担当の佐藤智子さん(26)は「仕事の合間など、気になったときにはいつでも様子を見に行けるので安心」と笑顔を見せる。

 この保育所は正社員だけでなくパートでも利用可能。夫婦共働きなら生後6カ月から小学校入学前まで保育所を使える。

 生後1歳になるまで、育児休暇が取得できるが、「保育所があるため、ほとんどの社員は6カ月程度で育児休暇を切り上げ、仕事に復帰している」(石田恒之総務部係長)。

 こうした取り組みが評価され、平成22年度の内閣府特命担当大臣表彰(子育て・家庭支援部門)を受けた。半世紀にわたって500人以上の子供が巣立った保育所のノウハウを学ぼうと、企業関係者が連日のように見学に来る。