DETONATOR オーガンと音楽

吉祥寺怪人 @kissyouji_kaito

【オーガンと音楽：４】 興奮のまま帰社した私は大張監督に電話をかけ、テープを再生しスピーカーに受話器を押し当て試聴してもらった。 電話の向こうで監督は本作の勝利を確信したという。 まだ１カットも動く画面のない状況下、平沢さんの曲の中には、既にオーガンが躍動していたからである。

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【オーガンと音楽：５】 '91年夏発売の一巻目のED曲『バンディリア旅行団』は平沢さんサイドからお勧めいただいた曲。以後、二巻目『山頂晴れて』、三巻目『魂のふる里』と使用させていただいたが、その荘厳さにうち震えるのと同時に、まるで本作の為に書き下ろされたかのような縁を強く感じた。

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【オーガンと音楽：６】 丁度二十年前、オーガン完結後に刊行したムック（B-CLUB SPECIAL デトネイター・オーガン／バンダイ出版部）で平沢さんに音楽について改めてお聞きした。 『バンディリア〜』の世界観とは…？ pic.twitter.com/4wf1z3dj

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【オーガンと音楽：７】 平沢：（前略）「バンド」という集合体という意味と、「バンドフィリア」という愛好家っていう意味をくっつけて、「バンディリア」にしてしまおうと。で、その集合体愛好家の人達が、時空を遡ってかつて自我以前の世界観へと旅立つという、そういったシチュエーションですね。

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【オーガンと音楽：８】 多くのアニメ劇伴がそうだと思うが、オーガンも当然、完成した絵に合わせての作曲作業は無理だった。平沢さんにご苦労をかけてしまったのではないか…？ 平沢：（前略）むしろ結果的には良かったと思うんですね。ていうのは、…… （９に続く）

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【オーガンと音楽：９】 〜イメージを自分なりに膨らませて行った物と、それから一方で別に進行している作画の人達とのイメージが、ある意味で合ったと思うんですね。逆にもし、キチンとした絵を見ていたら、本来の制作スタッフの思っていた構想をもっとせばめちゃっていたような気がするんですね。

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【オーガンと音楽：１０】 〜で、結局ああいう大仰な音楽になっていったんですが、絵に色と動きがあったりしたら、もう少し自分でセーブしちゃったと思うんですよね。で、色々不安に思いながらも単純なコンテから自分でイメージを膨らました方が良かったなと思います。

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【オーガンと音楽：１１】 実にありがたいお言葉である。 逆にオーガンの作画スタッフには平沢信者が多く、その楽曲に負けじと燃えてくれたことがクォリティ向上につながった。 平沢：セッションですね。フフフ。

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【オーガンと音楽：１２】 '92年、オーガンが三作で完結。その後アニメのプロデュースにかかわることが叶わず、勝手に抱いた絶望感でその世界から意識が遠のいた。平沢さんのライブも'96年を最後に、つながりが途切れてしまう。 しかし齢五十を前に、猛烈な過去への回帰衝動が起こる。

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【オーガンと音楽：１３】 『HALDYN DOME』の発売と［PHONON 2555］の開催…彷徨っていた私の意識が結晶化した。 ああ、もう一度お目にかかれたら…！ ファンクラブへの入会、チケットの予約…準備万端で迎えた６月。 そして思いがけない山頂からの呼び声…。

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【オーガンと音楽：１４】 公演二日目の終演後、私は控え室に招かれた。いいのだろうか…!? だが入口をくぐると、平沢さんはこれまでの私の迷いを見透かすかのように、こう仰って下さった。 「オーガンをやったから、その後の映像作品を手がける事ができました」 十六年間の隔たりは霧散した。

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［メッサーシュミットKR200と私］ （発作的ツイート：1995年に於ける撮影） pic.twitter.com/Z5aOZBQO

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平沢進さんのインタラクティブ・ライブ、2013年に渋公なら20周年か…と思ったら勘違いで最初のは'94年だった。 '92年のHi-Resの翌年だとばかり思い込んでた。 しかし最初のインタラは衝撃的だったなあ。開演後すぐ終わってしまうしw

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◉最初のインタラその２ あと、会場外にいる戸川純さんとTV中継で共演とかすごかった。終盤にご本人登場でさらにビックリした覚えが。 終演後の楽屋打上げで純さんの斜め後ろにいて、後ろ姿に密かに感激していたっけw …いや、あれは'91年のヴァーチュアル・ラビットの時だったかな…？

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◉最初のインタラその３ 居酒屋に移っての打上げの席で、映像協力されたN○KのN谷さんと名刺交換、それが'94年のフォルダにあったからやっぱ年数は勘違い。 その席で平沢さんに「最近は何をされてるんですか？」と聞かれ、「はあ、呆然としております…」答えた記憶が。 沈んだ時期だったな。

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◉最初のインタラ４（打上げこぼれ話） そーいえば、前の客が酒でもこぼしたらしく、平沢さんの座布団だけなぜか湿っていてお困りだったなあ… （…てゆーか、ほかに思い出す話ないんか！）

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初めまして。確かすぐ交換されたようなw “@yuriko41: 突然の引用失礼します。なかなか聞けないお話！お困りのまま座り続けられた感じですか？（笑） 　RT @kissyouji_kaito 客が酒でもこぼしたらしく、平沢さんの座布団だけなぜか湿っていてお困りだったなあ…”

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『P-MODEL ゴールデン☆ベスト』を入手。 未開封、ほぼ定価が嬉しい。 昔は２枚持ってたのになあ（貧乏はいやじゃ…） '92年、オーガン３作目の制作真最中の時、平沢さんサイドから「P-MODELの新しいアルバムから使ってもいいですよ」的な提案を戴いて血圧急上昇！ （続く）

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【続き01】 「うわ～、『Speed Tube』を戦闘シーンに流せたらなあ…」 なんて妄想したが、既に緻密な劇伴の設計は完了しており、泣く泣く断念。 でも、オーガン３の劇伴で、平沢さんは面白い曲を一曲作ってくださった。 （続く）