ジョルジュ・マチウの訃報に接して (@shnchrOSAKI さんの連続ツイートより)

ジョルジュ・マチウの訃報に接した @shnchrOSAKI さんの連続ツイートです。 参考 フランスの前衛芸術家ジョルジュ・マチューさんが死去 http://www.asahi.com/obituaries/intro/TKY201206120756.html
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shnchr OSAKI @shnchrOSAKI

訃報を契機にツイートを更新するのもどうかと思うが、ジョルジュ・マチウの訃報が届いた。アンフォルメルの代表的な画家の一人。1957年にミシェル・タピエとともに来日した際に大阪と東京で行ったアクション・ペインティングの実演が日本の美術界に大きな衝撃を与えたことは知られているとおり。

2012-06-14 21:21:10
shnchr OSAKI @shnchrOSAKI

1950年代にあれほどのセンセーションを引き起こしながら、その後、美術界の話題とならなかったことは興味深い。確か2002年にジュ・ド・ポームで大規模な回顧展が開かれたと記憶している。フランスでは一定の影響力があったのだろうか。しかし少なくとも国際的な舞台からは忘却されていた。

2012-06-14 21:28:36
shnchr OSAKI @shnchrOSAKI

端的に絵画の質の問題であろう。珍妙な扮装で派手なアクションを繰り広げながらも、マチウの絵画は近代絵画の枠を出ることがなかった。挑発的な著述のタイトルに反して、地と像の関係を保持し、垂直の状態で描かれたマチウの絵画は「抽象絵画」という枠の中の最新バージョンにすぎなかった。

2012-06-14 21:35:38
shnchr OSAKI @shnchrOSAKI

いうまでもなく比較されるべきは、もう一人のアクション・ペインター、ジャクソン・ポロックである。水平の状態で制作されたポロックの絵画はもはや「絵画」であるか否かを問題としない不穏さを帯びていた。絵画という枠を踏み越えるポロックの過激さは後続する世代に豊かな可能性を示唆した。

2012-06-14 21:48:32
shnchr OSAKI @shnchrOSAKI

この点からも具体美術協会の活動は検証されるべき余地を残している。彼らの初期の活動が絵画という枠組を問題としていなかったことは明らか。しかしマチウらとの接触以後、絵画への回帰は単に「抽象絵画」の刷新をめざしていたのではなかろう。今後、相次ぐ具体の回顧展でこの点は解明されるだろうか。

2012-06-14 21:55:48