マリアナ沖海戦

軍艦に対する熱くねちっこく萌える心で偏った解説してます  同じノリのミッドウェイ海戦解説>http://togetter.com/li/315917 間違いを見つけたら優しく諭してあげてください
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はやC @mononiq

よし で、今日はミッドウェイ海戦から2年後の1944(昭和19)年6月19日に起こったマリアナ沖海戦ですがせっかくなので当時の概況を5ツイートちょっとくらいで整理してみようかな~と思います そのあと今回の主人公である双子の空母・翔鶴&瑞鶴と、装甲空母・大鳳について、ねちっこく!

2012-06-19 23:17:24
はやC @mononiq

まず、そも太平洋戦争がなぜ勃発したか については日清日露戦役や日中戦争から地続きで各国の複雑な事情/思惑があり 書籍でも「日本のアジア侵略戦争であった」とか「日本は開戦せざるをえなかったのだ」とか各々の主観でまったく書き口が違いましてまあわたしはどちらかといえば後者の見方してます

2012-06-19 23:18:22
はやC @mononiq

ただ大陸の戦況については無知に等しく、戦時下統制の不合理さ…などについてはまた別問題だと思っておりますので 今回もあくまで海の視点で!軍艦に!!ピントを合わせたいと思います  しかし、ここで外せないのは石油≒エネルギー資源問題 これが戦争の原因のひとつであったのは間違いありません

2012-06-19 23:19:19
はやC @mononiq

というわけで、この地図をご覧下さい http://t.co/fh6yiurn 渾身の自作なんですがフルサイズじゃないと文字潰れて全然見えませんねなんてこったい ☆マークは重要な産油地、剣のマークは開戦後1944年春までに起こった日本vs連合軍(米英蘭豪)の主な海戦です

2012-06-19 23:21:27
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はやC @mononiq

緑色が1942年までに日本が進出したエリアです 本土の小ささに対してどう考えてもオッカシーダロ!という広大な戦線です しかし1942年6月のミッドウェイ海戦にて主力空母の三分の二を失った帝国海軍はこの後苦戦を余儀なくされます

2012-06-19 23:24:15
はやC @mononiq

1943年初頭~夏までには、陸海空問わず惨憺たる消耗戦の舞台となった ソロモン諸島・ガダルカナル島や、北方アリューシャン列島・キスカ島から撤退することに (このとき霧や夜陰に紛れ陸上部隊を撤収した作戦は奇跡的な成功を収めます)

2012-06-19 23:25:45
はやC @mononiq

明けて1944年初頭、帝国海軍の一大泊地であったトラック諸島やパラオ諸島が大規模な空襲を受けて壊滅(逃げ遅れた艦艇も多数沈没) 戦線はなおずるずると後退を続けます 南太平洋は欧米連合軍に奪取され、1944年春の時点では地図に赤でかぶせたエリアが僅かに日本の勢力圏でありました

2012-06-19 23:27:10
はやC @mononiq

さてこのとき、マリアナ諸島(=サイパン、グアム)は絶対死守せねばならぬ要所でした …なぜなら、サイパン島の飛行場からはアメリカのB-29で直接日本本土を空襲できてしまう距離だからです そんな中、1944年の4月 待ちに待った新鋭空母が就役します 名前を「大鳳」といいました

2012-06-19 23:29:22
はやC @mononiq

でも、大鳳の話はちょこっと後に置いておいて 開戦からの歴戦の空母である「翔鶴」と「瑞鶴」について触れておきましょう

2012-06-19 23:30:46
はやC @mononiq

この二隻は太平洋戦争開戦の直前に生まれた艦であり(むしろこの子らの就役を待って開戦したともいわれます)、一隻あたり70機以上の航空機を積むことができて、ミッドウェイ海戦で主力の空母たちがごっそりと戦没してしまった後、帝国海軍にとっては虎の子と言えるそれはもう大事な大事な二隻でした

2012-06-19 23:32:02
はやC @mononiq

そしてこの頃の軍艦は同型船といえど造るヤードが違えば大なり小なり見た目の違いが出てくるものなのですが、この翔鶴と瑞鶴は双子のようにそっくりで乗員さんですら間違って乗り込んだことがあったといいます というか、わたしの中では完全に双子です 誕生日は一ヶ月くらい違うのですけれどね

2012-06-19 23:33:25
はやC @mononiq

尚、当時の造船業というのは大変危険な現場で、船の建造中には幾人か亡くなるもの(現代でも死亡事故がちらほら起こるほど)だったのですが、瑞鶴は工期中にひとりの人死にも出さなかったらしく、大変縁起の良い船だと喜ばれたそうです そしてその好運は、就役して以後も発揮されることになります

2012-06-19 23:35:14
はやC @mononiq

さて見た目はそっくりな二隻ですが開戦以後、先の好運を発揮する瑞鶴と被害を受けてばかりの翔鶴とで明暗がくっきり分かれるようになります 珊瑚海海戦(1942年5月)、南太平洋海戦(同年11月)…といずれも翔鶴は甲板に爆撃を受けて中・大破してしまうのですが、瑞鶴はまったくの無傷!

2012-06-19 23:38:29
はやC @mononiq

やがて翔鶴は「被害担当艦」などという不名誉なあだ名をつけられてしまうこととなります 翔鶴の生まれた横須賀海軍工廠出身の大型艦は薄幸な船が多いとも言われますね 謎の爆沈を起こした陸奥、戦艦で最初に戦没した比叡、薄命の空母信濃…殴り合いの戦闘に挑んだ飛龍や山城が不運かどうかは?ですが

2012-06-19 23:39:37
はやC @mononiq

太平洋戦争は航空機の力がものを言った戦争です 海上においては空母の数を揃えたほうが絶対的に有利! そんな中で大型空母がこの二隻だけというのは非常に心もとない… というわけで1944年の苦しい戦況下、新たな正規空母「大鳳」は大きな 本当~に大きな期待を背負って生まれてきたのです

2012-06-19 23:41:27
はやC @mononiq

当時の空母は上空から見るとこんなhttp://t.co/i8bBSlER(加賀です) 見た目をしておりました 飛行機を飛ばすために必須の広い甲板は敵側からすれば絶好の目標であり、しかも木材張りのため爆弾が命中すると破壊・炎上して飛行機の発着ができなくなる重大な欠点がありました

2012-06-19 23:43:04
はやC @mononiq

そこで大鳳に求められた性能は 『爆弾の直撃にあっても航空機の発着能力を失わないこと』 今までチーク材張りだった甲板に厚い鋼板を張り、爆発に耐えられる仕様にしてしまおうということです そうして日本で初めての装甲甲板を持った空母として造られた大鳳は1944年の3月7日に竣工しました

2012-06-19 23:45:20
はやC @mononiq

就役したばかりの大鳳は訓練を積みながら南洋へ進出し翔鶴・瑞鶴と合流して第三艦隊を構成することとなります 時既に戦局は悪く、泊地の外は米潜水艦が遊弋しており、訓練は思うように進みませんでした そして1944(昭和19)年6月15日 「あ号作戦」発令… マリアナ沖海戦のはじまりでした

2012-06-19 23:47:18
はやC @mononiq

この作戦における第三艦隊の任務は『マリアナ諸島に上陸・展開しつつある米軍を食い止めるために、米艦隊をおびき出して潰すこと』 そこで航続距離が長い日本の航空機の利点を活かし、敵機動部隊の攻撃範囲外から襲撃を仕掛けることとしました

2012-06-19 23:49:23
はやC @mononiq

6月19日、マリアナ諸島をはじめとした近隣島嶼の基地航空隊と合わせて400機以上をかき集めた総攻撃が始まりました 午前8時頃には予定通りに攻撃隊を発艦させ終わったのですが、そんな中で大鳳から飛び立ったばかりの爆撃機「彗星」のうち一機が海面へと突っ込んでしまいます

2012-06-19 23:51:01
はやC @mononiq

不慮の事故か?と思われましたが、違いました 「彗星」搭乗員は近海に潜んでいた敵潜水艦から大鳳へ向かう雷跡(射出された魚雷の立てる泡の道筋)を上空で発見し、自ら体当たりで止めようとしたのでした

2012-06-19 23:52:12
はやC @mononiq

直後、大鳳も雷跡を視認して回避行動を取りますが時既に遅く一発が右舷に命中 爆音と大きな水柱に万事休すか――と全艦が固唾をのみましたが、大鳳は浸水により少し傾いただけで航行には支障なく、何事もなかったかのように走り続けていました

2012-06-19 23:53:32
はやC @mononiq

さすがは装甲空母、と誰もが思ったそうですが その反面、爆発の衝撃で艦内にある航空機燃料用のタンクにひびが入り、また、飛行甲板にある航空機用エレベーターも故障して中途半端に下がった状態から動かせなくなってしまいます

2012-06-19 23:54:39
はやC @mononiq

戦闘中ですので大掛かりな修理をするわけにもいかず、しかしエレベーターが下がったままでは甲板に大穴が空いてしまって飛行機の発着ができません 急ごしらえでエレベーターの上に資材を積み上げて穴を塞ぎ、大鳳はどうにか戦列に復帰を果たしました

2012-06-19 23:55:25
はやC @mononiq

アッ ちなみにですが 大鳳(たいほう)、翔鶴(しょうかく)、瑞鶴(ずいかく) です 読みはわりかし字面のそのまんまでございますのよ!

2012-06-19 23:56:38