「子どもの性問題行動の理解と対応」~大阪大学藤岡先生による児童福祉施設職員を対象にした研修ツイートまとめ

先日行われた研修会のまとめ。最後までのツイートをまとめました。途中やや専門的な言い回しもありますが、個人的に重要と思われるところはデコりました。 ご参考にしていただければ幸いです。
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peeoka @peeoka

大阪大学の藤岡先生による児童福祉施設職員を対象にした研修「子どもの性問題行動の理解と対応」。パワポのスライド73枚という分量をパワフルな口調で2時間半あまりという中身の濃い講義でした。自分なりのメモをツイートで少しずつ紹介していきたい。

2012-06-19 01:32:07
peeoka @peeoka

【研修メモ1】子ども同士の性的な行動については、正常発達の姿で許容範囲の遊びなのでは?という意見がある。確かに子どもの性的行動の多くは、年齢相応で健全なものである。しかし子どもの間での性的行動が問題となるときがある。

2012-06-19 01:32:32
peeoka @peeoka

【研修メモ2】性的行動が問題となる条件としては、行動の長期化や頻度の高さ、対人面・認知面の発達を阻害、年齢や発達的能力差が大きく異なる対象、大人による介入後も頻度減少せず、性器を痛めつけるような方法、強制・脅迫・暴力が伴う、感情的苦痛(恐怖・不安)が伴うといったもの。

2012-06-19 01:32:59
peeoka @peeoka

【研修メモ3】性問題行動のある子供や少年少女に対する治療教育の効果。他の深刻な非行歴や行為障害の既往歴のない場合だと、5年以上たっても再犯率は8~15%程度。小学生の場合だと、親子が認知行動療法に基づく治療教育を週1回3か月受けると、10年後でも再犯率2%という結果も。

2012-06-19 01:33:31
peeoka @peeoka

メモ3の感想。性加害は治りにくく再犯性が高いというイメージがあったが、子どもの場合は、適切な治療プログラムを実施するだけでこれだけ再犯を抑えられるんだね。親子で取り組んだ場合の効果の高さも良くわかるところ。

2012-06-19 01:34:49
peeoka @peeoka

【研修メモ4】子どもの性問題行動の背景は多様で複合的。①子どもの脆弱性(発達の遅れ、衝動統制の弱さ)、②家族の逆境(親の鬱、薬物乱用、躾なし)、③強制のモデリング(DV、いじめなど)、④性行動のモデリング(ポルノ、性虐待など)が組み合わさって起こる。

2012-06-19 23:53:44
peeoka @peeoka

【研修メモ5】性問題行動への対応の基本的枠組は、①被害者の安全と安心、②暴力行動の抑制、③対等で協力的な関係性を作り、維持する力を育むことの3つ。再被害・再加害防止はもちろんであるが、子どもの健康な発達促進が目標という未来志向的なニュアンスが強調される。

2012-06-19 23:54:35
peeoka @peeoka

【研修メモ6】発達障害をもつ児童の場合、治療プログラムを理解させるのは難しいと言われるが、国立武蔵野学院の富田医師によれば、一度きちんと理解し納得できれば健常児よりルールを守り、再犯性が低いとのこと。

2012-06-19 23:55:09
peeoka @peeoka

【研修メモ7】薬物乱用者に対して刑務所内のプログラムだけ実施した場合、再犯率は8割であるが、施設内プログラムの後に社会内プログラムも受けさせることで4割と半減。これは性加害の治療についても同じ。施設内プログラムを終えて地域に出てからの半年から1年が危なく、その間のサポートが重要。

2012-06-19 23:55:52
peeoka @peeoka

【研修メモ8】性加害の児童が家庭復帰する際の監督の鉄則。①性的問題を認識していて、責任感ある大人の直接的な監督がない場合、幼い子供および被害者となる可能性のある人に近づかせない。②幼い子どもを監督するような役割につかせない。③性的刺激物を入手させたり、使わせたりしない。

2012-06-20 00:15:52
peeoka @peeoka

【研修メモ9】③について。マスターベーションだけなら安心と思うかもしれないが、アルコール依存症の人がたった一杯のお酒で症状が再発するように、性加害を起こした人の場合、過剰な性的刺激物に曝されてのマスターベーションによって頭の中が性行動で一杯になり行動化してしまう危険性がある。

2012-06-20 00:16:19

最初のまとめの続きがここからになります。

peeoka @peeoka

【研修メモ10】性加害児の保護者も間接的な被害者。非行の原因としての親でなく、回復の資源の親という視点から保護者支援の重要性。保護者が起こっている事を理解し受け入れ、そして現実的対処ができるように。親が子どもをモニタリングすることによって、自らが治療教育の枠組みとなることを期待。

2012-06-22 00:48:26
peeoka @peeoka

メモ10の感想。藤岡先生は保護者支援に力点を置いていました。加害児の保護者は、被害児の保護者からの糾弾や賠償金問題、地域からの厳しい視線により仕事をやめたり、転居を迫られたりするなど、相当な心的ストレスに。子どもの問題に向き合えない場合もあるため、ここのケアは重要だと思いますね。

2012-06-22 00:48:47
peeoka @peeoka

【研修メモ11】犯罪を予測させる要因群(Andrewsら)。①行動履歴②反社会的人格パターン(衝動性の高さ、共感性の乏しさ)③反社会的認知④反社会的仲間関係。ここまでがビッグ4。⑤家族・婚姻関係の問題状況⑥学校・職場の問題⑦余暇活動⑧物質乱用。ここまで入れてセントラル8。

2012-06-22 00:49:12
peeoka @peeoka

【研修メモ12】犯因性リスクの問題について。リスク因子の種類として、①固定リスク、②可変・安定リスク、③可変・急性リスクの3つが挙げられる。

2012-06-22 00:49:38
peeoka @peeoka

【研修メモ13】①はほとんど変化がなく、長期的な再犯予測に関連性が高いもので、具体的には「若年」、「犯罪歴」、「面識のない被害者」、「保護観察中再犯歴」などである。

2012-06-22 00:49:57
peeoka @peeoka

【研修メモ14】②は、数か月~数年持続する性格特徴などの比較的安定した要因で、心理治療的な介入が有効とされる。具体的には「自己統制の弱さ」、「暴力に肯定的な態度」、「認知の歪み」など。

2012-06-22 00:50:10
peeoka @peeoka

【研修メモ15】③は、状況に応じて数週間~数秒で変化。再発の誘因となりやすいので社会内で要注意。ケースワーク的介入が有効とされる。具体的には、「否定的気分」、「怒り」、「酩酊」、「潜在的被害者への接近」、「社会的サポート喪失」など。

2012-06-22 00:50:36
peeoka @peeoka

【研修メモ16】上記は犯罪一般について。②のリスクは性暴力者の場合「逸脱した性的関心」、「性にとらわれている事」、「反社会的志向(不安定な生活、ルール違反など)」、「性暴力に寛容な態度」、「親密性の欠陥(子どもとの情緒的同一視、安定した愛情関係の欠如)」になる。

2012-06-22 00:50:57
peeoka @peeoka

【研修メモ17】CBTを用いた効果的な再犯防止のための治療教育的介入の三原則。一つ目はRisk~低リスクは社会内で可能、高リスク者は施設内で集中的ケア。低リスク者を高リスク者に混ぜると再犯増加するため、リスクアセスメントが重要である。

2012-06-22 00:51:37
peeoka @peeoka

【研修メモ18】二つ目はNeed~犯罪原因となるニーズをターゲットに。再犯リスクとニーズは表裏一体。三つ目はResponsivity~対象者の学習スタイルの特性に合わせる(知的障害、発達障害、文化、階層、性別、年齢等)。この三原則の二つ以上入れば再犯率は半分へ。

2012-06-22 00:51:52
peeoka @peeoka

メモ11~18の感想。この辺りのデータはアメリカの研究から。エビデンス重視のお国柄らしく、効果測定はきっちりと出してます。リスクはニーズになりうるという視点は新鮮。

2012-06-22 00:56:11
peeoka @peeoka

【研修メモ19】性加害行動への介入ポイントとして、①暴力行動の制止(限界設定、枠組み作り)。②変化への動機づけと新しい社会的欲求充足方法の獲得、③見守りや監視等の外的バリアの用意、④性行動のルールと衝動コントロール、⑤性暴力行動変化のための教育。

2012-06-24 02:08:18
peeoka @peeoka

メモ19の補足。藤岡先生によれば②の動機づけが出来ていれば治療教育の8割ぐらいまではクリアしているそうです。施設に入所している児童の場合、教育導入時の動機づけは割とスムーズですが、まだこの段階では子ども自身が本当の意味で変化を希望しているわけではないともおっしゃってました。

2012-06-24 02:08:38
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コメント

タビトラ @tabitora1013 2012年7月1日
先日まとめた子どもの性問題行動の理解と対応についての続きです。子どもの問題ではなく大人が考えて行動するためのもの。性被害について考えたい方もぜひ。
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