常識と言う物、そしてステータスシンボルと言う物をプッチンプリンで語る

まあ、タイトルは名ばかりの馬鹿話でございます。
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M-鈴木 甲28 @kapitan_black

価値観は移ろいやすく、ステータスなぞその波に翻弄される木の葉に過ぎない。手作りが持て囃されるが、それは成熟した工業技術製品がまさしく製品を安定して同じモノを大量に生み出し得る事の裏返しに過ぎないのだが、こんな話をしてもつまらないのでアプローチを変えてみよう

2012-06-20 17:21:30
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

皆様、プッチンプリンは良くご存知の事と思う。あれは樹脂突起を折り取る事で容器底面に空気が入る経路が生じ、プリンが容器から自然落下してくれると言う偉大なる発明なのだが、その背景となる条件は、実は生易しい物ではない。はっきりと言って、厳しい。

2012-06-20 17:26:50
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

まず、原油=炭化水素系資源が豊富かつ安価に入手できる事。その精製化合技術が安定し、食品(それも初期段階ではそこそこの温度の)を長期間保存しても有害な成分が析出しない事。成形時の離剥剤や機器の接触部に無害な潤滑油を使用でき、ランナーなどの異物が混入しないシステムやチェック体制構築

2012-06-20 17:32:40
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

採算の合う薄肉成形技術、容器の輸送管理、強度、突起の寸法挙動管理やテスト、樹脂材料成分管理に保管や湿度管理に機器温度管理、容器一つに何たる高度な技術が投入されている事か?

2012-06-20 17:35:56
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

さて、ここで1つ仮定してみよう。石油化学製品が極めて高価で、紙の耐熱性のある防水加工手段が無かった場合、プリンの容器はどうなるだろうか?

2012-06-20 17:38:21
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

この場合、安価な普及食品としてのプリンこそがターゲットである。すると、瀬戸物かガラス、叉は樹脂製容器で作り、温度低下硬化後、紙製容器に移して販売流通ルートに乗せる事になるだろう。作成容器底面には弁(叉はネジなど)があり、空気穴を開閉可能とする高価なものだ。

2012-06-20 17:44:04
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

たんなる防水紙製容器では型くずれし易く、防止するにはハニカム構造で外を強化した紙製容器が考えられる。しかしそれは作成容器との形状差から型くずれの危険をはらみ、そもそも複雑な形状は実現しがたい。

2012-06-20 17:47:17
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

底面の空気穴が「破る」ミシン目加工で比較的容易なのとは対照的に、プリン自体の維持は難しく、恐らくは「カラメルシロップ」の質的変化を伴う飛躍の到来を待つ事になろう。

2012-06-20 17:50:48
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

それは如何なるものか?本来のカラメルシロップとは似て非なるゼリー状の粘性の高い液体で、予め紙製の容器に入れておき、プリンを収納すると容器全体に広がって容器とプリンの間を埋める事で、型崩れを防止する。

2012-06-20 20:03:51
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

こうしたものが一般化し、安価なプリンは容器から取り出すと、ほぼ全体を「カラメルシロップ」(とみんなが認識する代物)で覆われた物であるとの「常識」が横行する。 その結果、高級品はプリン頂部にのみカラメルシロップが載っている物で、安物は全体を覆っているとの識別が一般化するのである。

2012-06-20 20:04:09
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

本来のプリンが型の内部でカラメルシロップと一体化する事を前提とするものでは無いと言う歴史的事実は消滅し、結果として「高級品」として製造されるプリンは、世間のイメージに合わせて、シロップを「かける」行為を避け、頂部にのみ固定する手段を模索する事にさえ陥る。

2012-06-20 20:07:06
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

斯様に、容器の材質上の条件が変わるだけで、高級品のイメージの代表要素が変貌し、それが横行する事で本来あるべき姿から乖離した識」に沿った「ステータスシンボル」が出現するのだ。流石は物作りに長けた日本。暴走する方向も半端ない。

2012-06-20 20:10:00
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

これが単なる笑い話だといいんだけどね?

2012-06-20 20:10:33