ヨウカイスレイヤー第二話「ネオシラタマ炎上」#1

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ヨウカイスレイヤー・第二話「ネオシラタマ炎上#1」

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俗世から切り離された世界、ネオゲンソウキョウにも四季がある。だが、今年は違った。鈍色の空からは絶えず雪が降り、雲が切れることがない。 1

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ゲンソウキョウの片隅、ハクレイ・シュラインの主、ハクレイ・レイムもまたこの異常気象に悩まされていた。参拝客が来ないのだ。必死でチャドー呼吸を試みるが、空腹は紛れない。ブッダ！このままでは死ぬ！「……ヌゥーッ……」 2

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だが、そこに来客あり！手に土鍋を持ったタカギ・マリサと、大量の食料を持ったルームキーパーことイザヨイ・サクヤだ！おお、巫女の顔に生気が戻って行く！ブッダも照覧あれ！ 3

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鍋を平らげ、一息ついたレイムに、タカギ・マリサが話しかける。「しかし、いつまでたっても寒いな。ヨウカイスレイヤー=サン」「……ああ」「また異変か……苦労するな」「構わぬ。ヨウカイ殺すべし」 4

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「我が主、レミリア=サンも外に出れぬと嘆いておられる……今回は手を貸すわ、ヨウカイスレイヤー=サン」以前死闘を繰り広げたイザヨイ・サクヤも、主レミリアと共にハクレイ・シュラインを訪れるようになっていた。 5

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このように、ヨウカイスレイヤーことハクレイ・レイムの回りにはヨウカイとヨウカイめいた人間が集まる。それが彼女の生来の特性であり、また頭痛のタネでもあった。 6

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「行こうぜ、ヨウカイスレイヤー=サン。異変を終わらせるんだ」「うむ。参拝客を遠のけ、私を餓死させようとした異変の主を、惨たらしく殺して、晒す。ヨウカイ殺すべし。慈悲は無い」「……オイオイ……」彼女は狂っていた。 7

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「鍋の食材分は働いてもらうわよ」「……ああ」「ところで、心当たりはあるのかね？サクヤ=サン」「『光る雲を突き抜け実際彼方へ』。ミヤモト・マサシの言葉通り、寒さの元凶に近づきましょう」 8

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「同じ方向に向かうより、手分けするほうがよさそうだな。範囲が実際広すぎる」「そうだな」「一理あるわね」「じゃあ、各自出発だな。ヤバイ凶運が動き出すぜ！」 9

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「もう00010ぐです0011100=サン、100010ぐ桜を000010011001」 11

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「さて、早いところ黒幕を見つけ出し、我が主レミリア=サンに捧げねば」瀟洒なルームキーパー、イザヨイ・サクヤは一人つぶやき、即座にナイフを構えた！ヨウカイの気配を感じとった彼女の、本能的なワザマエである！ 13

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「カンヌシはオチョコを振りかざし地を打った……」チルノは臆することなく翼をはためかせ、一歩も動かずカエル目掛けて氷弾を射出！「……するとビールが舞い上がり、カンヌシはサケを五度飲んだ」「……狂人ね、放っておきましょう」彼女は⑨であった。 14

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「クロマク！」気を取られたイザヨイ・サクヤに向かい、雪の形をした弾が襲いかかった！アンブッシュである！「イヤーッ！」間一髪で回避！もし被弾していれば、彼女は冷凍ネギトロめいた死体に変わっていただろう！サツバツ！ 15

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「ドーモ、はじめまして。レティ・ホワイトロックです」「ドーモ、イザヨイ・サクヤです。貴様が黒幕ね、その掛け声に表れているわ」「黒幕と言っても、普通よ」「我が主、レミリア=サンは終わらぬ冬にお怒りだ。黒幕だろうが普通だろうが、障害は取り除く」 16

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「イヤーッ！」チャブめいた弾幕が飛び交う！「どう、私のテーブルターニング・ジツは？」「……テーブルターニングはチャブではない！イヤーッ！」イザヨイ・サクヤのツッコミはナイフのように怜悧、そして降る雪よりも冷たい！「グワーッ！」精神を乱されたレティが苦しむ！ 17

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「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！サ、サヨナラ！」大量のナイフ・ダートの直撃に耐えきれず、レティの結界は爆発四散！「黒幕にしては弱敵に過ぎぬ。早く次の黒幕を探さねば」彼女の声が響き渡る。そして誰もいなくなった。 18

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ヨウカイスレイヤー第二話「ネオシラタマ炎上」 #1終わり #2に続く