ヨウカイスレイヤー第二話「ネオシラタマ炎上」#6

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YOUKAISLAYER @YKSLYR

ヨウカイスレイヤー・第二話「ネオシラタマ炎上」#6

2012-07-14 21:45:50
YOUKAISLAYER @YKSLYR

(あらすじ:雲の上の結界前で遭遇した、ユーレイ楽団ことプリズムリバー姉妹。彼女たちのジツを打ち破り、三人の人間たちは冥界・ネオシラタマに突入した。)

2012-07-14 21:46:19
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(そこに広がるは、いまだ吹雪が止まぬ地上とはうってかわって、桜が一面に咲き誇る壮大な庭であった!果たして、春を独占せんとす相手の正体とは?)

2012-07-14 21:47:03
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「にわかには信じられないわね、この光景……」サクヤが珍しく呆気にとられた表情をする。「サクヤ=サンでさえ信じられないんだから、私が信じられるわけないぜ」マリサもそれに同調する。 1

2012-07-14 21:47:43
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「ああ、桜が1001100麗0011111000001」「ヨウカイスレイヤー=サン!?」突如、桜を眺めるヨウカイスレイヤー、ハクレイ・レイムの姿が0と1に還元され始めた!「イヤーッ!」マリサは手を伸ばすが、その手は無情にもレイムの体をすり抜ける! 2

2012-07-14 21:48:24
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「00001101000……」程無くして、レイムはネオシラタマから姿を消した。「オイオイオイオイ……冗談だろ、ヨウカイスレイヤー=サン……!」マリサは一瞬遅れた自分の判断、反応を悔やむ!だが、その時!「……000001010」 3

2012-07-14 21:50:43
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突然、空間に大量の目玉を宿す歪みが現れる!それはぐにゃぐにゃと形を変え……金髪の少女の姿になった!その少女は、残された二人に先手を取ってアイサツする。「ドーモ、タカギ・マリサ=サン、イザヨイ・サクヤ=サン。ヤクモ・ユカリです」 4

2012-07-14 21:51:15
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「ドーモ、ヤクモ・ユカリ=サン。タカギ・マリサです」見た目からは想像もつかない凄まじい威圧感を放つその少女に、マリサは震えながらアイサツする。「……アンタ、一体?」「いえ、ヨウカイスレイヤー=サンをしばらく借りるアイサツをしにきただけよ」 5

2012-07-14 21:52:15
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「借りるって……アイツが何をしたんだ?」「私が冬眠中のところに家に押し入り、私の式神の式に暴行。チャワンを略奪したわ」「……オイオイ、なんだ。インガオホーかよ」「私の式神がたいそうお怒りで、決着をつけたいらしいの。本来式は怒りに身を任せてはいけないのだけれど」 6

2012-07-14 21:52:54
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ユカリはさらに話を切り出した。「あと、お願いがひとつあるわ」「ドーモ、ヤクモ・ユカリ=サン。イザヨイ・サクヤです。お願いとは?」サクヤも話に加わる。「今回の異変を起こしたのは私の旧友よ。ヨウカイである私の力では彼女を止められない……暴走させてしまう」ユカリは悔しそうに呟いた。 7

2012-07-14 21:53:37
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「彼女はネオゲンソウキョウ中の春を集め、このネオシラタマにある咲かない桜『サイギョウ・アヤカシ』を咲かせようとしている」「サイギョウ・アヤカシ……本で読んだ気がするな。なんでも、莫大な力を秘めた桜だと聞くぜ」「私の旧友は、その下に埋まっている……ユーレイなのよ」 8

2012-07-14 21:55:19
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「つまり、桜が咲くとそいつの力が解放されるのか?何かしら、ヤバイ級の」「正解よ。理解が早いわね」「ところで、だ。アンタの話、信じていいのか?どうにも胡散臭いぜ」「私が旧友と共謀していたら、ということ?」ユカリが不気味に微笑む。 9

2012-07-14 21:57:37
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「仮にそんなことがあれば」ユカリが手に持った扇子を振った。直後、何もないはずの空間に奇妙なスキマが開く!大量の目玉がサクヤとマリサをぎょろりと凝視!コワイ!「このスキマアナ・ジツでアンブッシュすればいいだけのこと」 10

2012-07-14 21:58:16
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「それは……どこに繋がっているの?」サクヤが問いかける。「私の匙次第。出てみたら、ああっと驚き石の中、なんてことも可能よ。死体も上がらないわ」「……そんな悪趣味なテレポーターはごめんだぜ」マリサが青ざめた顔で呟く。 11

2012-07-14 21:59:07
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「だから、ヨウカイスレイヤー=サンを借りるかわりに、貴女たちに与えられる限りの情報は与えるわ。」ユカリは真意の見えない笑顔で微笑んだ。「私の旧友……サイギョウジ・ユユコを止めてもらうためにね」 12

2012-07-14 22:00:04
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「……ロード。鼠が2匹、このネオシラタマに潜入した模様。いかがなさいますか」銀髪の少女が、ロードと呼ばれた女性に話しかける。彼女はフートンに入ったまま動かない。その両の目は固く閉じられている。 14

2012-07-14 22:02:17
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「わかりました……排除します」「ヨウム=サン……ヨウム=サン……」「ご安心ください、ロード……いえ、ユユコ=サンの快復を邪魔する鼠は、必ずや私が駆逐いたします。それでは、行って参ります」 15

2012-07-14 22:03:13
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銀髪の少女……コンパク・ヨウムは、決意を込めて病床のユユコに背を向け、立ち上がった。ゆえに、彼女の目から流れた一筋の涙に、気付くことはなかった。 16

2012-07-14 22:04:04
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「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」マリサとサクヤは、クローン毛玉の群れを撃破しながら、ネオシラタマの中央、ハクギョクローに続くスゴイヒロイニワの階段を飛行していた。 18

2012-07-14 22:06:28
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「桜並木に毛玉の群れか……情緒も何もないぜ」「それはそれで風情があるわ」「……そうか?」サクヤとの美的センスのズレに、マリサは首をかしげた。「さて。そろそろ何か出てきてもいいころね。私なら主を守るために、階段の中腹ぐらいで迎え撃つわ」 19

2012-07-14 22:08:15
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「なるほど、それは一理ある。霊かと思えば生きた人間だったか。道理でみんなが騒がしいわけだ」「!?」ハクギョクローに響き渡る声に、二人はアンブッシュを警戒する。だが、その気配はない。サクヤが冷たく言い放つ。「出てきな」 20

2012-07-14 22:11:41
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「言われずとも。ドーモ、コンパク・ヨウムです」その銀髪の少女は、二本の刀を構えてアイサツした。「ドーモ、ヨウム=サン。タカギ・マリサです」「ドーモ、ヨウム=サン。イザヨイ・サクヤです」二人もアイサツを返す。 21

2012-07-14 22:18:02
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「このハクギョクローに生きた人間が来るとは……それ自体が死のはずなのだが」「残念だが、私はまだ生きてるぜ?」「私もよ」「自力で結界を越えてくるとは……正気とは思えぬ」 22

2012-07-14 22:24:16