ヨウカイスレイヤー第二話「ネオシラタマ炎上」#2
(あらすじ:明けない冬によってかは不確かだが、参拝客の枯渇により餓死寸前だったヨウカイスレイヤーこと、ハクレイ・レイム。彼女を救ったのは、友人たちの温かい鍋であった!)
2012-06-17 08:47:02(コウマカンの瀟洒なルームキーパー、イザヨイ・サクヤが自称黒幕を倒し、タカギ・マリサが怪しげな森を見つけたころ、ハクレイ・レイムは鍋をゾスーイ(訳註:雑炊)にしていた!ヨウカイ退治のために、今は食え!ヨウカイスレイヤー!)
2012-06-17 08:47:32「………ここは?」異変を解決すべく旅立ったハクレイ・レイム……またの名をヨウカイスレイヤーは、怪しげな猫を追いかけるうち、見知らぬ村に迷い込んでしまっていた。 1
2012-06-17 08:48:58(((道に迷うなど!レイムのバカ!ウカツ!)))かつて彼女を乗せて飛び、今は彼女のニューロンに宿る空飛ぶ亀・ゲンジイがレイムを叱責する!「黙れゲンジイ!」 2
2012-06-17 08:49:30(((だが、この場所……レイムよ、ここはマヨヒガかもしれぬ)))「マヨヒガ……?」マヨヒガとは、トオノ・ストーリーの一節にも描かれている、旅人が迷い込むと言われる幻の村である。 3
2012-06-17 08:50:14(((ここにあるモノを持ち帰れば、財を成すと聞くぞ)))刹那、彼女のニューロンを暗黒記憶が駆け抜ける!『食事が実際無い』『激しく三食を抜く』『ほとんど餓死行為』『賽銭箱にレシート一枚』『インガオホー』「……グワーッ!空腹グワーッ!!」(((レイム!?何事だ!?))) 4
2012-06-17 08:50:44「チャワンを!持ち帰る!カケラは、ダメッ!」ナムサン!レイムは長い飢えの記憶にニューロンを汚染されていたのだ!おお、ブッダ!寝ているのですか!?(((落ち着けレイム!思考がポンコツめいておる!))) 5
2012-06-17 08:51:45「スゥーッ!ハァーッ!スゥーッ!ハァーッ!」懸命のチャドー呼吸により、ハクレイ・レイムは正気を取り戻した。「すまぬ……ゲンジイ。……取り乱した」(((なんたる……聞いているこちらも悲しいわ……))) 6
2012-06-17 08:53:21「早めにマヨヒガを抜けねばならぬ。この冬を一刻も早く終わらせ、参拝客を取り戻す」(((ふむ……気づかぬのかレイムよ……。猫の気配を感じるぞ……)))「!」 7
2012-06-17 08:54:45ヤクモ・ヨウカイクランのアプレンティス、チェンは突然の来訪者に焦りを隠せない。目の前に現れた巫女は、確かにヨウカイスレイヤーと名乗った。ネオゲンソウキョウの死神が、なぜこんなところに? 9
2012-06-17 08:58:27慌ててチェンはアイサツを返す。「ドーモ、チェンです、ヨウカイスレイヤー=サン。ここはマヨヒガ。残念だが迷い家からは出られないわ」「ここにあるものを持ち帰れば幸せになれると聞いたが」「なれるわよ。だがお前は出られぬから!」 10
2012-06-17 09:03:08「わかった。オヌシを殺し、軽くて手頃な日用品を奪い、マヨヒガから脱出する。慈悲はない」「……エッ?」「イヤーッ!」容赦の無いタタミ針めいたショットが、チェンの結界に突き刺さる!「アイエエエ!?」 11
2012-06-17 09:03:44「食らえ、ヒショウイダテン・ジツ!捉えられまい!イヤーッ!」その名の通り、イダテンめいたスピードのダンマクがヨウカイスレイヤーに襲いかかる!「イヤーッ!」ヨウカイスレイヤーは難なく回避し、タタミ針ショットを投擲! 12
2012-06-17 09:10:37「グワーッ!」命中!チェンの結界が半壊する!「バカな……私のジツが、なぜこうも簡単に!?」「オヌシの攻撃は派手だが単調。サンシタの考えそうな、見た目だけのジツは役に立たぬ!イヤーッ!」「グワーッ!」チェンの結界は崩壊寸前だ! 13
2012-06-17 09:13:08「チャワンを出せ、さもなくばハイクを読め」巫女の目に、ジゴクめいた薄紅の光が灯る!コワイ!「……アッハイ、出します……」チェンはその威圧感に負け、チャワンを差し出した!ナムアミダブツ!なんたるマッポーめいた光景か! 14
2012-06-17 09:15:52「何!?」チャワンを持ったレイムを、目玉に包まれた謎のスキマが包む!これは一体いかなるジツか!?そのスキマは、容赦なく彼女の体を飲み込んでいく! 16
2012-06-17 09:20:33「オヌ00001001体1000111001これ00111100」「私の式の式をここまで痛め付けるなんて……まあ、そのワザマエに免じて、今回は見逃してあげる」「00000100000111」レイムの体が、なすすべなく0と1に分解されて行く! 17
2012-06-17 09:21:17「異変を解00111001、また000001000度1000111相手00110101100るわ」スキマに飲まれてゆくレイムは、一瞬だけ見えた相手の姿をニューロンに焼き付けた。その体に年格好に似つかわぬ強者の風格を備えた、金髪の少女。 18
2012-06-17 09:23:01「………ここは、どこだ?」気が付いたレイムは、あたりを見渡す。足元にはどこまでも広がる雲。春めいた陽気。あのスキマに飲まれ、彼女はいつのまにかサンズ・リバーを渡ってしまったのか? 20
2012-06-17 09:27:57(((気付いたかレイム……ここはネオゲンソウキョウの雲の上よ。だが、あのヨウカイの、なんと凄まじい気ぞ……)))ニューロンのゲンジイがレイムに呟く。「ああ。だが、今は異変を解決するのが先だ。いずれ必ず倒す。ヨウカイ殺すべし」 21
2012-06-17 09:29:23そこへ、大量のクローン毛玉がレイム目掛けて襲いかかった!「スッゾコラー!」だが、レイムは狼狽えず追尾ザ・フートンを投擲!「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」毛玉たちは爆発四散! 22
2012-06-17 09:31:09