概算能力について

概算能力について
0
medtoolz @medtoolz

少ない予算から予算以上の成果を生み出せる人はけっこういる。ところがたくさんの予算から予算なりの成果を生み出せる人になると、その数は大幅に減ってくる

2012-06-23 07:53:54
medtoolz @medtoolz

やりくりする能力と、大人数や大予算をその大きさなりに使ってみせる能力とは、求められるものがずいぶん違ってくる。手術用のメス刃がチェーンソーの代替にならないのは当たり前といえば当たり前なのだけれど、後者の能力って、どうやって身につければいいのか

2012-06-23 08:03:56
medtoolz @medtoolz

マイクロソフトにしても、Google にしても、独特の面接として紹介されるエピソードはたいていフェルミ推定で、ああいう概算の能力が、大きなものを大きさなりに使いこなす上での基礎になるのだろうけれど。

2012-06-23 08:05:14
medtoolz @medtoolz

なにか大きな事象に遭遇して、同じベクトルの最悪と、自分が見知った他の事例とを引きあわせ、今度の事例がどの程度のものなのかを概算する。見知った事例と概算との距離をさらに概算して、対策に必要な予算や人員を推定する。原子炉技術者の人がこの間どこかでやってた

2012-06-23 08:09:19
medtoolz @medtoolz

ああいう概算能力みたいなものこそが、大きなものを相手にする仕事をする人には最も求められるものであって、そういう意味で、今政治やってる人の中で、誰がこれをできるのか

2012-06-23 08:10:06
medtoolz @medtoolz

田中角栄の選挙第一声、「あの山削っちゃいましょう。余った土は海に入れて佐渡ヶ島とつなぎましょう。山がなくなれば雪は全部関東の方にいく。新潟の耕作可能免責は飛躍的にひろがる」というあれは、ほんとうに見事な概算だと思う。無茶苦茶なのに、風景がありありと見えるというか

2012-06-23 08:11:19
medtoolz @medtoolz

「現実を見てリアルに考える」ことと、概算を放棄して、認識可能な細かい数字のみで手に負えない大きさのものを語って見せようとするのと、ぜんぜん違う。できないって言えないからしょうがないにせよ、「私は現実がみえる」という論は、「私は能力が足りません」とだいたい等しくて

2012-06-23 08:12:46
medtoolz @medtoolz

消費税の論議にしても、そういう「山削っちゃいましょう。そうすれば」的なお話が出てこない。「そうすれば」を、それがよしんば妄想であっても、不思議なリアルと一緒に物語ることができれば、山を削る話を聞く人も、受け止め方が全然違ってくるものなのに

2012-06-23 08:14:35
medtoolz @medtoolz

ちょっとしたビルを建てようと思ったら、鉄骨と重機がなければ話しにならない。真面目を全面に出す人は、レンガは積むと高くなるという観察にすがる。「一生懸命やれば、レンガを積んでもビルは建つ」といったりする。建築の知識がない人でも、それは無理だとわかるから、話に説得力が生まれない。

2012-06-23 08:18:09
medtoolz @medtoolz

原発再稼働のあれも、概算の話がぜんぜん聞こえてこないのがおっかない。ぶっ飛んだものを指さして、「まじめにやってます。大丈夫です信じてください」と言われたって、信じられるわけがない。「今度吹き飛んだときのためにこういう避難計画を設定しました。準備はできています」がせめてほしい

2012-06-23 08:59:32
medtoolz @medtoolz

ビルが崩れて、崩れたビルを目の前にして、大工さんがきれいにレンガを積む練習をどれだけやってみせたところで、その人に次のビルを頼む人はいない。「見て下さい。ミクロン単位の制度です。信じて下さい」なんて大工さんが胸張ったら、「仕事、向いてないと思いますよ」なんて言いたくもなる

2012-06-23 09:01:04
medtoolz @medtoolz

概算できない人が上司になると、部下の技量をレンガの積み方で評価するようになる。必要なのがビルであっても、上司に図面を読む能力がなかったら、「お前、ここに来てレンが積んでみせろ。ほら1ミリもずれている。たるんでいる」なんて部下をしかる。こういうのが連鎖すると組織が死ぬ

2012-06-23 09:03:18
medtoolz @medtoolz

個人ではなく、組織の概算能力みたいなものは、恐らくはその組織が長く続くほどに、一方向的にどんどん落ちていく。ビルを作る人達が家を作るのも難しく、ブロック塀を積める人しか残らず、最終的に誰もが「素晴らしいレンガ積み」の達人になって、その組織にビルを頼む人がいなくなる

2012-06-23 09:04:51
medtoolz @medtoolz

戦争と平和というのも、対立する2つの考えかたと言うよりは、ドーナツ状の領域が戦争、ドーナツの穴に相当する「戦争でない状態」が暫定的な平和、という関係なんだろうと思う。今たまたまドーナツの穴のどこかにいるだけで。平和の中心があるわけではなく

2012-06-23 09:08:07
medtoolz @medtoolz

でも、ブッ飛ばないリアクターを作るのは専門家の仕事で、リアクターがブッ飛ぶ前提で予算組んだり避難計画を策定したり、その計画に必要なインフラを整備するのが政府の仕事で、政府が安全に首突っ込んでどうするんだよとは思う

2012-06-23 09:11:39
medtoolz @medtoolz

でもそういう意味で、「土建屋が政治屋になる」という大昔のありかたは、あれはあれで正解だったような気もする

2012-06-23 09:33:03