「走れエロス」

川原慶久・著
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川原慶久 @Canopus_072

エロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のモザイクを除かなければならぬと決意した。エロスには難しいことがわからぬ。エロスは、重度のネット中毒者である。ホラを吹き、ゲームで遊んで暮して来た。けれども何処とは言えぬが、人一倍に敏感であった。

2012-06-25 22:10:43
川原慶久 @Canopus_072

きょう未明エロスは村を出発し、電車を乗り継ぎ、大分はなれた此の秋葉原の市にやって来た。エロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な脳内の妹と二人暮しだ。この妹は、お兄ちゃんを大好きな設定で、これからも、ずっと一緒に暮らしていく事になっていた。ある意味 末期なのである。

2012-06-25 22:18:24
川原慶久 @Canopus_072

@oosuka_jun 普通に走れエロスのつもりだったw

2012-06-25 22:20:35
川原慶久 @Canopus_072

何で皆 続きを求めてるんだよ!

2012-06-25 22:25:11
川原慶久 @Canopus_072

エロスはそれゆえ、脳内妹を保管する資料を買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから歩行者天国をぶらぶら歩いた。エロスには竹馬の友があった。セクスンティウス(PN)である。今は此の秋葉原の市で、同人を売ってる。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。

2012-06-25 22:30:58
川原慶久 @Canopus_072

久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにエロスは、街の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、街の暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、秋葉全体が、やけに寂しい。

2012-06-25 22:33:16
川原慶久 @Canopus_072

のんきなエロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った客引きのメイドをつかまえて、何かあったのか、二年まえに秋葉の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、場合によっては踊りも踊ってた筈(はず)だが、と質問した。

2012-06-25 22:35:32
川原慶久 @Canopus_072

メイドは、首を振って答えなかった。しばらく歩いてコスプレの老爺(ろうや)に逢い、こんどは意図的に語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。エロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。 「万世橋の警官は、すぐに補導します。」

2012-06-25 22:37:59
川原慶久 @Canopus_072

流石にこの辺で止めとく。あと読み直したら間違ってたけど、『保管>補完』ね。

2012-06-25 22:40:35
川原慶久 @Canopus_072

続きは各自『走れメロス』を読みながら勝手に考えて下さい(苦笑)

2012-06-25 22:44:25
川原慶久 @Canopus_072

太宰様の『走れメロス』は青空文庫にもあるし、気楽に読めるはずですよ♪ 桜桃忌のすぐ後に済みませんでした。(真顔)

2012-06-25 22:53:19
川原慶久 @Canopus_072

なんだと……おい。つか、完結まで書くの明らかに大変じゃないか! RT @honda_mosamosa やめた!!ひどい!楽しみにしてたのに!

2012-06-26 00:00:21
川原慶久 @Canopus_072

んじゃ、エロスは少しずつ辻褄合わせをしつつ、少しずつ進めてみます。本多さんが頼むので。(本当に望んでるのか謎だが)

2012-06-26 00:14:41
川原慶久 @Canopus_072

「なぜ補導するのだ。」「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」「たくさん補導したのか。」

2012-06-26 00:20:06
川原慶久 @Canopus_072

「はい、はじめは謎のCD-Rを売る商人を。それから、ホコ天で演奏する者を。それから、それに合わせて踊る者を。それから、コスプレイヤーを。それから、リュックを背負ったハチマキの男を。」 「最初はともかく、おどろいた。官憲は乱心か。」

2012-06-26 00:24:57
川原慶久 @Canopus_072

「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、街の自治をも、お疑いになり、少しでも派手な格好をしている者には、カバンの中身を確認させろと命じて居ります。御命令を拒めば万世橋に連行され、社会的に殺されます。きょうは、六人殺されました。」

2012-06-26 00:25:55
川原慶久 @Canopus_072

聞いて、エロスは激怒した。「呆れた組織だ。生かしておけぬ!」エロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったまま(リュック)で、ボソボソ呟きながらホコ天を歩いていった。たちまち彼は、巡邏の警官に補導された。

2012-06-26 00:31:39
川原慶久 @Canopus_072

調べられて、エロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。(名前以外 原文まま)

2012-06-26 00:31:50
川原慶久 @Canopus_072

(正直、これがオチで良いんじゃないかと思いつつ……終わるにせよ、続くにせよ、今日はここまで)

2012-06-26 00:34:26
川原慶久 @Canopus_072

普通にメロス読み返したけど、オチ着ける自信ねぇわ。

2012-06-26 01:35:28
川原慶久 @Canopus_072

深夜更新 『走れエロス』 (この話しは太宰治のパロディであり、特定の人物・組織を貶める目的で書かれたものでありません。)

2012-06-26 02:01:48
川原慶久 @Canopus_072

[12] エロスは、万世橋警察署に連行された。 「この短刀(カッターナイフ)で何をするつもりであったか。言え!」 官憲オマポリスは静かに、けれども威厳をもって問いつめた。その官憲の顔は日に焼け、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。

2012-06-26 02:08:17
川原慶久 @Canopus_072

[13]「――、秋葉原を官憲の手から救うのだ。」とエロスは目を逸らしつつ答えた。 「正気か?」官憲は、憫笑した。「仕方の無いやつだ。おまえには、我らの焦燥がわからぬ。」 「わからん!」とエロスは、恥ずかし気もなく反駁した。

2012-06-26 02:09:50
川原慶久 @Canopus_072

[14] 「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。官憲は、オタクの生活全般をさえ疑って居られる。」

2012-06-26 02:11:41