佐藤可士和『佐藤可士和の超整理術』書評
佐藤可士和「佐藤可士和の超整理術」を読みました〜ので感想をつぶやいていきます。以前佐藤さんのプロデュースした作品集を読んで、興味を持ったわけですが・・・
2012-06-28 11:43:04その作品集を見て、「ああ!このデザインをした人なのか!」と。例えばユニクロのロゴをはじめとするUTデザイン。今回の読んだ作中にもどのような過程でそのデザインに至ったか書かれているのが興味深い。
2012-06-28 11:46:49佐藤氏はまえがきに、常時進行しているプロジェクト案件は30ほど(!)あるのだけれど、整理術を磨くことでさらにスキルアップできるとおっしゃっており、本人にとって整理とは「爽快感」、「何よりもエンタテインメント」とのこと。
2012-06-28 11:55:19佐藤氏はそしてアートディレクターというのはドクターであると前置きし、クライアントとの問診で、何を求めているかの本質をつかんでいる。とのことで、インスピレーションで作ってます、な芸術肌の方かと思いきや、理論立てて進めていく方なのだなという認識をしました。
2012-06-28 12:01:45そして彼はアイデアは尽きることが無く、それは「答えはいつも、自分ではなく相手のなかにあるから」で、「それを引き出すために、相手の思いを整理すること」が重要だと述べてありました。
2012-06-28 12:08:35以降、数点の案件を例として、相手の思いを引き出す大切さを作品とともに語られており、ビールのデザインから病院のプロデュースまで多岐にわたる活躍をされているのだなと改めて感じ入りました。
2012-06-28 12:13:05その中で佐藤氏は3段階の整理を行っていくことで問題の本質に対処できると述べられており、それは「状況把握」「視点導入」「課題設定」で進めていくとあります。
2012-06-28 12:21:581.状況把握:対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る。人間の感覚を駆使してじっくりと相手の思う本質を把握していくこと。
2012-06-28 12:30:263.課題設定:問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。本質がポジティブなら磨いて光らせる。ネガティブなら発想の転換でマイナスからプラスへ魅力を引き出す。
2012-06-28 12:37:20例にもある、発泡酒のイメージ。”コクが足りない”を”ライトで爽やかな飲み口”に転換したところ。今ではその認識で私も捉えていますが、その発想をはじめて打ち出したのは凄い。
2012-06-28 12:43:29それから彼は、具体的に3つの整理術を提示しています。先ほどの3段階にそれぞれ「空間の整理術」「情報の整理術」「思考の整理術」を施すことで、問題をクリアしていくのです。
2012-06-28 12:49:241.「空間」の整理術:プライオリティ(優先順位)をつける。必要なものであるか、そうでないかを徹底し、それがリスク回避にもつながると佐藤氏。
2012-06-28 12:51:30これは仕事だけでなく実生活でも大事だと思います。私も先日充電器が壊れたとき、保証書は残していたのに、レシートは紛失し、保証期間なのに泣き寝入りをした覚えがあります。・・・と逸れてしまいました。
2012-06-28 12:55:13身近なネットの中からでも視点を養うことができると佐藤氏は語っており、日々何事においても、ぱっと見て流していくのではなく、じっと向き合っていくことで新たな発見ができるのだなと、これは心がけていきたいことだと思いました。
2012-06-28 13:02:38特に佐藤氏は考えを言語化するのがうまいように思われます。「潔いケータイ」や「リハビリテーション・リゾート」といった、聞き慣れない言葉の組み合わせの巧みなこと。
2012-06-28 14:37:01実践していくのは意識をすれば至極簡単で明快なことですが、果たして佐藤氏の様に身につけてそれを結果に結実させることができるか。「手のうちは晒したぞ、さて君は?」と叱咤してくれているような一冊でした。
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