twnovelのまとめ(2012/6/22-29)自分用

銭喰 @zeniqui

#twnovel 厚底ブーツはもう古い！テレビもケータイも今は薄型、今年の流行は薄底ブーツ!!こんなに薄くて大丈夫？大丈夫！丈夫で柔軟な新型合成皮革に、靴底はプロも認める一級品質。二股に別れた爪先のオシャレ感は時代を先獲るアナタだけのものです！「…ナニコレ」「地下足袋の広告だよ」

銭喰 @zeniqui

#twnovel 『お父さんはいつも土下座をしています』家庭訪問でこの作文について母親に問い質すと、彼女は苦笑して奥の間を開けた。「ごめんなさい、死んでごめんなさい！」血まみれの男性が土下座をしている。「事故で死んでからずっとこうなんですよ。もう成仏してほしいんですけどネ」 #百

銭喰 @zeniqui

#twnovel ノートより綺麗に清書された五十音が並ぶ紙を溜め息と一緒に丸め捨て、弁当を広げた。まったく、女子生徒というのは流行りに敏いくせこういう古くさいオマジナイも好きだから分からない。「あら先生、またいなり寿司ですか？」「ええ…こん、こん」咳が出る。風邪を引いたかな #百

銭喰 @zeniqui

#twnovel 陽炎揺れる田舎道に一軒の駄菓子屋を見つけた。飴やガム、玩具が並ぶ店内には寝こける店主の婆と日焼けた少年。ポケットに伸びた小さな拳を、掴まえた。「こら」驚き怯えた瞳を見て、こちらも驚く。「…もうするなよ」手を放すと少年は駆け逃げた。そう言えばこんなことも、あったな

銭喰 @zeniqui

#twnovel 殺し屋と揶揄される男がいた。本当に人を殺すわけではない。難事件が発生すると無茶苦茶な言い掛かりで事件の関係者を犯人に仕立て上げ、自殺に追い込んで"解決"する彼の手口を、良識ある官憲や事情通は不快感と畏怖を込めてそう呼んでいた。ただ世間は彼を、名探偵と褒め称えた。

銭喰 @zeniqui

#twnovel スケブラ占いを始めてみた。水玉の日はLuckyDay。黒なら明日は良いことあるかもね。…なっ、なんだ君たちは！ぼかぁただ前に立っている女子校生の肩に掛けた鞄からはみ出たスケッチブックのラベルを眺めていただけだぞ、けしてその先うっすら汗で透けた背中なんて見てない！

銭喰 @zeniqui

#twnovel 朝刊を取りに出ると、長官がポストに挟まっていた。「助けよ」引き抜こうと力を込めるが、尖ったアゴヒゲとクチヒゲが引っ掛かる。「痛い痛い痛い、機密話すから助けて下さい…」しばし考えて、逆に押し込み事なきを得た。それにしても、昨夕挟まっていた勇敢な曹長とはエライ違いだ

銭喰 @zeniqui

おはようございます 9文字のツイート、 131文字の余白。 余白には、 今日一日の物語。 131文字で紡がれる、 #twnovel

銭喰 @zeniqui

#twnovel ウサギを一羽二羽と数えるのは、その昔彼らには翼が生えていたからだ。素早い脚に臆病ゆえ明晰な頭脳と多くの知識を取り入れる大きな耳。そこに大空を制す翼もあったウサギを人は畏れて、鮫をけしかけ翼を奪わせ、ウサギの権力者を月に追放した。今夜も彼らは、月から我々を見ている

銭喰 @zeniqui

#twnovel 「ほう締め切りを守らせるのが得意と？」○×出版の中途採用面接で、一人の男に注目が集まった。「はい、前職の経験から分刻みのスケジュール管理と締め切り時に押し込むのは得意です！」かくて採用された男は言葉通りの能力で、落ちた時の処理も手早かった。彼の前職は、駅員だった

銭喰 @zeniqui

にわか雨から逃げ込んだバス停には、先客がいた #この書き出しいかがですか

水城とびる @tobiru_m

にわか雨から逃げ込んだバス停には、先客がいた。椅子にどっしりと陣取ったまま動こうとせず、雨宿り客を一瞥してただ、にゃあ、と一声かけるのみ。雨はとっくにあがったけれど、もうちょっとだけ、ご一緒させてもらうとしよう。 #書き出し　その後猫バスが来て置いていかれます。

七歩 @naholograph

にわか雨から逃げ込んだバス停には、先客がいた。「私のせいですみません」ずぶ濡れの僕を見て謝る彼女。聞けば雨女らしい。「バスがくればここもきっと晴れますよ」可愛いくて面白い彼女。なんてラッキー雨宿り。あっという間にバスが来た。#書き出し　彼女を乗せて走り去るバス。わっ、雨あがった！

銭喰 @zeniqui

#twnovel にわか雨から逃げ込んだバス停には、先客がいた。「ヨウ、ニイチャン相撲とるかい？」河童が親しげに声を掛けてくる。水の妖怪がなんで雨宿りをしているのか。「そりゃpHってやつよ」からからと笑う河童になんとも申し訳ない気持ちになって相撲をとった。そして、尻子玉を抜かれた