茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【大飯原発の前で、二つの文化が向き合っている】連続ツイート
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ふむ(1)今朝の7時のNHKニュースを見ていたら、最初に小沢氏の離党問題をやって、そのあと、「さて、みなさん、今日から食べられなくなるものは何だかおわかりになりますか」みたいなことを言って、生レバーの話。BBCだったら、間違いなく、大飯原発の再稼働をトップに持ってきたろう。
2012-07-01 08:08:30ふむ(2)それだけ重い決断である。ツイッターを見ていたら、大飯原発前の路上で太鼓を叩きながら「再稼働反対」と踊っている若者たちのustreamがあった。誰かが、「午前3時から見ているけど、ずっと踊り続けている。体力の限界はだいじょうぶか。心配」と書き込んでいた。
2012-07-01 08:09:55ふむ(3)色とりどりの服装を着た若者たちが、太鼓を叩きながら踊っている横に、制服を着た方々(警備会社の人たちか、あるいは機動隊?)が一列になって立っていた。対立しているようではあるが、どちらも同じ人間。家族もいるし、友人もいる。一つ、穏便にやってもらいたいものである。
2012-07-01 08:11:59ふむ(4)すでに何度も書いているように、私は、国のエネルギー源を(安全保障のために)偶有性に対する複数の保証という意味で確保するためにも、当面は原子力を使い続けるしかないという立場である。しかし、個人的には奇妙なパラドックスもある。大飯原発前の画像を見ていて改めて気づいた。
2012-07-01 08:14:21偶有性
事物の本質的でない性質。その性質の有無が、事物の何であるかに影響しないような性質。「三省堂 大辞林」より
パラドックス
ギリシャ語で「矛盾」「逆説」「ジレンマ」を意味する言葉。数学・哲学の分野では「一見間違っていそうだが正しい説」もしくは「一見正しく見えるが正しいと認められない説」等を指して用いられる。「ニコニコ大百科(仮)」より
ふむ(5)これも、私を良く知っている友人たちには改めて言うまでもないことだけれども、大飯原発前の、「色とりどりの服を着て、太鼓を叩いて踊っている人たち」の文化と、「制服を着て、一列に並んで立っている人たち」の文化のどちらが好きかと言えば、私は圧倒的に前者の方が好きだ。
2012-07-01 08:15:58ふむ(6)もちろん、「監視する」側も制服を脱げば同じ人間であり、役割や機能を離れた魂の部分でわかりあえれば、と思うが、新卒一括採用に反対し、画一的な大学入試の抑圧を打破せよ! と言っている私は、本当は、文化的には色とりどりの服を着て太鼓を叩いている若者たちに共感する。
2012-07-01 08:18:13ふむ(7)そんな私が、電力の安定供給という視点から、「原発」を使い続けることに賛成せざるを得ないのは、個人的には困ったことだし、個人を離れた大きな視点から見れば、つまりは私たちの文明のあり方、巨大システムのあり方そのものの中に潜む矛盾、脆弱性なのではないかと思う。
2012-07-01 08:19:35ふむ(8)大飯原発の前で、二つの文化が向き合っている。巨大な、文明を支えるシステム、制御。その中では人はある役割、機能を演じなければならない。一方のより直観的で、根源的な人間の感情。おそらく、どちらだけでも人間は成り立たない。だからこそ、二つの文化は、出会わなければならない。
2012-07-01 08:21:04ふむ(9)原発の問題は、相変わらず重苦しく、そう簡単にはすっきりした答えは出ないが、少なくとも、私自身の中で二つの文化が出会い、混ざり合い、ざわざわと動いているということを認識することで、私は、現在のやっかいな状況をもう少し引き受け続けてみよう、という決断をすることができた。
2012-07-01 08:22:12