unpeu_k #twnovel 2012/6 「他に魅力がないのなら年収で選ぶしかないけれど」他

twnovelまとめ:その⑦
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二月大笑 @unpeu_G

「悪くなんかない。しょうがないよ。」彼女は泣き出しそうに笑う。「わかるよ。どんなに責められても、みんなに石を投げられても、変えられないのが思いだもの。」好きなだけなら罪じゃない。だって思いは変えられないから。誰にどんなに言われても。好きな本人にこう言われても。 #twnovel

2012-06-01 03:20:52
二月大笑 @unpeu_G

所詮小娘のクラスにあって全員がモデル並に綺麗な女の子だけのグループだった。何が切っ掛けなのか知らない。他校の男子生徒かも。美しく仲良かったのに。遂にバスケの授業中の掴み合いの大喧嘩になった。私達はただ見守っていた。肉食獣の共食いを見る草食獣の群のように。 #twnovel

2012-06-02 00:50:35
二月大笑 @unpeu_G

私たちは食肉用なのだという噂はどうやら本当のようだった。どうせなら最高の牛肉になろうと思う。美味しい新しい草を食べ日の光を浴びて昼寝をした。海からの風は少ししょっぱい。私は幸せな肉になり私を買うために出した高い対価を払うためにストレスを溜めた人に喰われるのだ。 #twnovel

2012-06-08 23:55:20
二月大笑 @unpeu_G

金持ち達は躍起になって金の消費を争った。外れない首輪で飾っても自身の価値は変わらない。食べたり肌に刷り込んでも吸収されるわけではない。ここに商機を見いだした医療がそれを解決した。金を液体状にして血液の代わりに流すのだ。戻せないにも関わらず今この施術は大人気だ。 #twnovel

2012-06-10 20:38:11
二月大笑 @unpeu_G

「お前が男だったらな。」彼に彼女ができた次の日彼が笑顔でそう言った。勿論私は生まれ直した。確かに男として出会えればたとえ彼女ができてもずっと趣味や下らない話ができる。彼女なんかより深く長く。一緒にいると凄く楽しい。彼は残念そうに笑った。「お前が女だったらな。」 #twnovel

2012-06-11 21:51:36
二月大笑 @unpeu_G

泣きながらとにかく手を振った。ありがとう。ごめんね。愛してる。ずっと言いたかった事ばかりがなんだか全部違う気がしてとにかくずっと振り続けた。向こう岸の君も泣きながら振りながら笑ったのが見えて、ああ通じた、と思って泣いた。 #twnovel

2012-06-12 13:55:12
二月大笑 @unpeu_G

他に魅力がないのなら年収で選ぶしかないけれど彼を夫に決めたのは牛を見事に仕留めるからだ。素早く解体して軽く炙って差し出された肉は痺れるくらい美味しかった。上質のサシ、滴る赤身、宝石のような生レバー。これで結婚してと言われたらはいと言うしかないじゃない。 #twnovel

2012-06-14 12:57:57
二月大笑 @unpeu_G

いくら忙しくったって好きな人に会えないままで良しとする人とは思えない。でももうしばらく会ってない。つまるところ私は彼の好きな人ではありえない。演繹法ってほんとに便利。認めたくないこともちゃんとわかる。ちゃんとわかるけど認めたくないから #twnovel のタグを付けておく。

2012-06-15 12:13:10
二月大笑 @unpeu_G

就活スーツを急いで着替えて早番のスダにお礼を言った。追加のビールを出しに行くと今日の面接官くらいのおじさんたちの席だった。何十と落ちる面接も自己分析も無かった世代。私達の苦しみなんて所詮この程度のものなのだ。時代や場所で覆される何かに隔てられている。 #twnovel

2012-06-18 14:25:41
二月大笑 @unpeu_G

またねと笑って手を振って別々の階段を上って違うホームで君はもう端を目指して歩いている。後なぞ振り返らない。人の行き交う駅のホームでそれでも君を見失わずに私も後を追いかける。私のホームの電車が止まり向こうの電車を待つ君を私の電車が追い越してどんどん小さくなっていく #twnovel

2012-06-19 00:19:34
二月大笑 @unpeu_G

祖父の代から全員知り合いみたいな閉じた世界が嫌で私は村を飛び出したのに都会のおしゃれ大学の彼はどこかで聞いたようなことを言う。小学校からエスカレーターでクラスは大抵同じメンツで父も祖父もみなOBだから子供もここで育てたい。俺この村から出たくねえんだ。 #twnovel

2012-06-19 00:45:16
二月大笑 @unpeu_G

顔が紙並みに白いと言われてよろよろと保健室に向かった。連日の寝不足も祟って廊下がいつもより暗い。さぼりには厳しい先生もあっさりベッドを勧めてくれた。よっぽどひどい顔なんだろう。シーツはさらさらで少し冷たい。授業中の学校は静かで遠くで鳩が鳴いている。 #twnovel

2012-06-19 01:12:56
二月大笑 @unpeu_G

巨大な力で破壊された僕たちの町を救ってくれる少女の肩に飛び乗って僕はアドバイスを送る。かわいい服や便利な道具やパワーアップのご飯もあげる。見込んだ通り彼女は出来た。町はみるみるきれいになって魔法のようだと褒められた。彼女は僕の魔法小象。 #twnovel

2012-06-19 19:24:31
二月大笑 @unpeu_G

人類最後の一人になった。私が死んだその時が人類の滅亡になるわけだがもはや延命は望まない。「樹の種を埋めこんでくれ。私が死んだところにいつか大きな木陰ができるように。」「いいですね。素敵な考えです。私にはそれも叶いませんが。」医療用アンドロイドが笑う。 #twnovel

2012-06-24 12:08:00
二月大笑 @unpeu_G

長い航海の果てについに地球外生物を見つけた。言語でコミュニケーションをとる知的生命体のようだ。慎重に接触を試みる。「まず自己紹介しなくては」「とはいえ最初からあまり細かいことを言ってもよくない」「あっ来た!船長お願いします」「わ、我々は宇宙人ダ!」 #宇宙を愛したくなるコピー

2012-06-24 16:13:27
二月大笑 @unpeu_G

unpeu_kが挑む『要約にチャレンジ』!!「ジュラシックパーク」を10文字以内で要約して下さい。 #you_chare http://t.co/dgh8ODpK ティラノ旨ぇ。by蚊

2012-06-25 21:08:18
二月大笑 @unpeu_G

助けた天女を慰めるため極楽の花や鳥を描いてはよく似ていると誉められた。一番映えるよう配し極楽ノ図を描き上げる。懐かしがるかと思いきや何故か微妙な表情をする。「この実はこうは付かないしこの花は一緒には咲かない。なのに何だか不思議で素敵…」そして彼女は初めて泣いた。 #twnovel

2012-06-30 02:05:40