奥田知志さんの【わたしについて】

奥田知志さんの【わたしについて】をツギャリました。
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奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて1】「わたしは何者か」。この問いが多くの人々にとっての中心テーマであった。だが今、この当然の問いが無くなりつつある。すなわち「わたし」が後退しているように思う。

2012-07-08 16:16:45
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて2】「われ思うゆえにわれあり(コギト・エルゴ・スム)」とデカルトはいった。「わたし」から現実認識をスタートさせたところは正しいと思うが、しかし、「じゃあ、私は何者か」という問いは、近代以後においてどこまで徹底されてきたのか。「自分探し」が容易ではなくなっている。

2012-07-08 16:20:14
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて3】「わたし」の大事さは理解できても、肝心の「わたし」が何者であるかがぼやけている。それが現代における「わたし」の実情だ。「わたし」が揺らぐ中で大衆迎合の傾向(悪しきポピュリズム:わたしの消失)は強まり続けている。「わたし」を見失ったまま大きなモノに身を寄せる。

2012-07-08 16:22:37
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて4】そして私たちは三月一一日を迎えた。震災以後、「わたし」喪失はさらに進んだように思う。「絆」ブームは、未曾有の災害の中で民衆同士がなんとか支え合おうとした現象ではあった。でも、それだけではない。

2012-07-08 16:25:24
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて5】「がんばろう日本」に象徴されるように、「わたし」では受容できない大きな不安(大災害)を前に、一気に「ニッポン」等の大集団に「わたし」が吸収されてしまうということではなかったか。「わたし」を曖昧にしたまま大きなものに身を寄せ「安心を得る」傾向が強まっている。

2012-07-08 16:27:18
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて6】個のつながりではなく、個の消失の中に「全体」が浮上したのが絆ブームであった。自由主義や個人主義、あるいは「民意」などを殊更強調する政治家が常に全体主義の匂いを漂わせているのは、「わたしの喪失」と「全体への吸収」が一体の事態として進行していることを裏付けている。

2012-07-08 16:29:33
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて7】「わたし」が内容不詳のまま彷徨しはじめた。このままでは、デカルトお言う「確かなもの」など無くなってしまう。現代は「われ思えず」の時代になりつつあるからだ。

2012-07-08 16:30:52
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて8】どうやって「わたし」を挽回するか。出会うしかない。出会いとは何か。「わたしは誰かに思われている」という事実を知ることだ。そこから「わたしを思い直す」ことだ。「わたし」が「わたし」を見失ったとしても、「わたし」を探し出し「わたし」を思い続けてくれる人がいる。

2012-07-08 16:32:12
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

【わたしについて9】私が、自分のことであるにも関わらず「思わず」の状況に陥っているにも関わらず、わたしのことおを「思って」くれる人との出会いが、わたしを回復させる。わたしはその他者から自分について聴く。「わたし」とは何であったのかを。他者によってすでに知られているわたしとの出会う

2012-07-08 16:35:13