いじめの被害者と加害者対策‐斉藤環さんのツイート(7/7~7/8)
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poncho_noramot
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戦後の大きな「いじめ報道ブーム」は4回目か。第1回:1986年2月の中野富士見中の事件。第2回:1994年の愛知県西尾市立東部中学事件。第3回:2006年、福岡県筑前町立三輪中など複数、そして今回。
2012-07-07 23:56:22
毎度毎度、判で押したように反復される既視感にいささか眩暈が。臭気、おっと周期はだんだん短くなってますね。マスコミが学校側や教育委員会その他をまず叩き、ネット上では加害者とその家族が特定されて雁首並べて晒される。
2012-07-07 23:57:03
識者が担ぎ出されて「やりかえせ」「チクれ」「逃げて良いんだ」とか十年一日の御託が並べられ、若者の病理と変質がみてきたように語られ…すっかり溜飲を下げた人々は1ヶ月もすれば報復感情も癒えてまた忘れる。
2012-07-07 23:57:25
自殺報道の危険性が何度指摘されても改められないのは、どう考えても報復感情が「娯楽」として消費されているからだ。絶対に悪い連中をリミッター外してボコボコにする快感に、果たしてあなたは抵抗できるか? 僕は…ちょっと自信ないなあ…誰も見てなかったりすると特に。
2012-07-07 23:57:46
被害者支援も加害者対策も、この30年間ほとんど進歩がないのは、不登校対策とかも同様だから驚かないが、無策のまま繰り返される「祭り」にしか見えませんねもはや。特に加害者対策。臨床現場の経験から考えても、家族、教師ともに加害者対策に対してはものすごく及び腰(例外もあるが)。
2012-07-07 23:58:18
中井久夫は集団内で「いじめ」関係が成立する過程を三段階に分けた。被害者の「孤立化」「無力化」「透明化」。「透明化」に至って、いじめの存在は完全に隠蔽される。中井久夫:いじめの政治学.アリアドネからの糸,みすず書房,東京,1997. 戦中体験の分析が今なお通用する凄さと情けなさ。
2012-07-07 23:59:24
十年前のいじめ被害者のケアを「させられる」当方としては、もはや嘆息するのみだが、せめていじめによるPTSDの自殺者も、いじめ自殺にカウントできないものかな。リアルタイムで認識と介入が可能な程度には、いじめ対策は進歩してほしいものです。
2012-07-07 23:59:45
まともなケアもできない段階で、いじめ根絶なんていうユートピアを目指すのはお笑いぐさ。いやそれ以前に、学校空間だけ無菌室にしてどうする。サークルにも職場にも、職員室にすらいじめはあるのに。
2012-07-08 00:00:05
せめて家族には小さな声でお願いしておく。わが子のいじめが発覚したら、まず家族が絶対的に本人の味方であることを宣言してほしい(決して本人の非を問うてはいけない)。その上で学校側との交渉を開始してほしい。粘り強く、徹底的に、そして時には柔軟に、なんらかの「決着」をみるまで。
2012-07-08 00:00:28
いじめられた当事者にとっては「そのとき大人が何をしてくれたか」こそが、その後のすべての人生において決定的な意味を持つ。永続するかのような人間不信と自らに巣くう衝動性にさいなまれるか、「少数ながら信頼できる人間もいないわけではない」という思いを残せるか。
2012-07-08 00:00:48
いまから無茶苦茶なことを言います。思い込みなので説明はしません。いじめ対策として体育の授業から「球技」を全廃すべき。ついでに「道徳」と「ホームルーム(まだあるのか?)」もね。
2012-07-08 14:53:33
どうしても生徒会活動とかやらせたいなら教師と同等かそれ以上の”権力”を与えよ。部活は有料のサークル活動でいいや。あと毎週席替えを強制すべき。子どもに「同質集団=スクールカースト」をつくらせないため。たぶん簡単にできる。
2012-07-08 14:54:06
現役高校生がケータイで書いた小説として話題になった木堂椎『りはめより100倍恐ろしい』という小説は、要するに「いじり」は「いじめ」よりずっと恐ろしい、の意。
2012-07-08 14:54:40
まあいじりも広義のいじめではあるが、表向きは親密さを偽装した共依存関係なのでそれこそ「透明」化しやすい。下手をすると本人すら気付かず、卒業してからふと「あれはいじめではなかったか」と気付くこともある。
2012-07-08 14:54:59
たぶんいじめ被害は、日本人における最大のPTSD発症要因になっているはず。隠すか、ひきこもってしまうことが多いため事例化しにくいからちゃんと認識されていない。本気で治療対象と考えたら、今の医療資源では到底追いつかないだろう。
2012-07-08 14:55:24
いじめPTSDに特徴的な「聴覚性フラッシュバック」を発見したのも中井久夫。いじめ加害者の声が10年経っても聞こえてくる。それまでは統合失調症と誤診されていた。僕も何例か経験があるが、最大の特徴は「薬が効かないこと」。いまなら持続曝露療法がたぶん有効だと思うが。
2012-07-08 14:56:17
加害者対策といっても具体的に何をするのか。加害者自身がかつていじめの被害者であったり、親からの虐待経験を持っていたりすることが少なくない。
2012-07-08 14:56:53
いじめ被害はしばしば、人生早期において深刻な人間不信と自尊感情の破壊をもたらすが、加害者もまた、しばしば同様の問題を抱えている。自己のかけがえのなさを信じられない時、人はいじめる側に加担することで一時の安心を得たいという誘惑に抵抗できなくなる。
2012-07-08 14:57:16
いじめ加害行為に対しては毅然とした態度とルール、また時には罰(刑事罰含む)をもってのぞむ必要がある。しかしその際、いじめ加害者に対しても彼らの心理的背景や家庭環境などへの配慮も十分になされなければならない。配慮ある処罰によって加害者の自尊心を回復することが不可欠。
2012-07-08 14:57:34
いじめ加害者ってモンスターに見えるよね。子どもを虐待する親も、生活保護を受給しながら寿司の出前取ってる奴も、借金背負ってもパチスロやめられないDQNも…
2012-07-08 14:58:26
…ひきこもって親を殴ってる三〇代ニートも、みんな内省能力を欠いたモンスターにしかみえないよね。で、それだいたい誤解だから。差別偏見の問題は、内面という共感の回路をあらかじめ塞ぐところにあるのかも。
2012-07-08 14:58:46