年下ぎゅ

ccomaさん(@1115_1115)の作品です。 プロローグから11までは遡れなかったのでコピペです。
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[prologue]イェソンとは2年前に結婚した。大学の同級生で入学当初から付き合いだして今も仲は良い。彼は会社勤めをしていたが、結婚を境に大学時代の先輩のフレンチのお店で働くようになった。一日中忙し彼を支えているのは苦ではなかった―あの日までは―

①「今日も遅い?」玄関でバッグを渡す[あっ、いや。店の子連れて来てもいいかな]「前に来た?」[別の奴。お前に似てるよ、気が合うかも]「じゃあ美味しいご飯作らないと。テーブル引っくり返されちゃう」笑ってキスされた[何でも美味しいから大丈夫]イェソンを見送る

②21時過ぎ、彼は慌ただしく帰ってきた[悪い。ちょうど混んできてさ]「いつもの事でしょ。こんばんは、初めまして」長身の男の子が彼の後ろから顔を出す『こんばんは。チョギュヒョンです。イェソンさんにはお世話になってます』真面目だぁ「とりあえず中に入ってよ」
 
③「キュヒョン君はまだ若いのよね。学生?」『はい。大学四年生です』「それならお酒飲める年齢か」とワイングラスをテーブルに並べた[キュヒョナ、俺の代わりにこいつの酒に付き合ってやってよ]苦笑いのイェソン。それでも手早くボトルを開け、私達に注いでくれる

④乾杯をして、食事し始めると彼へ質問ばかりした。大学でフランス語を専攻してたからと、半年前何となくイェソンの働く店にアルバイトで来たという。そのうち料理を作る魅力にはまり将来シェフの道も考えてるという『ま、あくまでも夢ですけどね』淡々と話す

⑤話の途中『奥様は、、、』なんて言われてイェソンと顔を合わせて大笑いした[キュヒョナやめろよ。こいつそんな柄じゃない]「そうそう。初めて言われた」『えっと、それなら"ヌナ"って呼んでも良いですか?』その声は温かくて心地良い

⑥「ちょっと失礼」タバコを持って立ち上がると『タバコ吸うんですか』心なしか冷ややかな目「お酒飲むとね、キュヒョン君は」『一応料理人なんで』イェソンを見て『先輩のすごい所はそれでも味覚が正確なんですよ』旦那を褒められて悪い気はしない

⑦イェソンも大学時代はずっとフレンチの店でバイトしていた。一生懸命だから学生なりに色々店の事任されて。単位が危ない時はレポートを届けてランチをご馳走になったっけ。就職したものの、先輩がお店を出すのに声を掛けられた。私は迷っていた彼を後押しした

⑧その日は盛り上がり、キュヒョンは終電ギリギリで帰って行った。またおいでと言う前に『また来てもいいですか?』って照れて言う姿は可愛らしい。料理が美味しいと、3人には多めに作っていた分を平らげてた。一人暮らしと言ってたから、皆で食べるのが楽しかったのかも

⑨テーブルを片付けて一息つく[お疲れ様。ありがとうな]イェソンは私の頭を撫でてくれた「あの子と私似てるかなぁ?でも、楽しかったね。ああいう子好きだよ」["好き"なの?]意地悪く言う「気を遣わないって事」笑って彼の上に乗り、酔いが覚めない体を重ねた

⑩[子供、そろそろ作ろうか]彼の腰を強く掴む「あと2、3年いいんじゃなかったの?」[お前が家に一人で寂しくないかなぁって]イェソンは呼吸を乱して挿れてくる「まだ平気。こんな大きな子供いるのにもっと大変になる」笑ってすぐ、お互いを感じる事に集中した

⑪あれからキュヒョンは2週間に一度は家に来るようになった。毎回、私が好きそうだからと彼おすすめのワインとイェソンには貸し借りしている料理雑誌を持って。そのうち「おかえり」『ただいま』が当たり前の挨拶になった。私はいつの間にか"君"付けをしなくなっていた

CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

⑫たまに私が店に顔を出す事もあった「キュヒョン、何で最近家に来ないの?」『寂しいですか』「からかう人がいないとね」ニヤッとする『俺意外と忙しいんですよ。学校もバイトもあるし、彼女とデートしたいし』生意気な奴「ふーん。もう来なくてもいいよ」 #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-04 03:42:55
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

⑬『ヌナだって先輩いるじゃないですか』「そうよ仲良いもん」イェソンに手を振る『でも、そんなに来て欲しいなら行こうかな』今週末、旦那はオーナーと打ち合わせで遅くなるって言ってた。飲む相手が欲しかったし、一声掛ければキュヒョンを家に上げても構わないよね #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-04 03:43:04
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

⑭夕方、買い物から帰ると玄関に彼の姿が。いつもの様にワインを持ってた。エプロンを着けると『俺も一緒に作りますよ。いつもご馳走になってるし』袖をまくりながらキッチンに入ってきた。白い腕や指にはやけどや切り傷が痛々しい。こう見えて努力家なんだろう #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-04 03:43:22
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⑮「うわぁさすが」彼のテキパキとした無駄のない動きに見とれる『こんなのたいした事、、、先輩にはまだまだって』「そんなことない。すごいよ」彼を見上げた『褒められるのって慣れてないけど嬉しいですね』口元を手で隠して照れる彼。その反応に私も嬉しくなる #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-04 03:43:44
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

⑯2人で作ったムニエルを食べていたら、突然『あー、水族館行きたい』「これ食べながら言うことじゃなくない?」つい笑ってしまった『行こうよ。ヌナ』「彼女と行けば」『別れました』「もう?」ドライな子『来週空けておいてくださいね』一方的にワイングラスを合わせた #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-05 09:21:58
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⑰[お前ら仲良いな]食事が終わり、彼と並んでテレビを見ていると旦那が帰ってきた『本当のねーちゃんみたいで』と私の肩を抱いてくる[似たもの同士かぁ]私達の頭をぽんぽんして、タバコを吸いにベランダへ出ていった。腕を振りほどけない―少しは気づいて イェソン #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-05 09:22:05
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⑱ずるずると断れずに当日になってしまった。イェソンには"友達と出掛ける"とだけ伝えて「何着ていこ」ぼーっとしていたら待ち合わせまで一時間もない。気にかける必要なんてないのに、、、玄関の鏡で何度も何度もチェックしてる自分の顔が笑ってる #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 09:42:10
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

⑲水族館の入り口に彼の姿「お待たせ」『チケットはもう買いましたから行きましょ』順路に沿って歩くと、キュヒョンはスピードを合わせてくれる。水族館なんて何年ぶりだろう。イェソンと学生の時以来かな、、、『ほら、ちゃんと見て』頭を水槽に向けられた #SJで妄想 #年下ぎゅ 

2012-07-06 09:42:11
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

⑳「うわぁ、素敵」魚の群れがゆらりと同じ方向へ泳いでいく。ずっと見ていると、その中に吸い込まれ水の流れに合わさる『子供みたい』私があまりにも夢中で、クスッと笑うキュヒョン『迷子にならないでくださいね』と指を絡め手を繋いでくる。ほんの少しだけ握り返した #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 09:42:24
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

21;キュヒョンの手にすっぽりと収まる私の手。水族館をまわっている間、離すことはなかった『ちょっと待ってて下さい』見終わり再び館内に戻る彼。私は外のベンチに座って、握っていた手を唇にあてた。そうやってもう一度彼の感触を思い返す #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 23:14:47
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

22;戻ってきた彼に小さな袋を渡される「開けてもいい?」なんだろう、、、『ヌナに似合うと思って』シルバーのイルカのピアスだった「すごく可愛い」『付けてあげる』髪を上げピアスを耳に通す。顔も近くて私は目を閉じて乗り切るしかなかった。鼓動はただ速まるだけ #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 23:14:53
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

23;地元の駅に戻って、ワインの豊富なビストロへ『ヌナの好みは覚えましたよ』彼が色々オーダーしてくれた。話が途切れてふとバッグの中のタバコを探る、、、今日はやめておこうかな。彼に合わせるのは悪くない「キュヒョン、もう一杯飲も」 #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 23:15:08
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

24;『今日は楽しかったですね』「うん。気晴らしになったよ。じゃあまた」手を繋いだことなど触れず帰ろうとした。携帯が鳴り、イェソンからの電話に出ようとしたその時―彼の唇は私の心まで触れた「キュヒョ、、、ン」『好きです、あなたが』 #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 23:15:21
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

25;二度目の着信に『また連絡します』体を離し、帰って行った。震える手で耳元にいつもの声を聴く[今どこ?]「家のすぐ近くよ。月が、、、綺麗だからもう少し見て帰るね」欠けはじめた満月は瞳の中で揺らいでいる。人を好きになり始めるのはそんなに楽しいものじゃない #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-06 23:28:14
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

26;私は家に帰るなり洗面台で口をゆすいだ。鏡を見て強張った顔を揉みほぐす。リビングのテーブルには料理のテキストが置いてあって、ぎっしりとメモが取られている「ただいま」ベランダでタバコを吸うイェソンに抱きついた[おかえり。楽しかった?] #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-09 04:17:58
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

27;それには答えない「貴方の背中好き」シャツの上からキスをする[どうした?]少し振り返る「貴方の横顔も好き」頬にキス[ふふっ。酔ってるね]「そうやって優しく笑うところも、、、全部好き」キスを繰り返し落としてゆく。耳元に近づいた「イェソン。ねぇ、しよ?」 #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-09 04:18:00
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

28;それからキュヒョンは家に顔を出さなくなった。連絡すると言っていたのに何もない。イェソンは[あいつも忙しいみたいで。バイトもあんまり入ってないよ]と教えてくれたが私は流していた。こっちが心配する筋合いもない、、、それでも連絡を待ってしまう #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-10 13:37:24
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

29;記憶からなくなりかけた頃、イェソンは久しぶりにキュヒョンを連れてきた『ヌナ、ただいま』「うん。おかえり」いつも通りの挨拶で。一瞬キスがよぎったが、もう過ぎた事。キュヒョンも気にせずイェソンと話をしている。そう、これでいいのよね #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-10 13:37:25
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

30;[そういえば、彼女とは上手くいってるのか?]『はい』笑顔で答える。別れたって。新しい彼女でも出来たのかな『この前一緒に水族館へ行って』えっ、、、『そこでピアスをプレゼントしたら』やだ、、、『すごく喜んでました』キュヒョンはまっすぐな瞳で私を見た #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-11 21:12:35
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

31;イェソンは微笑んでる[良かったな。今度店に連れてこいよ]私は居られなくて、タバコを持ってベランダに出た。ライターがなかなか点かない「何言ってるのよ、あいつ」そっと耳たぶを触る。あの日からはずさないでいたんだ。2人の笑い声が遠くに聴こえる #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-11 21:12:36
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

32;オーナーに店で飲んでいるからと呼び出された旦那に『じゃあ、俺も帰ります』キュヒョンも家を出ていった。片付けなきゃ、、、重い腰をあげてテーブルのお皿を重ねる「あれっ」キュヒョンが座っていた椅子の上に携帯が置いてあった。気づいてないかな、どうしよう #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-11 21:32:10
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

33;家も知らないし。明日イェソンに店に持っていってもらおうかな。チャイムが鳴り、カメラにキュヒョンの姿。慌ててドアを開けた「あぁ良かった、忘れ物、、、」『知ってます、わざとだから』無造作に靴を脱ぎ、この前よりも激しく私の唇を奪い床に押し倒した #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-11 21:43:56
CcomaTheRipper×コマ銃士 @1115_1115

34;「自分が何してるのか解ってるの」肩で息をするのがやっとだった『ヌナの事ばっかり気になって、冷静でなんかいられないです』「イェソンが知ったら、、、」『ヌナは幸せなの?』―私は幸せだよ『いつもどこか寂しそうにみえるから』見抜かないでよ、簡単に #SJで妄想 #年下ぎゅ

2012-07-11 21:44:00
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