エキセントリクウさんの掌編小説

2012年7月14日投稿のエキセントリクウさんのツイートノベル。
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エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー1】「ドラエモ~ン」「何だい、のびたパンツ君」「余計なもの付けるな!」「何だいパンツ君」「そっちじゃない!」「何の用?最初に断っておくけど、道具は出せないよ。先月の道具レンタル料が未払いだからね。スモールライトが500円、アンキパンが1000円…」(2へ続く)

2012-07-14 18:54:32
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー2】「ちゃんと払うよ…それよりシズカちゃんとの待ち合わせに遅れそうなんだ。遅れると土手っ腹に一発キッツイやつぶち込まれるからさ…頼むよ」ドラエモンはうんざりした顔で、「繰り返すけど、道具は出さないよ。先月のレンタル料に『色を付けて』今すぐ払わない限りね」(3へ)

2012-07-14 18:54:21
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー3】「明日必ず払うよ!板野友美のセクシー写真集も付けるからさ」ドラエモンの口元がピクリと動く。「そう…。いいよ。ただし約束を破ったら、過激に君を追い込むことになるから、そのつもりでね」ドラエモンは四次元ポケットから煙草を取り出し、火を点けた。「で?ご所望は?」(4へ)

2012-07-14 18:54:08
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー4】「ドコでもドアを出してよ」「ダメダメ」「どうして?」「今メンテナンス中なんだ。まったく君の使い方が雑だから……そうだ。レンタル料に修理費を上乗せ「OK!」ノビタは言葉をかぶせ、「いいよ、他のやつでも」「しょうがないな…」ドラエモンは渋々ポケットをまさぐる。(5へ)

2012-07-14 18:54:05
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー5】「(痛みを伴う)タケコプターー!」「…今何か小声で頭に付けなかった?…ていうか、おかしいよ!その形状!プロペラの反対側の、そのドリルの切っ先みたいなの何?」「これ?もちろん君の脳天に突き刺してねじ込んで固定するんだよ」「ええ!頭に載せるだけじゃないの?」(6へ)

2012-07-14 18:53:42
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー6】「馬鹿!しっかり頭に接合しないと飛行中に外れて重大な事故に繋がるだろ!心配するのも解るけど、問題ないよ。先端がちょうど右脳と左脳の隙間に収まるように挿入するから。ただ運が悪いと脳みそが漏出して、プロペラの遠心力で周囲に撒き散らされるかもしれないけどね。アッハッハ」

2012-07-14 18:53:39
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー7】「笑いごとじゃない!そんなデンジャラスな道具使えるか!もっとまともなやつ出せ!」「言葉に気を付けた方がいいよ、ノビタ君。君は債務者の立場にあるってこと、ゆめゆめ忘れないでね」「うるさ……ド、ドラエモン!」不意にノビタの顔が強張る。「?」「う、う、後ろ…」(8へ)

2012-07-14 18:53:20
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー8】「またそうやって話を逸らす。後ろに何が……」恐竜が。馬サイズの恐竜が立っていた。恐竜はドラエモンのデカデカ頭を物ともせず噛み砕く。「ダイナソー!ホワーイ?」その言葉を最後に、ノビタも食い殺された。ーーと、恐竜がもう一頭。ノビタの机の引出しから顔を出した。(9へ)

2012-07-14 18:53:16
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー9】ノビタの家を飛び出した二頭の恐竜は、付近の住民に次々襲いかかった。助けて!本物の恐竜だ!殺される!…人々は悲鳴をあげ、逃げまどい、辺りは騒然となった。駆けつけた機動隊によって恐竜は捕獲され、事態は収束したものの、人々の不安と恐怖はいつまでも去らなかった。(10へ)

2012-07-14 18:53:10
エキセントリクウ @RikuPPP

【掌編小説ー10】平和な住宅街に突如出現した二頭の恐竜。絶滅した筈の恐竜が、何故、現代に蘇ったのか?二億年前の地球からタイムマシンに乗ってやって来たのか?どこかに過去と現在を繋ぐトンネルが存在するとでも言うのか?ーー専門家たちは、首を捻るばかりだった。(終わり)#ツイノベ

2012-07-14 18:53:09