テキストカラテ・さささ編(~2012)
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発端は思いつきでした。
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思いついただけでやらないけど、ウキヨエリクエストみたいにTLで小説あるいは小ネタを書いてほしいニンジャ名を募集して、即興でなんか書くっていうのやったらいろいろ鍛えられそうだなあ。
2012-06-18 04:10:49カギ・タナカ(シルバーカラス)
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@BMb_kngw 抜き放ったカタナは、まるで銀色の燐光を放つかのように研ぎ澄まされていた。欠けも曇りも無い。そこに映るのは、毎朝洗面所の鏡の中に見る自分よりも遥かに酷薄な、ニンジャの顔。そして、彼は自分の頬が、以前よりもずっと痩けていることに気がつき、ふと息をついた。
2012-06-18 04:24:19スカベンジャー
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茸を摘み取る。人の目には見えぬ形で地下深くに延びる、細い細い菌糸のように、遠い過去のソウルは彼の魂を不条理で絡め取っている。それを知ってか知らずか、傷だらけの身体で嗤った。そして彼は、己の妄執と生命とを同時に噛み締める。傷口が泡立ち、不自然に消えた。
2012-06-18 05:02:51ブルーブラッド
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「ラヴェジャー、ラヴェジャー」生首が呼ばう。「僕の身体はどこだ。僕の身体はまだかッ」答えはない。遠くから何事か叫び声。「奴らめ」忌々しげに赤い目を閉じる。「今に……劣等……僕は……」高貴なる名を持ち、自らの身体を持たぬ仮初の王。呟く語尾は、林立するUNIX機の合間に消えてゆく。
2012-06-29 01:44:09ロブスター(特別ゲスト・コッカトリス)
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「イヤーッ!」「カメ!」二本の異形の腕が交錯! そして瞬間、ぴたりと静止した。蛇の腕は相手の首筋、ハサミの腕は首を狙うその腕を精密に捉えている。まさにスンドメ! 手術を終え、人の身では宿し得ぬ驚異的な力を手に入れたバイオニンジャ二人は睨み合ったまま、不敵に笑った。
2012-06-29 01:58:34カタオキ(シルバーキー・非リクエスト)
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「終わりましたよ」呼び声。いつの間にか眠っていたらしい。あんなに重かった肩は嘘のように軽々動く。「……夢を見ていたみたいです」父との、思い出の。「ああ、実際広い遊園地でこっちは大変で」「え?」「アイエッ、何でもありません!」おかしな先生だ。なんだかさっきより疲れた顔だし。
2012-06-29 02:32:30フジオ・カタクラ(ダークニンジャ)+フォーク
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艶のある銀のフォークを手の内で弄ぶ。指で触れる。触れれば銀は曇る。皿の上の死んだ肉には見向きもせず、両手で、片手で、弄ぶ。ひとたび手を振れば、それは生きた肉を貫く小太刀にも変わるのだ。そして、彼は鬱蒼とハガネの色の目を上げる。静寂。向かいの席にはもう誰もいない。
2012-07-06 23:31:01ディスカバリー+外の花(特別ゲスト・ボタニック)
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微かに風が吹いた。足下の草が、小さな花が揺れる。彼は目を細めた。見覚えのある花弁、だが、そんなはずはない。あの檻はもう遥か彼方だ。(飛び出したのは、アンタの方が先輩だな)彼は呟き、立ち上がる。(なあ、でも見てろよボタニック。俺はもっと遠くへ行くんだぜ)そして笑った。(皆で、な)
2012-07-06 23:54:20ブラックドラゴン
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きらびやかなネオンの光が強ければ強いほど、落ちる影は淀んで深い。影はやがて凝って形となり、ガイオンに棲まう竜となる。そうして竜は、人の目の見通さぬ闇に溶けひた走った。やがて、彼は裁かれるべき者を見つける。「ドーモ、ブラックドラゴンです」息を呑む音。懲罰騎士の牙は、何者も逃さない。
2012-07-07 00:21:52パープルタコ+ハイスクール(無茶振りその1)
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「こないだ臨時で入った先生の噂だけど」「噂? どの?」「そ、そんな色々あるの? 私が聞いたのは、毎日保健室のベッドで……」「もっとコワイの知ってるよ。先生、いつもマスクしてるでしょ。あれ外したら」「外したら?」「口の代わりにぐちょぐちょの触手があって、中身吸われちゃうんだって!」
2012-07-07 00:46:11アコライト
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「セイヤッサーボンジャン!」広い白砂のバトルフィールドに、叫ぶ人影はふたつのみ。「カンツァイ=サン」ふと、片方が拳を止めて呼ばう。門の陰から覗く小さな頭が三つ。近所の子供だろうか。彼は目を細めた。「いらっしゃい、このテンプルは今人がいないのです。良ければ一緒にケイコをしましょう」
2012-07-07 01:11:48カタオキ(シルバーキー・非リクエスト)
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道端で偶然、学生時代の友人に会った。こっちはくたびれたスーツ、あっちはラフな格好。そういやこいつ、アッパーで悠々の自営生活だったか。「安くしとくから来いよ」妙な店名の書かれた名刺と、昔と変わらない笑顔。頷いた時、ちくりと刺さりかけた棘は、行き場をなくしてどこかに溶けた気がした。
2012-07-07 01:50:29