戦国おとぎ童話【利休と七人の弟子】

machico @mcc0604

戦国おとぎ童話【利休と七人の弟子】

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【利休と七人の弟子】昔々あるところに利休という茶人がおりました。利休は大層わびておりました。ある日太閤様は聞きました。「抹茶よ抹茶、日の本で一番わびているのはだあれ？」すると抹茶は答えました。「それは千利休さまです」太閤様はたいそうお怒りになりました。

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【利休と七人の弟子２】「利休だと！」太閤様は抹茶の入った茶碗を叩き割ると家来を呼んで命令しました。「利休を森へ連れ込んで殺してしまえ！」家臣はホトトギスのように驚きましたが、太閤様の命令に従って利休を森へ誘い出しました。

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【利休と七人の弟子３】家来と利休は森へたどり着きました。家来は懐刀を握りしめました。ですが、どうにも利休がかわいそうでならないのです。家来は利休を殺すことをあきらめ、利休にすべてを話すことに決めました。

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【利休と七人の弟子３】「利休さま、利休さま、私は太閤様の命令であなたを殺すために森へ入ったのです」「まあ」「でも、どうにもあなたが気の毒でなりません。このまま森の奥深くへ入って、ひっそりとお暮しなさい。太閤様にはどうとでも言っておきましょう」

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【利休と七人の弟子４】利休は家来に感謝を述べると森の奥深くに入り、小さな小さないおりを建てました。利休はそこを待庵と名づけ、ひっそりと茶をたてて暮らしました。

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【利休と七人の弟子５】するとそこに、七人の侍が集うようになりました。「ここに家を建てたのはだれだろう」「せまいけど、趣があるなあ」「いいにおいもするぞ」口々に言いながら、侍たちは家の周りをぐるぐる回ります。「まあ、あなたたち、何をしているのですか」利休は侍たちに聞きました。

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【利休と七人の弟子６】「ここに住んでいるのですか」「いかにも」「あなたの素敵なおうちにほれぼれしました。どうか弟子にしてください」「まあ」利休は驚きましたが、七人の侍たちお茶を点ててもてなすと、侍たちはとても喜びましたので、利休は嬉しくなって七人を弟子にしました。

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【利休と七人の弟子７】にこにこしている蒲生氏郷、ものしりの高山右近、おこりんぼの細川忠興、ねぼすけの瀬田掃部、てれすけの芝山監物、おとぼけの牧村利貞、くしゃみをしている古田織部。利休と七人の弟子は森の奥でお茶を点てて過ごしました。