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冒頭のVTR

とし @toshihiro36
<ナレーション> 海に流された有機水銀が引き起こした公害・水俣病。公式確認から56年、今月被害者救済の受け付けが締め切られようとしています。被害を拡大させた国がまとめた最終解決策。被害者からは「一方的な幕引きだ」と怒りの声が上がっています。
とし @toshihiro36
<ナレーション> これまで5万人を超える人が救済策に申請、しかし国は地域や年齢を制限し、症状がありながらも救済を受けられない人が相次いでいます。半世紀にわたって被害者に寄り添い、その苦しみを訴えてきた作家・石牟礼道子さん。
とし @toshihiro36
<ナレーション> 被害の全容を明らかにしないまま決着を図ろうとする国に対して思いを語りました。平穏な暮らしを奪われた被害者にあるべき救済とは何なのか、考えます。

ここからスタジオです

とし @toshihiro36
国谷:こんばんは、クローズアップ現代です。手足のマヒや激しい痙攣などの症状がある原因不明の病気が発生しているのが、初めて保健所に届けられたのが今から56年も前のことです。中枢神経の疾患が患者を一生苦しめる公害病・水俣病です。
とし @toshihiro36
国谷:有機水銀が混じった工場排水が水俣湾に12年以上にわたって垂れ流され、汚染された魚介類を食べてこの水俣病を発症した人がいったいどれだけいるのか。有害な汚水を垂れ流した企業・チッソ、長期間適切な対応を取らず被害の拡大を防止できなかった国や熊本県。
とし @toshihiro36
国谷:3者の責任が裁判で認められているにもかかわらず、徹底した環境調査や健康被害調査は一度も行われませんでした。半世紀以上経った今も救済を求める人は後を絶たず、国は水俣病問題の解決にたどりついていないのです。こうしたなか3年前、最後の救済策といわれる施策が打ち出されました。
とし @toshihiro36
国谷:こちらをご覧ください。これまで熊本・鹿児島ふたつの県で水俣病患者と正式に認定された人の数は2273人。国が定めた厳しい認定条件、線引きを満たしていないとして症状はあるのに認定されていない、いわゆる未認定患者はこれまで裁判や交渉を繰り返し、救済を求めてきました。
とし @toshihiro36
国谷:その結果なんらかの救済を受けられた未認定患者は1万人あまりです。国と県の責任が最高裁判所の判決で厳しく問われたことを受け、3年前水俣病特別措置法が制定され、国は今回の最後の救済策といわれる施策を打ち出したのです。これまで申請した人は5万5千人を超えています。
とし @toshihiro36
国谷:差別や偏見を恐れて今まで症状を訴えられなかった人。症状が次第に悪化してきた人。症状がありながら今まで水俣病と気づかなかった人など背景は様々で、半世紀経った今なお埋もれている患者の広がりを実感させられる数字です。
とし @toshihiro36
国谷:国はできる限りすべての患者を救済するとしていますけれども、今回も国の線引きによって救済の対象にならない人が相次いでいます。

VTRが流れます

とし @toshihiro36
<ナレーション> 水俣の対岸、熊本県天草諸島。近年、多くの人が水俣病の症状を訴えています。救済策の申請締め切りを前に、先月、被害者団体と民間の医師団による大規模な検診が行われました。集まったおよそ600人のうち、9割近くに水俣病特有の症状が認められたということです。
とし @toshihiro36
<ナレーション> 天草市で祖父の代から漁業を営む藤下諭さん、以前から手足がつったり耳鳴りがするなどの症状に悩まされてきました。ここ数年手足の震えがひどくなり、不安を感じていた藤下さん。去年検診を受けたところ、医師から水俣病と診断されました。
とし @toshihiro36
<ナレーション> 子供の頃から父親が獲ってきた魚を毎日食べてきました。藤下さんは当然今回、救済が認められると思っていました。しかし結果は非該当でした。実は熊本県と鹿児島県は救済を行う対象地域を限定しています。
とし @toshihiro36
<ナレーション> 対象地域となっているのは、国が定めた厳しい条件に基づく認定患者が多発しているところ。藤下さんが暮らす地域からは認定患者が出ていないため、対象地域から外れているのです。
とし @toshihiro36
<ナレーション> 対象地域の外で暮らしていた人が申請する場合、水俣湾周辺で獲れた魚を多く食べていたことを証明しなくてはなりません。藤下さんが探しだしたのは、父親が漁の許可を受けた範囲を示す資料です。赤い部分がその海域です。不知火海の全域にわたり、水俣の近海も含まれていました。
とし @toshihiro36
<ナレーション> しかし県はこの許可証では、汚染された魚を多く食べた証明にはならないと救済を認めませんでした。
とし @toshihiro36
熊本県水俣病保健課・田中課長:メチル水銀に汚染をされた魚や貝を、たくさん食べられたかどうかが必要だと思っておりますので。そこの点がはっきりしないということであれば、提出診断書の記載いかんに関わらず非該当という形になるのではないかと思います。
とし @toshihiro36
<ナレーション> こうした証明は対象地域内の場合は必要ありません。住んでいた場所が違うだけで、症状があっても救済されない。藤下さんはやりきれない思いを抱えています。
とし @toshihiro36
藤下:悔しいですよね。人間の体のことを書類の審査だけでする。(書類が)ない人はどうなるんですか、症状があって。“あたう限り”は数だけ。申請者を募るだけ。心から救済する気持ちがあるのかどうか…僕にはわからないですね。
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