『思想』8月号とビビガールにつづくものがたり

ほしのかけらひろった。
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Shigeo Hayashi @HAYASHI_twit

#思想8月号 ①松本卓也「ラカン派の精神病研究」を一読。焦点は神経症と精神病の差異(とその検証)で、「父の名(の排除)」こそがその鍵と説くラカン、およびラカン派(マルヴァル、ミレール等)について、年代別に見やすく解説した論考は大いに参考になりました。

2012-07-30 18:42:44
Shigeo Hayashi @HAYASHI_twit

#思想8月号 ②「父の名の消去」を探ること、それは消去されたものを探すという困難な道で、あたかも隠滅された証拠を指紋採取などで探す作業にも似てくるけれど、その指紋にあたるのが要素現象だとみるソヴァニャの視点。神経症と精神病を定義し鑑別することが時代による更新を受けていること。

2012-07-30 18:47:31
Shigeo Hayashi @HAYASHI_twit

#思想8月号 ③さらに、メンタルヘルスという考え方が現代において狂気の場所を奪いつつあることや、精神病をめぐる問いが人間の定義と切り離せないという根本的な視点など、さまざまな示唆を与えられた論考でした。

2012-07-30 18:48:55
逆卷 しとね @_pilate

『思想』8月号松本論文読了。RTしたHAYASHIさんのまとめが簡にして要を得ているので、おんぶにだっこ。ラカンについてはいまだに分かっているといは言えない年月を徒に積み重ねているわけだけども、この論文を読むと専門家の領域でもいろいろと紆余曲折あるのだと改め実感。

2012-08-02 04:36:38
逆卷 しとね @_pilate

精神病と神経症とを弁別する試み、そしてそれらの病理のメカニズムを解釈するための理論整備、これらの歴史的曲折について松本論文は丁寧に説明している。私がとりわけ興味をもったのは、正常者が神経症の未発症者であるという見地と、それから正常者を精神病の未発症者であるとする見地。

2012-08-02 04:42:14
逆卷 しとね @_pilate

鬱や摂食障害を、ある種の構造の歪みが表出したものとして扱う、つまりそれらの診断名にも神経症的なものと精神病的なものがあるとする、ラカン派の見立てについては知らなかった。

2012-08-02 04:50:59
逆卷 しとね @_pilate

想像界‐象徴界‐現実界の三つの相が段階的なものではなく、同じものの別の貌であるように、ひとつの病気に違う貌を見出すのはとても大事なことなのだと思う。

2012-08-02 04:55:35
逆卷 しとね @_pilate

正常を精神病の未病とする時代診断は、(神経症の駆逐を意味するのではなく)その連続性が現代における「優勢な」構造を物語っているだけであることにも注意が必要なのではないか。神経症的な構造はまだ時代の表面に保存されている。第一の立場から第二の立場への移行ではなく、時代はそれらの坩堝。

2012-08-02 05:00:01
逆卷 しとね @_pilate

ミレールによる「普通精神病」(未病としての精神病)の3つの様態、「社会からの脱接続」、「身体の脱接続」、「主体の脱接続」と、十川論文における「自己愛から峻別されるナルシシズム」との間にいくらか親近性があるように思った。

2012-08-02 05:06:22
逆卷 しとね @_pilate

クリストファー・ラッシュはアメリカの70年代を「ナルシシズムの時代」と名指し、また"me-isim"なる言葉も流行したわけだが、それは十川論文における自己愛に等しい。高度に社交的スキルが問われる現代において、未病としての精神病、そしてナルシシズムを問い直す意義は大きいと思う。

2012-08-02 05:11:31
逆卷 しとね @_pilate

と、『思想』8月号のフロイトとラカンを無理やりコラボさせたところで、了。

2012-08-02 05:14:30
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

加藤典洋氏は「祈念」で、大澤真幸氏は「アイロニカルな没入」でそれを説明したが、それだけではちょっと「弱い」。もっと強いアンビヴァレンスがそこにある。nuclear power を「核」と「原子力」とに無意識に訳し分けることを強いる何かが。

2012-07-29 22:36:55
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

鉄腕アトム、8マン、サイボーグ009,ドラえもん、ガンダム(トリウム原子炉!)と原子炉搭載キャラは多いけれど、極めつけは水爆大怪獣ゴジラ。初代は怒れる被爆怪獣、60年代は子どもの味方、1984年は放射能中毒、対デストロイアではメルトダウンしてジュニアが吸収、親子で核燃料サイクル。

2012-07-29 22:44:17
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

前にも書いたけど自ら被爆して妻も骨片だけになった永井隆が原子力の希望を語り、聖母被昇天になぞらえて妻がキノコ雲と共に昇天する図を描いた時、いかなる欲望が働いていたか。連想するのはラカンが引用する次のエピソード。

2012-07-29 22:51:25
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

アンジェル・ド・フェリニオが癩患者の足を洗ったばかりの水を喜んで飲み干しました。詳細は言いませんが、彼女の喉には癩患者の皮膚がひっかかりました。あるいは、福者マリー・アラコックは少なからざる霊的恵みに満たされて病人の排泄物を食べました。(ラカン『精神分析の倫理』岩波書店)

2012-07-29 22:52:23
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

放射能は表象不可能であり、どんなイメージもあてはまらない。放射線は<現実界>として、すなわち、そのまわりのどんな象徴化も失敗する「固い核」として、純粋な見かけとなる。われわれは放射線を目で見ることも手で触ることもできない。(S.ジジェク『斜めから見る』(青土社)

2012-07-29 22:53:57
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

映画『太陽を盗んだ男』では沢田研二扮する理科教師が東海村から盗み出した液体プルトニウムの管を抱いて寝るシーンがある。萩尾望都「プルート夫人」では、絶世の美女プルート夫人が「私の10万年のしとねにいらっしゃい」と誘惑する。原子力は「美女」だ。

2012-07-29 22:56:32
モモbot @bot_momo_bot

「こんにちは。あたしはビビガール、完全無欠なお人形です。」

2012-08-01 16:00:53
モモbot @bot_momo_bot

いなずまにつぐいなずま! 落雷につぐ落雷! 荒れくるう風雨! 山なす大波と白くあわだつ水しぶき!

2012-08-01 20:01:15
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

(情交すれば処刑される美女について)カント先生は、まったく無邪気に、彼の無邪気な手管でもって、良識のある人なら誰でも否と答えると言います。誰も美女と一夜を過ごすために自分の命を賭けたりはしない。  -しかしラカンは異議を唱える。

2012-07-29 22:58:26
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

女性との一夜を、快楽という項目から享楽という項目へと、つまり死の受容を含意する享楽へと――しかもこのため昇華は必要ありません――移行させれば、この寓話は成立しなくなります。(ラカン『精神分析の倫理』岩波書店)

2012-07-29 22:58:54
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

それは現実界に所属する。それはいかなる制御をも免れる。それは「享楽せよ」と命ずる。それは「禁止の侵犯」と関係する。それは「致死的な魅力を持つ美女」として表象される。それは身体にかかわる。それは快楽とは別の緊張を強い、死の欲動と関係する。

2012-07-29 23:01:22
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

つまりそれは享楽である。 …という結論。詳しくは8月末刊行予定『原発依存の精神構造』(新潮社)で!

2012-07-29 23:04:16
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ちなみに藤田博史先生は、原子力について偽の父(サンブラン)と述べられていました。それは確かに「享楽せよ!」ならぬ「快楽せよ!≒電力を消費せよ!」を我々に命じてやまない「偽の超自我」でもあるかもしれません。原発必要悪論を聞く度にこの連想が働きます。

2012-07-29 23:09:36
千々岩英一 @EiichiChijiiwa

(開会式)バレンボイムの得意顔。

2012-07-28 15:27:45