ツイッター小説 お気に入りセレクト 2012/08/03

今日読んだついのべの中から個人的にお気に入りの作品を選んでみました。 ついのべ #twnovel とはツイッター小説、つまり140文字以内で書かれた短いお話です。
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yosizaki @0Y0y0y00480

#twnovel 巷で噂な「レンタル彼氏」をしてみた。イケメンを1週間、彼氏として借りることができる。これはいい。凄く優越感を感じる。こんなイケメンが私の彼氏。しかし終わりはやって来る。別れの時「これからも一緒に居てくれませんか」と彼が言ってきた。リップサービスなんていらないよ。

2012-08-03 00:17:15
おりひか いくお @Orihika

#twnovel 貧乏だけど笑いの絶えない家庭でしたが、母が病に倒れました。僕は楽しいことがあると笑う代わりに「笑みログ」に貯め、「スマイルバンク」で換金して入院費にあてました。「ごめんね」「何とかするから、大丈夫」そうして母に笑いかける代わりに、また「笑みログ」に記録しました。

2012-08-03 00:50:24
layback @laybacks

嗚呼、蝉になりたい。歌いたいだけ歌を歌って文字通り夏を謳歌して後腐れなくぽっくり逝けたらいいのに。そんなことを考えながら寝て起きたら蝉の幼虫になっていた。辺りは真っ暗。つまり地中。この先いったい何年ここで過ごすのだろう? 気が遠くなる。とりあえず寝ることにした。 #twnovel

2012-08-03 01:56:14
豆腐洗い猫@間瀬純子 @masejunko_fic

豆腐洗い猫が洗う予定の豆腐タライには、隣の鳥たちによって、すでにたっぷりの塩素系漂白剤が混ぜ込まれていた。豆腐洗い猫がタライに手をつっこんだとたんに豆腐洗い猫のかわいい手がひりひりと痛んだ。豆腐は白くなった。味見しろ! と鳥たちが歌った。 #twnovel

2012-08-03 04:05:22
すなお @Svnao

#twnovel 霊感が強い事からいじめられ不登校になった僕の所へ、メンタルフレンドのお姉さんが来るようになった。幽霊としか上手く話せない僕は生きている人に初めて恋をした。早く色々な話をしてみたい。部屋でお姉さんの来訪を待ち詫びながら、台所からくすねて来た包丁を何度も握り直した。

2012-08-03 11:49:14
銭喰 @zeniqui

8がつ3にち(はれ)きょうはラジオたいそうのまえに、お父さんとカブトムシをとりにいきました。きのうのよる木にぬったお父さんとくせいのみつにはカナブンしかいなかったけど、お父さんがオシッコをした木にはクワガタやカブトムシがいっぱいいました。とてもたのしかったです。 #twnovel

2012-08-03 12:21:09
雨音 @candypeal

私たちは何も知らない。無知で無力だから、大人は辞書を持ち歩く。辞書にはこの世の全てが詰まっているのだ。恋した時、仕事でミスした時、絶望した時。その項を引けばすべて解決できる。ちっぽけで分厚い世界以外を、私たちは何も知らない。この違和感の正体も、知らないんだ。 #twnovel

2012-08-03 14:25:27
すわぞ @suwazo

#twnovel 世界はいま大混乱である。空と海が、大地と空が、混ざり始めたのだ。パソコンで各国のニュースを眺めつつふと顔をあげると何かが動いた。部屋の壁と天井の境界線がぷるっと震えて、窓から虫のように逃げていった。あれは水平線だった。地平線も何か別の線に擬態しているのだろうか。

2012-08-03 18:49:28
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 「あなたが落としたのは金のメダル?銀のメダル?」ゴメン、オリンピックには出てないんだ。選考で落とされて。「頑張ったあなたには特別なメダルをあげる」夢から覚めて押入を探す。お母さんに作ってもらったダンボールのメダルが出てきた。思えばこれが選手を目指した原点だった。

2012-08-03 19:19:49
リュカ @ryuka511

「げっ、無い!」少女は慌てて上着のポケットを探る。先輩へ書いたラブレターが無いのだ。涙目で学校中を探す。「落とし物だよ?」手紙を持っていたのは憧れの先輩。渡された手紙を震える手で受け取る。落ち込んでいると、彼は笑って再び手を出した。「今度はちゃんと手渡してね。」 #twnovel

2012-08-03 19:41:27
ひらばるまなぶ(平原学)@もの書き @chocolatesity

5という数に何かと縁のある男がいた。朝5時起床、仕事は夕方5時終わり、住む部屋の号数は505。誕生日は5月5日で、結婚したのも同じ日付。だが、丁度5年目にして妻が出て行き、夫婦生活は終焉を迎えた。今、彼の心には大きな穴がポッカリ開いている。まるで5円玉のように。 #twnovel

2012-08-03 21:00:28
(。・ω・。) @AWACS004

僕は首輪なんぞ大嫌いだ。あんなものを猫にくれてやろうという人の気がしれない。だがあの少女が巻いたリボンなら別だ。丁度半分の所に吊るした鈴がちりんちりりと鳴るのは正しく夏にぴったりだ。だからこいつは其の侭にしておくんだ。そう言って黒猫は誇らしげに顔を振った。 #twnovel

2012-08-03 22:30:52
柚木 @mulberry03

ネギをしょった鴨が、前から歩いてきたので。ちょっと呼び止めたら、何故かネギは僕の手の中。颯爽と去って行く鴨はやけにかっこ良くて。僕は手にしたネギを見つめて、今夜の晩御飯を北京ダックに決めた。このネギを巻いて食べてしまおうと。鴨と家鴨の違いは、多分、その潔さ。 #twnovel

2012-08-03 22:40:54