(前回あらすじ:アンダーガイオン第2層の奥ゆかしいバー「落ち着いて下さい」に、3人のアメフト・サラリマンが訪れる。実際泥酔していた3人は信じがたい狼藉を尽くし、アトモスフィアを完膚なきまでに破壊した!ナムアミダブツ!)
2012-08-08 20:25:28(3人は長身の男に絡む。身長8フィートを超えるその男は激しく怒り、驚異的な膂力で3人を打ち据え、バイオパイン製棍棒でタタキにしようとした!その時!別の大男が暗がりから現れ、振り上げられた棍棒を止めたのだ!)
2012-08-08 20:28:16「何事も、暴力で解決するのが一番だ!ドーモ!ザイバツ・シテンノ、レッドゴリラです!」「アイエッ、アイエエエ!?」「ヌウーッ…?アイサツをせんかーッ!」レッドゴリラと名乗った大男は、長身の男の手首を掴んだまま、片手で放り投げた!CRASHHHH!カウンターに激突!破砕!1
2012-08-08 20:32:14いかな怪力の持ち主とて、身長8フィートを超える人体を片手で放り投げるなど、通常は不可能!だが、レッドゴリラと名乗ったその男は、事も無げにそれをやってのけた。何故か?カラテである!レッドゴリラは投げの直前に男の足を素早く払い、そのバランスを奪ったのだ!タツジン!2
2012-08-08 20:38:01「フンッ!」レッドゴリラが筋肉を誇示し勝ち誇る。折り重なるようにして倒れていたサラリマン3人組が起き上がり、彼に縋りついた。「おお…ブッダ…」「アメフト・ブッダ…」「ガハハ…アメフト…スゴイ!」「ムゥッ?アメフト?ワシはニンジャだがブッダではないぞ」「アメフト・ニンジャ!」3
2012-08-08 20:41:46「だからアメフトでは…ムゥッ!?イヤーッ!」困惑した表情のレッドゴリラは、しかし突然身を深く沈めた!「イヤーッ!」直後頭上を通過するバイオパイン棍棒!「アバッ!」そのままの勢いでコウジの頭部を直撃、粉砕!長身の大男がダメージから回復し、反撃を開始したのだ!4
2012-08-08 20:46:11「ウォーッ!イヤーッ!」調度と内装を破壊しつつ、尚も振り回される棍棒!身を沈めたレッドゴリラが咄嗟に掴んだのは、オギの足首だった!「イヤーッ!」振り向きざまに一撃!オギと棍棒がぶつかり合う!5
2012-08-08 20:52:39「イヤーッ!」「ウォーッ!」「イヤーッ!」「ウォーッ!」「イヤーッ!」「ウォーッ!」「イヤーッ!」「ウォーッ!」加速しつつ幾度となく打ち合わされる棍棒とオギ、バイオパインとアメフト部員の強度は互角!10数度めで両者が同時に破砕!「「ムゥーッ!」」6
2012-08-08 20:56:10「アイサツもできんサンシタが、なかなかの暴力ではないか!」「ウォーッ!ウォーッ!俺は、俺は…ウォーッ…!ドーモ…」長身の男の目には、涙が浮かんでいた。レッドゴリラは悟った。したくとも、できないのだ。アイサツを。ニンジャのイクサの、根本を。「小僧、貴様…」「ウォーッ!」7
2012-08-08 21:02:13長身の男が掴みかかる!レッドゴリラはその両手を取り、手四つに受ける!力比べだ!筋肉量はレッドゴリラが上、しかし男も上背を活かして体重をかける!両者の膂力は互角!「俺は、俺は…」「貴様はニンジャだ。ワシと同じだ」「きゅっ、急に背が伸びて、頭も悪くなって…」「ワシと同じだ!」8
2012-08-08 21:08:11「ヌゥン!」レッドゴリラが力を込める!歯を食いしばると、元々人間離れした顔面がさらに歪み、正真正銘のゴリラめく!長身の男が耐える!イクサの最中でありながらその筋肉は徐々に成長している!平安時代以前の遥か古代、ニンジャ神話の怪物めいて…!9
2012-08-08 21:14:24「イヤーッ!」レッドゴリラがカラテ・シャウト!長身の男が一瞬気圧される!だがその一瞬が均衡を破った!長身の男が膝を折る!投げ飛ばされる!投げ飛ばされた先にはブザマに這いつくばるアガバ、「アバッ」死亡!10
2012-08-08 21:18:35「俺は…何なんだよォ…!」「貴様が何者か、だと?バカめ!ワシに分かるか!だが小僧、これだけは教えてやろう。よいか、何事も、面倒は、暴力で解決するのが一番だ!」「暴、力…」「来い!」レッドゴリラが拳を固め、自らの顎を挑発的に小突く。「ウウウ…ウォーッ!」長身の男が殴りかかる!11
2012-08-08 21:23:55CRASHHHHH!常人であれば消し飛ぶであろうその拳を、レッドゴリラは顔面で受け止める!ゴリラめいた不敵な笑み、低い鼻から血が垂れた!「イヤーッ!」お返しとばかりに長身の男の顔面にパンチを叩き込む!衝撃で指毛が焦げる!だが男は耐えた、耐え切った!12
2012-08-08 21:28:58「イヤーッ!」パンチ!「グワーッ!」耐える!「イヤーッ!」パンチ!「グワーッ!」耐える!「イヤーッ!」パンチ!「グワーッ!」耐える!「イヤーッ!」パンチ!耐える!「イヤーッ!」パンチ!「グワーッ!」耐える!「イヤーッ!」パンチ!耐える!「イヤーッ!」パンチ!「グワーッ!」13
2012-08-08 21:31:20長身の男が吹き飛んだ!「これが!暴力だ!ニンジャだ!ウォーッ!」顔面を腫らしたレッドゴリラが、吠える!胸を叩く!DOKDOKDOKDOKDOKDOK!第2階層全てに響き渡らんばかりの超重低音ドラミング!「ウゥ…」壁に寄りかかり呻く長身の男。「小僧!ワシと一緒に来い!ただし!」14
2012-08-08 21:36:12「ウゥ…?」「これを、耐えよ」レッドゴリラの声が、トーンを落とした。足を開き、腰を沈める。両手を握り、腰の横へ。顎を引く。「…耐えよ」そして、駆け出した。15
2012-08-08 21:43:45「これを、耐えよ」レッドゴリラの声が、トーンを落とした。足を開き、腰を沈める。両手を握り、腰の横へ。顎を引く。「…耐えよ」そして、駆け出した。15
2012-08-11 01:02:33男の霞む隻眼に映る、疾駆する赤い筋肉塊。避ける事も、受ける事も不可能。彼は全てを理解した。抗えない力。理屈や、道理や、不純な全てを叩き伏せる力。暴力とは、それだ。言葉にならずとも、彼には分かった。暴力は何事をも解決するのだ。全てを!16
2012-08-11 01:07:51知らないはずの記憶、ニンジャソウルの記憶がソーマト・リコールする。ニンジャ殺しのオデュッセウス。美しきニンフニンジャ、ガラテイア。エーゲ海。タルタロス…。「Κυκλωψ」口をついて出たのは、自らのニンジャネームであった。迫る筋肉。Κυκλωψは、サイクロプスは、目を閉じた。17
2012-08-11 01:13:24CRRRRRRRRRRRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAASSSSSSSSSSSSSSSSHHHHHHHHHHHHH!18
2012-08-11 01:14:07