「ザ・ビッグ・マッシヴ・エンカウンター」#1
((フォローワーのみなさんへ:これはこのアカウントが最近のニンジャ濃度の高さにオーバーフローを起こしたためゲップめいて放出される二次創作だ))
2012-08-06 22:45:30((よって本編には何も関係がないし、内容が公式と食い違うこともままある。わかってほしい。更新ペースも実際遅いと思うがよかったらお読みください。))
2012-08-06 22:46:35アンダーガイオン第2層、ニュー・ナラヤー・ストリート。アッパーガイオンでは営業できない、ほとんど違法、もしくは実際違法なマイコ・サービス店舗が集中するこの地域は、今夜も多くの酔客を迎え、猥雑ながらも奥ゆかしいアトモスフィアに満ちていた。1
2012-08-06 22:51:44バー「落ち着いて下さい」は、ナラヤーの裏通りに店を構えている。この店はマイコサービスのたぐいを備えていない。サービス店舗で英気を養った観光客や、ポンビキ営業で疲労したボーイが集う、言わば砂漠の中の静かなオアシスめいた店なのだ。2
2012-08-06 22:58:02店内は古式ゆかしい白熱灯ボンボリに照らされ、IRCジュークボックスからはジャジーなガガクが控えめに流れる。時おり響くシシオドシの音が、喧騒を避けてこの店に集う男たちの心を慰める。チョンマゲにウェイター服の店主が、目を伏せながらグラスを磨いている。3
2012-08-06 23:02:08ガラーッ!だが、その奥ゆかしいアトモスフィアは、奥ゆかしさ故に容易に破られるものだ。入り口のフスマを開けて現れたのは、たった今マイコサービスを堪能してきたと思しき、泥酔サラリマン3人連れ!3人ともが身長6フィート以上、ネクタイをハチガネめいて頭に巻きつけている。ナムアミダブツ!4
2012-08-06 23:06:08「ガハハ!アガバ=サン、そちらのマイコはどうでしたか!」「ガハハ!私のモノにかかれば、キョートのマイコなどベイビー・サブミッション!」「ガハハ!アガバ=サン、オギ=サン!下品ですよ!」「ガハハ!一番楽しんだのはコウジ=サンでしょう!ガハハ!ユウジョウ!」「「「ユウジョウ!」」」5
2012-08-06 23:10:21ネオサイタマ式イントネーションで騒ぎ立てるこの3人は、ドンブリ・ポンの社員である。アメフトの推薦で同期入社したこの3人は、そのゴリオシによってドンブリ・ポンのチェーンを幾店舗となく広げてきた。キョート進出を目論む今回の出張も手応えは上々。そして前祝いにとナラヤーヘ繰り出したのだ6
2012-08-06 23:17:34「ガハハ!おい店主、サケだ!高いやつ!何せ経費だからな!」「そうだ!経費だ!高いサケ!」「マイコも呼べマイコも!何?居ない?呼べ!」口々に勝手を喚き立てる3人!キョート・ニュービー丸出し、いやそれ以前の人間性!周りの客がヒソヒソと囁き合い、チョンマゲウェイターはチャメシを出す!7
2012-08-06 23:21:09「ガハハ!さすがキョート、気が利いてますね!」3人は一息でチャメシを飲み干し、同じ勢いでサケを呷る!安らぎを求めて集った客は、次々と勘定を済ませ店を出る!ウェイターの目に涙が浮かぶ!が、3人は全く意に介さない!何せこの3人は無敵の営業サラリマン、しかもアメフト部上がりなのだ!8
2012-08-06 23:27:13狼藉はそれに留まらない!「ガハハ!あなたはどこから?キョート・ネイティブ?道理で奥ゆかしい!」「ガハハ!サケが進んでいませんね!オゴリですガハハ!」ナムサン…何たることか、残った客に絡み始めたのだ!次々と店を出る客達!涙目のウェイター!9
2012-08-06 23:31:11さすがに白けた3人は、ポツリポツリと残った中でも一際目立つ、その客に目を付けた。「ガハハ!実際いい体してますね!アメフトですか!アメフトは素晴らしい!」カウンター席の隅、背中を丸め窮屈そうに座る男は、立ち上がらずともそれと分かる長身の持ち主。絡む3人を努めて無視する。10
2012-08-06 23:37:48「ガハハ!サケを飲みたまえ!ガハハ!」グラスを押し付ける!「ガハハ!」肩を組む!「ガハハ!」写真を撮る!長身の男はフードを被っており、その表情は窺い知れない。だが小刻みに震える肩が、彼の怒りを物語っていた。「ガハハハハ!」11
2012-08-06 23:40:13「ガハハーッ!」リーダー格のアガバが、男の頭上からサケをかけた。「ガハハ!ガハ…?」やっとのことで自らの度を過ぎた行いに気付き、静まり返る3人。男が立ち上がる。天井のボンボリに頭をぶつけぬよう首をすくめても、その長身は、優に8フィートを超えていた。「ウウウ…」12
2012-08-06 23:45:56「ウォーッ!」男が長い腕をムチめいて振る!アガバの顔面に平手打ちが直撃!吹き飛びテーブルを崩すアガバ!「ウォーッ!ウォーッ!」雄叫びを上げる長身の男!「デカくて…好きでデカく…ウォーッ!」オギの首根っこを掴み、アガバに投げつける!コウジの首根っこを掴み、アガバに投げつける!13
2012-08-06 23:49:17「勝手にデカくなったーッ!知るかーッ!」頭を打ち振るとフードが外れ、男の素顔があらわになる!スキンヘッドに隻眼、オニめいて浮かび上がる憤怒の形相!「ウォーッ!」バイオパイン製の柱を壁からむしり取り、棍棒めいて片手に持つ!「アイエエエエ!」折り重なる3人が失禁!14
2012-08-06 23:54:16「ウォーッ!」安普請の天井を突き破り高々と掲げられる棍棒!もしこれが振り下ろされれば、3人は一度でまとめてタタキだ!「ガハハアイエエエエエガハハーッ!?」アメフト・ブッダに祈る3人!だが…男は無慈悲に…「ウォーッ!」15
2012-08-06 23:58:56「…ウォーッ!?」棍棒が止まる。何者かが男の手首を掴み、彼の怪力以上の怪力で、その圧倒的な暴力を押さえ込んだのだ。男が力を込める、だが棍棒はぴくりとも動かぬ!「なかなかの暴力だが…足らん!」野太い声が店内を震わせる!涙をこらえていたウェイターが限界を迎え、裏口から逃走した。15
2012-08-07 00:05:40男が振り向く。彼の手を掴んでいたのは、身の丈こそ自身に届かぬものの、やはり長身の持ち主。それだけではない。その長身を覆う筋肉は、まるで山めいて…「…フジサン…?」「フジサンではないぞ。いいかデクノボー、観光客への暴力はいかんのだ。キョートは…いかんのだ!暴力は!観光が重点!」16
2012-08-07 00:09:55この筋肉男は、一体今までどこに居たというのか?その巨体を隠すに足るスペースは、この狭い店内には存在しない!そのようなことができるとしたら…それは…!17
2012-08-07 01:21:48「貴様の考えは間違ってはおらぬ!特に貴様や…ワシのような…」筋肉男が全身に力を込める。筋肉がさらに膨れ上がり、身に纏っていた上等のストライプスーツが裂け、中から真紅の装束が姿を現す!18
2012-08-07 00:22:22「ワシのような…ニンジャにとっては…!暴力が…!」「アイエ、アイエエエ!?」手首を握りこまれ、長身の男が激痛に悲鳴をあげる。「暴力が…!何事も、暴力で解決するのが一番だ!ドーモ!ザイバツ・シテンノ、レッドゴリラです!」19
2012-08-07 00:26:54