「ヒー・コールズ・イット・”ニンキョ”」♯3

NINJASLAYER(@njslyr)の二次創作小説です。見ての通り実際安いですが、お読み頂ければ幸いです。
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欺瞞動画の会社 @naclaqns

ブラックヘイズは自らの問いの答えを得た。狂気。オメーンの奥に光るのは機械の眼、しかし彼のニンジャ洞察力は、そこに宿る狂気を読み取った。狂人、つまり、まともな駆け引きの通じない相手。彼が最も苦手とする類の敵だ。メンポの奥で舌打ちする。…ならば、試すしか無い。46

2012-08-25 00:27:39
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「シツレイ、葉巻を」ブラックヘイズが懐に手を差し込むと、右ヤクザガンの銃口が間髪入れず彼を捉えた。あの空中機動の最中にリロードを?仮にニンジャでなくとも、それは人間業ではない。「ただの葉巻だ。一服したいのだ」ゆっくりと手を引き抜く。照星は彼の胸を凝視したままだ。47

2012-08-25 00:30:55
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その手が掴んでいた物は、果たして葉巻とガスライターであった。メンポに差し込み着火。紫煙が漂う。「スマンな。末期の一服になるかも知れん…」ブラックヘイズは考える。この10秒足らずで得をしたのはどちらか?言うまでもなく自分だ。相手は待てば待っただけジェットパックの燃料を消費する。48

2012-08-25 00:35:07
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にも関わらず、ヤクザ天狗は待った。確かに発狂してはいるが、その狂気には一定の秩序があるのだ。最悪のケースに陥った際、これは生存の可能性を見い出す材料になる。退路の確保は済んだ。「フー…」ならば後は…49

2012-08-25 00:38:15
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だが、ブラックヘイズは一つ間違っていた。この時間で最も得をしたのは彼ではない、「イアイ!」老人のキアイ・シャウトが響く!リュージが絡みつくヘイズネットを緩め、その僅かな隙間を利用しタイゾウがイアイ斬を放ったのだ!「イアイ!イアイ!」続いてマゲヒサ・サゲヒサのネットも破られる!50

2012-08-25 00:40:36
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4人のヤクザが走り出す。「スケダチ、かたじけねェ!礼はする!必ず!必ずだァ!」それだけ言い残すと、上階へ通じる階段を駆け上る。浮遊するヤクザ天狗は当然と言わんばかりに頷き、2丁のヤクザガンを改めて構え直した。51

2012-08-25 00:44:18
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この時点でブラックヘイズのミッションは失敗。だが今現在彼の抱える問題は、それよりも遥かに優先度が高い。すなわち、この狂気のニンジャハンターからの生存。そしてそれは、恐らく、戦いの中からしか得られない。「お待たせした。行くぞ」「ニンジャ遺産は消えない。それは、歴史そのものが…」52

2012-08-25 00:47:51
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「イヤーッ!」「ズラッガァーッ!」両者のシャウトが交錯!戦端は再び開かれた!53

2012-08-25 00:48:22
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(「ヒー・コールズ・イット・”ニンキョ”」#3 終わり。#4へ続く

2012-08-25 00:48:48