【Ruina】ある魔術師見習いの手記

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "調合素材集めの最中、北の町はずれに洞窟を見る。好奇心から入り込むと中は案外広く、少なくとも城館の敷地ほどの広さはあると推測。遠く水音と思しきものも聞こえ、不活性状態のフナットに襲われもした（撃退。怖かった！）ので、奥の方では海に繋がっている？ まさかね。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "フナットは季節が来ると、集団で船に乗り、はるか海の向こうへ漕ぎ出す。先生もどこまで本当かと言っていたけど、あの変てこな生き物が、哲学的思索みたいな旅をするのは愉快だと思うし、興味深くもある。一匹捕まえて観察してみるか？ …話が逸れた。今の問題はあの洞窟。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "あの先を見てみたい。でも、そのための力が私にはない。フナットを撃退する為にも、魔法を使ってしまった。初歩だけ教わった破壊の魔法。先生には、自衛のためだから見逃してもらえるだろうか？ ネルやパリスにも声をかけてみよう。先生には…内緒にして。お許しください！"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "そうだ。替えたばかりだから、書いておかないと。ユル(eoh)、この日誌を記す。通算七冊目。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "先生にバレた。自白してしまったんだけど。あの雰囲気で聞かれると、どうしても逆らえない。これは親と対面しているときの感覚？ わからないけれど。案の定止められた。でも、今回ばかりは、ごめんなさい先生。誰かがあの奥で、私を呼んでいる気がする。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "幸い、ラバンさんが戻ってきていた。相変わらず大口たたきのパリスは置いて、ネルと三人で洞窟。途中、人型の魔物を見る。昔、本で読んだ気がする。年代記？ 後で調べないと。ところで探索の結果は、帰り道でオオコウモリに襲われてネルともども気絶。こんなんじゃだめだ。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "洞窟の中は予想以上に広く（城館どころの騒ぎじゃなかった！ 街の一区画すっぽり入るほど）、大きな川も流れこんでいる様子。ラバンさんが慣れた様子なのはともかく、ネルも落ち着いたもの。私だけ馬鹿みたいだ。未だに調合も覚えられないし、ネルを見ていると、羨ましい。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "魔法の才能がないというけれど、控えめに言っても、ネルにはそれ以外の才能が溢れるほどある。行動力もあるし頭もいい。苦手なんか想像できない。夜更かしは苦手ですぐ寝る、たぶん愛嬌でいいはず。それにひきかえ、私には何があるだろう？ 取り得の魔法すら碌に使えない。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "誰かが呼んでいる気がする。呼んでいる誰か。私を？ 私だから？"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "不死者と奇妙な碑文を見つける。中には階段、あの洞窟の下に何か（遺跡だ。たぶん）がある。アーガデウム。古代の帝都。直観は正しかったかな。あの不死者は、たぶん魔術製だ。それが守護者をやっているのだから、洞窟の先に何かある確率はかなり高い。霊感の導きのままに。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "魔物/[何度もインク消しがにじんだあと]/街に魔物が出た。あの人型だ。夜種。帝都の失われた魔術。本気の師匠をはじめて見た。_違う_、そんなことはいいから。書かないといけない。/チュナが襲われた。一日経っても目を覚まさない。チュナだけじゃない。子供たちが。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "一週間。皆は目覚めない。/[数ページインクけしのあとがある]/一か月経つ。街には山狙いの冒険者が溢れる。洞窟。私の見つけた。違う、私が開いてしまった。魔物はあすこから溢れてきている。子供たちを傷つけた魔物。あの夜聞いた呪いの言葉、なんで書き留めなかった？"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "頭を冷やすのにだいぶかかった。先生や神官さまでも手が付けられない病気で、もたらしたのは夜種。夜種は魔法の産物だ。ならこの病気も、魔法でつくられた可能性が高い。あの洞窟の先にある遺跡。人の作った病なら、治す手段を用意するか求める筈。あの洞窟を調べなければ。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "先生は、止めなかった。正しいことをなせ。昔から幾度も聞いた。正しい目的のために生きる、魔法を使う。それは大原則。ひばり亭で人を探そう。ラバンさんはまだいるだろうか。ネルは…きっと手を貸してくれる。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "ひばり亭で、見るからに外道な魔術師と出くわす。魔法を無闇に振り回すけど、魔物に比べたら全然怖くない。先生から聞いた通り、とにかく冷静に相手にしたら、どうってことなかった（雷は痛かったけど。あいつ許さない） 負け惜しみの最中にパリスが絡んできて…なんで？"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "…よりにもよって、パリスとそいつ（シーフォンていうらしい。確か何か意味があった、あとで調べてやる）で洞窟に潜ることになってしまった。パリスが結構強いのは知ってるけど、でもこの三下っぽいのと？ 命がかかってるのに。ネルとラバンさんは別で洞窟に向かったとか。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "シーフォンも遺跡の魔術が目当てらしい。金目当てじゃなかったんだ。街にぶらついているどこかの魔術師たちよりは、本分について志が高いのか？ でもこいつ、使った術を考えたら妖術師だ。魔術を覚えて何をする気なんだか。気は許せない。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "ランタンの油が切れそうだ。結論から言うとあの二人と潜ったのは心情的に失敗、結果として成功。悶着で川に落ちた挙句に道が開けるというのは予想外。論理的じゃない行動に真理がある、こともあるのかも。油紙で包んでなかったらこの日誌も駄目になっていたろうし、複雑だ。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "同じように迷っていたキレハさん（東の生まれだろうか。綺麗な人。黒絹みたいな髪。凄い）と一緒に脱出手段模索し、パリスが変態夜種（なの？あれは？）と決闘したり水牢で死にかけたり（シーフォンの顔は見物だった）したが道開けず、これから門番らしい動く石像へ挑む。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "シーフォンがやらかした。先生に噛み付いたのだ。秘蔵の魔道書をよこせ、とか。先生はあいつを知っていた。悪名高い魔術泥棒の友人殺し。非正規、不正の術師。しかも宿がないとかで、結局泊まっていった。私はなんで泊めるのかと聞いたけど、先生は、黙ってお酒を飲むだけ。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "書いておかないといけない。遺跡で、他の冒険者に襲われた。数は同じだったけど向こうは万全の状態、こちらは夜種の群れと戦った後でぼろぼろ。逃げ場がなかったという事もあるが、誰も逃げなかった。パリスも。シーフォンもだ。私は、逃げたかった。逃げていいわけがない。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "先生が言っていたことがわかった気がする。正しいことをなさない人間は、怖い。手馴れた破壊の魔術で焼き殺されかけた時に、私は悲鳴をあげそうになった。それは、魔術師が死ぬのと一緒だ。あいつは、ちゃんと大きな呪文を唱えてた（それで力尽きてあとは殴りつけてたけど）"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "水牢で真っ青になって、それでも言葉少なだったのは息を使わないため？ まさか。でもあいつは慣れてる。何か正しいことを知っているのかもしれない。あの、魔王になりたいとか公言している小児病。すぐ熱くなるちんぴらみたいなモグリの魔術師。気になると言えば気になる。"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "巨大な回廊に到達。瓦礫で寸断されているけど、正円形だとするなら（計算してないが、たぶん）街を囲えるくらいの大きさ。こんなものが埋まってるなんて、どうなってるんだろうか。今更だけど。巨大な白い岩で塞がった横に小さな隙間有、小型の夜種はくぐれるか。この先に？"

里村邦彦 @SaTMRa

@3zaru #廃都 "あの岩、すこしがたついていた。ネルに頼んでみよう。押しのけられれば、先へ入れるかもしれない。ああ見えて、パリスなんかよりずっと力が強いから。/[乱れた筆跡をインク消しで擦ったあと]/奇妙な夢を見た。あれは誰？"