SPECULA第三回まとめ補足、映画「涼宮ハルヒの消失」における京アニの悪意について

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MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

SPECULAまとめについて、ちょいと補足というか、自分でもメモしておきたいことなので『涼宮ハルヒの消失』について。

2010-07-18 17:25:51
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

なんというか、あれはとても哀しい映画だと思う。全体的にあまりにもの哀しい音楽が流れすぎていて、久しぶりにハルヒたちと再開しても、SOS団が騒いでいても、なんというかすべてはもう決定的に終わってしまっていて、もうここには戻れないのだ、という思いばかりが湧いてくる映画だった……。

2010-07-18 17:27:45
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

ただ、この映画はある、メタ的な演出で明らかに原作とは異なった――それこそ真逆とも言えるメッセージを描き出している。原作『消失』は、つまるところ、嫌なのに、面倒くさいのに、などと言いながらハルヒに付き合っていたキョンが「やっぱりハルヒたちと一緒にいるのがいい」と再選択する話しだ。

2010-07-18 17:30:21
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

その時、キョンは自分自身に向かって「おまえは本当はどっちの世界が好きなんだ?」と問いかける。映画では、この時、キョンの顔はスクリーンに正面に映し出され、明らかに劇場に向けて、おまえは~と語りかけてくる。

2010-07-18 17:32:48
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

明らかに、おまえとは、キョンであると同時に「ぼくたち」で、キョンの迷い込んだ「普通の世界」こそが、この世界なのだと思わせる演出になっている。もちろん、キョンというのは、シニカルで饒舌でその実超常現象を望んで止まないラノベ読者の代表みたいなキャラクターだから、この演出自体はいい。

2010-07-18 17:34:59
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

問題なのはラストシーンだ。もとの世界に戻れたキョンだけど、世界を本当の意味でもとに戻すためにはもう一度、「普通の世界」に戻らないとならない。が、キョンはそれを後回しにし、『消失』ではそれは描かれない。キョンは「もう少し待っていろよ、世界」と言い、その瞬間、画面はブラックアウト。

2010-07-18 17:38:23
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

最後の「もう少し待っていろよ、世界」も明らかに、スクリーンの外のぼくたちに向けて語られている。観客とキョンを同一化させて「やはりあちらの世界に戻りたい」と叫ばせ、にもかかわらずキョンだけを「あちらの世界」に戻し、観客だけが、この世界に置いて行かれる、というのが映画『消失』だ。

2010-07-18 17:43:42
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

だから、結局、映画では、キョンは、ハルヒとのクリスマスに辿り着けたのだろうけれど、それは画面には描かれない。つまり、ぼくたちは辿り着けていない。ただ、長門だけが向こうの世界から僕たちを見ている。そういうあまりに絶望的な映画になっている。

2010-07-18 17:46:10
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

宇宙人も未来人も超能力者もいない世界の寒々しさをこれでもかと描いた上で、その偽りの世界に観客を取り残す。待っていろよとキョンは言うけど、『ハルヒ』の新刊マダーな現状、それはあまりに遠い未来だと僕たちは知っている。僕らはこの寒い世界で永遠にこないキョンを待ち続けるしかない。

2010-07-18 17:50:43
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

なんかこう電波なことを言っているようですが、この解釈は、昨日、おおむね、黒瀬(@kaichoo)さんも同意してくれていたようでした(まとめにある「京アニの悪意」と言われているのはこの点です)。だから、とてもいい映画なのだけど、あまりに哀しすぎる映画だと思います、消失。

2010-07-18 17:55:51
田邊 直也 @TNBNOY

@MAEZIMAS 初めまして。突然質問してすみません。映画「消失」の、その演出は意図的なものでしょうか。それとも、意図せず、そうなっちゃた物でしょうか?

2010-07-18 17:51:37
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

@TNBNOY もちろん、京アニの意図は私にはわかりませんが……でもかなり意識的にやっていると僕は思いました。

2010-07-18 17:56:32

コメント

バイレン @nomalplayer 2010年7月19日
ま た エ ヴ ァ 劇 場 版 か。現実に帰れ的な。
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Hiroyuki Ohashi 大橋博倖 @Gross_1610 2010年7月19日
ハルヒは1巻と1話しか見てませんがだとしたらずいぶんな殿様商売ですね。京アニは所謂ツンデレ?でしょうか。おたくコンテンツ消費者にこんなものもう買うなとわ。
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ToTo@お疲れモード @toto_6w 2010年7月19日
単に原作があそこで終わってるからだろw その先の話は別の巻だし。
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もじトぶ @mojitobu 2010年7月19日
キョンが選んだのは超常のある世界そのものじゃなくて、 自身が超常のくせして自覚できず、さらには超常を渇望してるくせに遭遇もできない。それなのに現実を強く生きてるハルヒ。という個人を選んだんじゃないの。
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エリア83@讃州deおばけ屋応援民 @area83ontweet 2010年7月19日
消失長門はおだやかな日常を見せて精一杯引き留めるけどキョンに振られて、結局キョンはハルヒとの騒々しい日々を選びました、て話ですけど……(消失じゃない)長門は別に振られたわけじゃない、ようにも読めるんですよねあれ。 私の読解力が足らないのか映画から特別な印象は受けませんでしたが、こういう解釈もあるんだなあ。
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テストユーザー @SiTube 2010年7月19日
あの映画の世界が「この世界」なわけないじゃないか。理由? 解らないとは言わせないぜ。
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才蔵13 @saizou_13 2010年7月20日
リアルにかっえ~りなっさーい~♪
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トレンド @rdnt 2010年7月22日
むしろそういう絶望感があってこその二次元だろう?え、違うの?
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BEW @_BEW 2010年7月22日
読後感というような余韻の話だと思うけど個人的に映画館からずっと出たくないと思わせる映画の方に悪意を感じる。君たち観客は違うんだよという余韻は現実に向かい合わせる善意ともいえる。
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@barumoa 2010年7月22日
@_BEW 夢を見続けさせるのと、夢からさめさせるのはどちらがアレで何なのか。単純な二元論では語りつくせなさそう
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我乱堂 @SagamiNoriaki 2010年7月22日
>『ハルヒ』の新刊マダーな現状、それはあまりに遠い未来だと僕たちは知っている。 いや、もうすぐ出るんだが…新刊…。 涼宮ハルヒの驚愕の発売予定が二月だったことを鑑みれば、この人の感じた意図が消失映画にあったとしても、私たち、つまり映画をみた人間はすぐにその先の世界である驚愕に出会えるという寸法だってことなんだろうなーと。まあ、予定では。伸びたけど。発売。
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