マイクロペイメントとか

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東窪公志 @toukubo

いい加減法整備と課金システムが遅すぎるよなー。著作者にぼろ儲けつつもっとサクサク友達とデジタルデータ共有させたい読者が50億人いるのにさ。革命とは膨れ上がった圧力差を妨げる薄いビニールに穴を開ける小さな針である。

2010-07-19 11:45:14
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo マイクロペイメントについては、資金決済法の制定により適法になりました。制定にあたっては、1)決済事業者のデフォルトリスク、2)マネーロンダリング、特にテロ組織の資金移動に対処できるかが議論になりました。法改正が鈍いのはそれなりに理由があることも多いと思います。

2010-07-19 12:03:20
gen tokio @gtokio

@toukubo @inflorescencia squareに動きがあるだけで他のTwitterのアカウントに絡めたサービスはPaypalと挟まって全滅っぽいし、モリタポやはてスタに較べてflattrとかはtumblrとの相性や日本でどうなんだろう?

2010-07-19 12:41:23
東窪公志 @toukubo

@inflorescencia 少額決済の法整備は特に遅いとは思いませんし、法整備よりシステムのが遅い(たとえばpaypalの普及までの時間とか、10円サイズのコンテンツを10円で売るような課金スキーム)と思ってますが、著作権の方。こっちのが膨大なリスクはありますが。

2010-07-19 12:46:43
東窪公志 @toukubo

@gtokio @inflorescencia ナノペイメントはプラットフォーマーが無理やりにでもねじ込まないと普及は進まないと思うけど、50円以下のコンテンツ課金くらいまで、普通の決済の粒度が落ちてきたら、個人の習慣としても仕組みとしても成熟してく可能性を感じてます

2010-07-19 12:53:29
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

 @toukubo デジタルコピー時代の著作権処理に進展がないというのは、仏国のグローバルライセンス法案とか日本における報酬請求権化の議論、フィッシャーやクセックらが論じた代替行政補償システムについては、実行されていないので評価しないという意味ですか?

2010-07-19 22:41:30
東窪公志 @toukubo

@inflorescencia はあ全部寡聞にして存じないですね。知らないのでそれらを評価するかは保留です。その上で、進展があるようには感じてないです。

2010-07-20 01:00:50
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo そうでしたか。まず、Willliam Fisherは、”Promises to Keep”のなかで「音楽を水のように簡単に手に入れることができるようになる世界」の一つの理念型を提唱しています http://www.tfisher.org/PTK.htm

2010-07-20 21:28:21
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo また、Dave Kusek 及び Gerd Leonhard は"The Future Of Music: Manifesto For The Digital Music Revolution" (邦題『デジタル音楽の行方』)で類似の提案をしました。

2010-07-20 21:29:05
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo これらのモデルは、基本的に以下のような発想によります。デジタルデータのコピーやマッシュアップが不可避なのであれば、コピーも二次創作も自由にしてしまう代わりに、アーティストに利益が還元される仕組みを作れば良い:音楽を公共財とみなして補償金を集めて分配しよう。

2010-07-20 21:29:46
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 具体的に検討された手法は以下のとおりです。作り手は、著作権登録事務局に作品を登録し、登録番号を入手する。この登録番号で作品の流通経路をトレースする。受け手は、コピーするための機器やメディア、サービスを買ったり利用したりするときに、音楽利用料も上乗せして支払う。

2010-07-20 21:30:00
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo この補償金を登録者たる作り手で分配する。分配率は聴取率調査やRFIDなどのトレースによるというものです。もう少し細かい点などは http://d.hatena.ne.jp/ced/20060509/1147125178 などをご参照ください。

2010-07-20 21:30:51
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo これらの理念型について、問題点は縷々指摘されています。特に、政府が著作権を管理するとなると、著作権を召し上げることになりかねないが、そこに憲法上の疑義が生じるのではないかという点が問題になります。

2010-07-20 21:31:42
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 音楽を「公共財」またはコモンズと考えて、利用者から「音楽税」をとって分配するというアプローチは素直な感覚にも思えますが、強引でもあります。

2010-07-20 21:32:46
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo また、条約上保障された無方式主義(特許権などとは異なり、登録をせずとも創作しただけで権利が発生することが著作権には認められている)に違背するのではないかという懸念もあります。ともあれ、これらはある種の人にとって魅力的なモデルを構築した点で興味深い試みでした。

2010-07-20 21:33:06
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 上述のような発想を法案化したのが、フランスの「グローバル・ライセンス」プロジェクトです。2005年DADVSI法策定時に議論されました。

2010-07-20 21:33:37
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo グロ—バル・ライセンスはP2Pにおける非営利目的のファイル共有を合法にする代わりに、ブロードバンド・インターネット登録料金を取り、それをアーティストのための助成金にするという法案です。

2010-07-20 21:34:11
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo このグローバル・ライセンスは、P2Pのファイル共有における私的複製を違法化しようとする原案への対案として提唱されましたが、結局否決されました。これは、理論面と政治面の2点から問題があったためと考えられます。

2010-07-20 21:34:52
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo グローバル・ライセンスの法理論上の難点は、3ステップテストに反することです。3ステップテストとは、ベルヌ条約9条2項、TRIPS協定13条等に規定された原則です。

2010-07-20 21:35:31
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 国内法上の権利制限が「一定の特別な場合」に関するものであり(第1ステップ)、著作物等の「通常の利用を妨げてはならず」(第2ステップ)、著作者等の「正当な利益を不当に害してはならない」(第3ステップ)というものです。

2010-07-20 21:35:50
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 3ステップテストを極限まで柔軟に解釈すればグローバル・ライセンス制度も条約違反にならないかもしれませんが、難しいでしょう。ちなみに、TRIPS協定でも明記されているので、仮に条約からの脱退という選択をするとなるとWTO条約全体から離脱せざるをえなくなります。

2010-07-20 21:36:04
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 政治面での問題は、予想がつくでしょうが、著作権者や音楽業界側にとっては受け入れがたい内容であったことです。この点は日本の報酬請求権化の議論において、より先鋭化した形で表出しました。

2010-07-20 21:36:44
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo さて、報酬請求権化の議論を紹介する前に確認しておきたいのは、著作権が講学上、許諾権ないし禁止権に分類されていることです。つまり著作物の利用にあたり著作権者の許諾を得なければなりません。許諾を得ておらず、かつ、違法な使用であれば、その使用は禁止(差止め)されます。

2010-07-20 21:38:13
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo 2006年から2007年にかけて審議会で俎上に上り、また、2008年に「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」がネット法・ネット権という形で提唱しました。

2010-07-20 21:38:41
工藤郁子 Fumiko Kudo @inflorescencia

@toukubo この報酬請求権化の議論やネット法に関する提案は、著作権者団体・管理団体・実演家団体等から猛反発を受けました。反対論者からすれば、それは今ある「権利を切り下げる」ことにほかならず、「乱暴」にすぎるからです。

2010-07-20 21:39:24