メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ 9/17演奏会の聴きどころなど

2012/9/17(月・祝)に開催する、メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ 第23回演奏会のプログラムについて、聴きどころなどツイートをまとめました。
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笹崎・(T)・譲 @udupho

2012.09.17月祝 14- 小出雄聖指揮メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ 紀尾井ホール カセッラ/カヴァティーナ フランク/交響詩「プシュケとエロス」 湯浅譲二/サーカス・ヴァリエーションより(委嘱作品) シベリウス/鶴のいる情景、組曲「ペレアスとメリザンド」より

2012-09-04 02:05:39
笹崎・(T)・譲 @udupho

9/17(月・祝)、メトロポリタン・マンドリン・オーケストラの演奏会の曲目について、主に選曲・編曲の立場から、聴きどころなどを少しずつ紹介していきたいと思います。しばらくの間、お付き合いの程、どうぞよろしくお願いします。

2012-09-04 02:06:32
笹崎・(T)・譲 @udupho

9/17演奏曲目① アルフレード・カセッラ(笹崎譲編曲)/「小管弦楽のためのセレナード」より「カヴァティーナ」 カセッラ(カゼッラとも)はイタリアの作曲家。NAXOSなどでずいぶんCDが出るなど、少しずつ注目されてきている気がします。

2012-09-04 02:06:54
笹崎・(T)・譲 @udupho

「カヴァティーナ」は「小管弦楽のためのセレナード」の中の1曲で、もともとは弦楽合奏です。ゆっくり上昇しては舞い降りる主題がきれいで、繰り返されるたびに長くなり転調も複雑になる構成が興味深いです。動きのある主題に対し、湖面がわずかに揺れるだけのような動きの少ない部分が対比されます。

2012-09-04 02:07:11
笹崎・(T)・譲 @udupho

カセッラ「カヴァティーナ」 もともとがマンドリン・オーケストラのために書かれたかのような楽想です。編曲スコアは、原曲の最大15分割に対し26段譜で書いています。細分化したパートの配合割合のコントロールなどによって、繊細な響きに仕上げたつもりなので、お楽しみいただければ幸いです。

2012-09-04 02:07:50
笹崎・(T)・譲 @udupho

9/17演奏曲目② セザール・フランク/交響詩「プシュケとエロス」(笹崎譲編曲) 代表作「交響曲」とほぼ同時期に書かれたオーケストラ作品で、6曲からなる交響詩「プシュケ」のなかの第4曲。フランクらしいオルガン的な側面も持ち合わせた楽曲で、和声の推移の面白さは格別です。

2012-09-04 22:49:25
笹崎・(T)・譲 @udupho

フランク/「プシュケとエロス」 この曲は、とくに現代オーケストラでは響きが分厚くなりすぎる傾向もあり、ほんとうはもっと繊細な側面を持った曲なのではないかという思いから、透き通った響きを得意とするマンドリン・オーケストラで取り上げようと考えました。

2012-09-04 22:50:09
笹崎・(T)・譲 @udupho

フランク/「プシュケとエロス」 編曲はオーソドックスに施していますが、マンドリン属は最初から最後までトレモロのみ。ギターも半分以上がトレモロ奏法です。各部分でオルガンのストップを変えるかのような、ある種の非連続性を意識した演奏を目指したいと考えています。

2012-09-04 22:51:06
笹崎・(T)・譲 @udupho

9/17演奏曲目③ 湯浅譲二/「サーカス・ヴァリエーション(1954)」より(2012) 子供のバレエのために書かれた2台ピアノのための作品からマンドリン・オーケストラのために再作曲されました。湯浅譲二さんが実験工房3年目(25歳)、今から58年前の作品が原曲です。

2012-09-06 00:20:31
笹崎・(T)・譲 @udupho

湯浅譲二/「サーカス・ヴァリエーション」より 「ほとんど悩まないですらすらと書いた曲」と伺っています。作曲家自身の言葉によると、「サティやフランス6人組、またプロコフィエフ、バーンスタインなど20世紀中ごろの音楽的雰囲気の中で、自由に書かれている」とのことです。

2012-09-06 00:20:55
笹崎・(T)・譲 @udupho

湯浅譲二/「サーカス・ヴァリエーション」より 1954年は、湯浅譲二さん自身、7人の奏者のための「プロジェクションズ」(1955~1956)、ピアノのための「内触覚的宇宙第1番」(1957)といった作品を書く直前。ちょうど日本の現代音楽が大きく進化する転換時期といえるでしょうか。

2012-09-06 00:21:12
笹崎・(T)・譲 @udupho

湯浅譲二/「サーカス・ヴァリエーション」より 今回の作品は4曲からなります。旋律と伴奏が一見違う拍子でちぐはぐに動いてあわててつじつまを合わせようとしたり、複調やジャズ的ムードのペーソスが使われたりと、細部にわたって楽しい仕掛けが繰り広げられます。多彩な音色も楽しみ。

2012-09-06 00:21:53
笹崎・(T)・譲 @udupho

9/17演奏曲目④ ジャン・シベリウス(笹崎譲編曲)/付随音楽「クオレマ(死)」より「鶴のいる情景」 6分ほどの小品ですが、北欧の冬の動かない空気を感じさせる、独自色の強い名作です。僕自身、25年以上前にサイモン・ラトル来日時の演奏を聴いたとき、深く感動したのを覚えています。

2012-09-06 21:50:07
笹崎・(T)・譲 @udupho

シベリウス/鶴のいる情景 僕にはこの曲で1か所だけ、空気が振動するように感じるところがあるのです(風が吹くのではなくて)。原曲通りに編曲するとなぜか空気が振動した感じがせず、ちょっとした非楽音を使っています。初回練習時から不思議と違和感を感じず、元からあった気すらしてきました。

2012-09-06 21:50:40
笹崎・(T)・譲 @udupho

シベリウス/鶴のいる情景 マンドリン・オーケストラは、弱音の表現に独自の世界があると思っています。当楽団はそんな長所を活かせる選曲を心掛けているのですが、「鶴のいる情景」はまさに張りつめた静寂の世界であり、マンドリン・オーケストラでしか味わえないものがあると信じています。

2012-09-07 08:56:13
笹崎・(T)・譲 @udupho

9/17演奏曲目⑤ ジャン・シベリウス(笹崎譲編曲)/組曲「ペレアスとメリザンド」より シベリウスは、メーテルリンクの名作戯曲につけた付随音楽を元に、全9曲からなる組曲を作曲しました。今回はその中から8曲を演奏します。

2012-09-08 01:40:16
笹崎・(T)・譲 @udupho

シベリウス/組曲「ペレアスとメリザンド」より シベリウス作品の中では準メジャー作品という位置付けになるのでしょうか。しかし、この作品はシベリウス中期の真の傑作だと感じています。とくに、深い悲しみをたたえた終曲の「メリザンドの死」は傑作中の傑作だと信じて疑いません。

2012-09-08 01:40:33
笹崎・(T)・譲 @udupho

シベリウス/組曲「ペレアスとメリザンド」より 実は出版スコアにさまざまな不整合やあいまいさがあり、それをどう解釈するのかという課題がある曲なのです(そもそもシベリウスは全般的に…)。今回は編曲前に指揮者といつも以上に打ち合わせを重ね、新鮮な楽曲解釈で臨めるよう、編曲を施しました。

2012-09-08 01:41:10
笹崎・(T)・譲 @udupho

シベリウス/組曲「ペレアスとメリザンド」より 編曲上は、ソロがいつの間にかトゥッティに移行したり、奥の方から音が聴こえるような設計を施したり、といった特徴はありますが、自然に聴けるように仕上げたつもりです。原曲にない打楽器の使い方もありますが、おそらく気づかれないくらい自然かと。

2012-09-08 01:41:36
笹崎・(T)・譲 @udupho

シベリウス/組曲「ペレアスとメリザンド」より とくに終曲「メリザンドの死」の指揮者・小出雄聖先生の表現解釈は、実に説得力のあるもので、おそらく今までにないものなのではないでしょうか。「ほんとうはこういう曲だったか! 」と感じた箇所がいくつもあります。

2012-09-08 01:41:53
笹崎・(T)・譲 @udupho

それでは、9/17(月・祝)のメトロポリタン・マンドリン・オーケストラ、どうぞよろしくお願いします。チケットのご用命はDM等でもお受けします。

2012-09-08 01:42:19
笹崎・(T)・譲 @udupho

個人的に、マンドリン・オーケストラを聴く際のお薦め場所は、1階真ん中より後ろのサイド、および2階席でしょうか。残響の割合が多い響きを想定していますので、ぜひ残響と直接音がモワレる独特の響きを感じていただければうれしいです。

2012-09-08 01:43:25