蕩ける烏蚊葵

山城尚士/杏烏龍 10/22関西コミティア68 F-56 @x_oolong

@sym07 葵は蚊の腕を荒々しくつかんだ。蚊の二の腕は葵の指を適度に抵抗しながらもゆっくりと蕩けるように喰い込ませていく。まるで熱したナイフをバターにあてがうようなそんな甘美な感覚が葵の手の指すべてに広がっていった――。ああ、えろい。

狭山葵 @aoi_sayama

烏は蚊の薬指を咥えた。烏「この指は私のだと言ってるでしょう？　何ですこの指輪は」。蚊の頬に挿す赤色を烏は見逃さない。烏「あの方に頂いたのですね」蚊「いやっ……ちが！」烏は器用な舌使いで蚊の薬指に嵌ったリングを抜き取る。烏「これは没収。私の唇が貴方のマリッジリングです」

山城尚士/杏烏龍 10/22関西コミティア68 F-56 @x_oolong

烏は口の中からリングを吐き出し、自らの掌で弄びはじめた。「何が葵と永遠の愛をよ。よくもまあこんな恥ずかしいこと彫れるわね」そう言って烏はリングを足下に落とし。力任せに踏みつけて見せた。「何が永遠よ！」烏は歪んだ笑みを浮かべ、執拗に踏み続ける。もはや蚊は為すすべがなかった。

狭山葵 @aoi_sayama

@x_oolong 烏は蚊を睨み付ける。その眼差しには、怒りが宿っていると思われたが、彼は柔和に笑う。「いいのです。こうして貴方は葵の呪縛から解き放たれたのですから」。烏は蚊の首筋に手を回し、長身の蚊を屈ませる。「貴方を放し飼いにはできません。首輪を付けましょう」と耳元で囁いた。