20120916 #ETV 特集 シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第1回 ベラルーシの苦悩」

1986年4月に起きたソ連のチェルノブイリ原発事故で、国土の4分の1が放射性物質に汚染されたベラルーシ共和国。原発からの距離が15〜80キロの範囲に位置するホイニキ地区(日本の郡に相当)はその大部分が汚染地域となり、多くの村人が故郷を離れざるを得なかった。(注:ベラルーシで汚染地域と呼ばれるのはセシウム137で、1キュリー/平方km=37,000Bq/平方m以上のエリア) しかし農場長(村長に相当)のニコライ・サドチェンコさん(65歳)は村に残り、この26年間、放射能汚染と格闘しながら農業の再生に取り組んできた。一方、汚染地域から避難した人々の中には、故郷を失った悲しみや移住先での差別にいまも苦しんでいる人が少なくない。故郷で死にたいと、全村避難した村に戻って暮らす老人たちもいる。 続きを読む
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ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。そのため、ニコライさんの農場では、食用の作物を作れない。菜の花畑が広がる。菜種の作付面積はここ数年増えている。もうひとつ、トウモロコシ。放射性物質の吸収が少ないとされる。主に牛の餌に。人間の食べ物にならなくても、汚染を少しでも減らそうと努力する。

2012-09-16 22:42:32
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。必要なものはすべて国の資金で提供。吸収抑制のためにカリウムがまかれる。酸性度が高くなると、より吸収されやすくなるので、石灰をまいて抑える。もう一つの柱は酪農。牛乳は規模を縮小して継続。牧草にはストロンチウムがまだ含まれる。ミルクはすべてバターに加工。

2012-09-16 22:44:16
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。セシウムやストロンチウムは、バターにすることで汚染を大幅に少なくできるとされる。国内のほか海外へも。基準の2倍以上のストロンチウムが、農場に多く残っている。しばらく食用は作れない。しかし、この農地を守りつづけることが大事だとニコライさん。

2012-09-16 22:45:15
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。事故から26年。住民がいなくなった村は取り壊され、姿を消していった。残された墓地。かつての住民は、年に1度の墓参りに訪れる。死後はふるさとに葬られることを望む人も少なくない。

2012-09-16 22:46:19
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。サヴィチ村。原発から30km圏内。事故前に500人が住んでいた。木々は生い茂り、村全体が森に飲み込まれつつある。村人が戻ってきていた。一度は無人になったが、国や行政の許可を得ず村に戻る人が相次いだ。今は高齢者20人ほどが暮らす。「どこにも行きたくないわ」

2012-09-16 22:48:05
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。エカテリーナさん72歳。子供たちからの同居の誘いも断り、村で畑を作って暮らしてきた。「畑の野菜は大丈夫だと言われているわ。畑仕事さえしていれば元気でいられるのよ」以前一度だけ放射線を測定してくれたから安心だとエカテリーナさん。

2012-09-16 22:49:28
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。ひとり、家族の思い出とともに暮らすエカテリーナさん。原発事故の日に生まれた孫の写真。7歳で、悪性腫瘍で亡くなった。

2012-09-16 22:50:54
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。移住先から1年あまりで帰ってきた老夫婦。周りにはイノシシやオオカミが増えた。「測定してもらったので大丈夫な水だ」「おいしい水ですよ」この家を終の棲家と決め、どこにも行くつもりはない。

2012-09-16 22:52:43
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。2012年2月、ホイニキ地区。ニコライさんの農場に新しい汚染地図が届いた。汚染レベルが順調に下がっていたはずのセシウムに異変。基準値以下の部分が、新しい地図では基準値を超えている。さらに、汚染レベルが高い区域が増えていた。汚染の上昇した地域へ向かう。

2012-09-16 22:54:52
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。そこは立入制限区域に隣接した地域だった。去年は畑だった場所。何らかの理由で放射性物質が移動したのか。春にはカリウムの量を増やし、もう一度牧草の種をまくことにした。ゾーンには野生動物たちの姿が見える。そのすぐそばで、ニコライさんは大地と共に生きている。

2012-09-16 22:56:37
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。2012年5月。ニコライさんの農場では、新たな試みが。20年間放置された農地を再び耕す。汚染の度合いが減少し、作付できるようになった農地に牧草の種をまく。土壌改良をしながら、トウモロコシや菜種も植える予定。「子や孫たちに、きれいな大地を受け渡さないと」

2012-09-16 22:58:02
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 特集。ニコライさん「住民のことを思いやる気持ち。ほかには何もない」しかし、ストロンチウムの半減期を考えると、ニコライさんが食用の作物を作れる見込はほとんどない。いつになったら以前の暮らしを取り戻せるのか、見通しはまったく立っていない。

2012-09-16 22:59:03